冬休みに借りて、返却期限ぎりぎりにあわてて読み始めたらびっくりするほどおもしろかった本。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/f3/2f40d3a79f3adbc32385da54da890cca.jpg)
『川辺の風景』 朴泰遠著 牧瀬暁子訳 作品社
キム・ヨンスの『グッバイ李箱』が、どうにも難しくて、背景がわからなくちゃだめだなぁ。と思って借りてきた2冊が、この本と『李箱作品集成』の2冊。
イ・サンとパク・テウォンは同じ年生まれのベストフレンドだそう。
物語は1930年代の清渓川一帯を舞台にした群像劇です。
奴隷制度がなくなったとはいえ、階級がはっきりと残っていた時代。
浮気なお妾さんに頭を悩ます紳士のエピソードもありますが、全体的には丁稚さんや、住み込みの下人など貧しい人の側の話が多く出てきます。
びっくりするのは、お姑さんがすごく意地悪で嫁に行くとみんな不幸になってしまうという。
ある種のマヌラタリョン(嫁暮らしの大変さを節をつけて訴える)なんですが、みんなそうだったのかな~?大変だ。
事実はどうあれ、韓国語の言い回しを理解するためにはそういうものだと思っていたほうがよさそうです。
例えば、下女の娘でもカフェの女給さんでも美しければ上の身分の男性と結婚できるんだけど(ただし、それで幸せになれるわけではない)女性はそうやって身分上昇できたとして、下人階級の男性があぶれちゃうのはどうするんだろう?とソボクな疑問が。
日本料理やさんやカフェで働く女給さんたちは日本式の名前をつけていた時代。
貧しい人の側に立った暖かい視線―なんて言葉でくくりたいのは私たちの先入観で、むしろ多くのエピソードをモダン・ボーイ、パク・テウォンはたんたんと描いています。
丁寧な訳注を読むのもとても楽しかったです。
訳者の方がこの本に出会って、気に入って世に出したかったんだなぁ、という気持ちがすごくわかります。
韓国語小説の出版が大変ななかで、訳者の気持ちが伝わる本に出会うのも醍醐味です。
原書を読めるのも楽しいんだけど、翻訳書もどんどん探して読んでいこうと思いました。
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『川辺の風景』 朴泰遠著 牧瀬暁子訳 作品社
キム・ヨンスの『グッバイ李箱』が、どうにも難しくて、背景がわからなくちゃだめだなぁ。と思って借りてきた2冊が、この本と『李箱作品集成』の2冊。
イ・サンとパク・テウォンは同じ年生まれのベストフレンドだそう。
物語は1930年代の清渓川一帯を舞台にした群像劇です。
奴隷制度がなくなったとはいえ、階級がはっきりと残っていた時代。
浮気なお妾さんに頭を悩ます紳士のエピソードもありますが、全体的には丁稚さんや、住み込みの下人など貧しい人の側の話が多く出てきます。
びっくりするのは、お姑さんがすごく意地悪で嫁に行くとみんな不幸になってしまうという。
ある種のマヌラタリョン(嫁暮らしの大変さを節をつけて訴える)なんですが、みんなそうだったのかな~?大変だ。
事実はどうあれ、韓国語の言い回しを理解するためにはそういうものだと思っていたほうがよさそうです。
例えば、下女の娘でもカフェの女給さんでも美しければ上の身分の男性と結婚できるんだけど(ただし、それで幸せになれるわけではない)女性はそうやって身分上昇できたとして、下人階級の男性があぶれちゃうのはどうするんだろう?とソボクな疑問が。
日本料理やさんやカフェで働く女給さんたちは日本式の名前をつけていた時代。
貧しい人の側に立った暖かい視線―なんて言葉でくくりたいのは私たちの先入観で、むしろ多くのエピソードをモダン・ボーイ、パク・テウォンはたんたんと描いています。
丁寧な訳注を読むのもとても楽しかったです。
訳者の方がこの本に出会って、気に入って世に出したかったんだなぁ、という気持ちがすごくわかります。
韓国語小説の出版が大変ななかで、訳者の気持ちが伝わる本に出会うのも醍醐味です。
原書を読めるのも楽しいんだけど、翻訳書もどんどん探して読んでいこうと思いました。