たままま生活

子育ての間にこっそりおでかけ・手作り・韓国語・・・。
多趣味な毎日を紹介します。

『波が海の業ならば』キム・ヨンス著

2013-01-26 23:38:00 | 韓国文学


ある悲しい事件があって悲しんでいる少女がいるとします。

その少女の悲しみと怒りに寄り添う人が現れ、やがて少女は妊娠します。

彼女の妊娠に、

彼女を愛しながら反対するしかない人、
嫉妬から噂を流す人、
うわさを信じて彼女を憎む人、
ウソをつく人、
そしてすべてをなかったことにしようとする人。

さまざまな思惑が渦巻く中で、少女は生まれたばかりの娘を手放さざるを得なくなります。

失意の中で海に身を投げるのです。


それから、25年。
アメリカに養子として送られたカミラは母親を探しに故郷を訪れます。

彼女は母親に、真実にたどり着くのでしょうか?



以上、ネタバレではありませんが、ヒントです。
なぜなら、謎解きいっぱいのこの小説、ちょっと読者が試されています。

(読んだ後で友達と答え合わせしたら互いに別の人が父親だと思っていた)



作家の言葉の最後にこうあります。

부디 내가 이 소설에서 쓰지 않은 이야기를 당신이 읽을 수 있기를.

どうか、読者たちが行間まで読んでくれますように。



・・・・そこまで要求されるなら読者冥利に尽きます。
私は引っかかりませんよ。
なんせ、あらすじ+時系列をメモしながら読んでますからね。
(粘着質な読者代表。ふふ)


前作の『ワンダーボーイ』では最後にお母さんを探さないのが
ちょっぴり心残りでしたが、そのもやもやが解消した感じです。

韓国の時代背景を映しながらも
繊細なキム・ヨンス印のラブ・ストーリーに仕上がっています。



すべての謎が解けた後で、もう一度読み返すと本当によくできていて
ぞくぞくします。

そして何より衝撃だったのはカミラの母親が私と同じ年、っていうねー!



ラブ・ストーリーファンにも。
推理小説ファンにも。
そして、キム・ヨンスファンにも。

オススメします!!


怖くないですよ~。
読みたいけど、ちょっと・・としり込みする方には
わたくし特性「あらすじと登場人物マップ」をお送りします。

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おもしろそう (ippoyo)
2013-01-27 10:24:44
日本語だったら読んでみたい~韓国語では無理そうなので^^;

メモ・・・
私のママ友も同じようなことする人います。。
たまさん特製の「あらすじと登場人物マップ」希望~
返信する
怖くないよ~。 (たま)
2013-01-27 17:46:24
最近のキム・ヨンスは文章も短く読みやすくなっているので、ミスターモノレールを読破したippoyoさんなら大丈夫ですよ。

ミスターモノレールよりも、ゴールに向かってちゃんと進んでいくお話です。

この二人が大親友というのも面白いけど。

オタク資料、あとで送りますね~!!
返信する
オタク資料を下さい^^ (けぃ。)
2013-01-27 22:51:04
この資料を読んでも、ナゾは多いってことですね。
最後は笑うのかな?違うね!
なんか面白そうですね。
返信する
笑えませんが・・・ (たま)
2013-01-27 23:02:11
小説の中には19世紀アメリカの女性詩人エミリ・ディキンソンの詩が引用されています。

シン・ギョンスクの小説にもちらっと出てくるんですけどね、

エミリ・ディキンソンと聞いただけでちょっと暗くなる・・みたいな。
彼女の生涯もなかなかドラマチックなので、チャンスがあったら探してみてください。

オタク資料、整理してスキャンしますね~!
返信する
読んでみたい、と思っています。 (ねこだまり)
2013-01-27 23:13:01
こんばんわ。

韓国語の勉強のため、
韓国の小説を読んで見たいと思いつつ、
何がいいか分からずいました。

この小説面白そうですね。
まだまだ初心者の私に読めるのか心配ですが、
ぜひ読んでみたいと思います。

いい小説を紹介していただき、
ありがとうございます(=^0^=)

返信する
ようこそ~。 (たま)
2013-01-27 23:21:23
初心者だったら、
1.2ページくらいで終わるエッセイ
2.短編集
3.長編
とステップを踏んでいくといいですよ。

読んでみて挫折して嫌いになってしまったらもったいない><ので。

ラジオ講座でも扱っていたキム・ジュンヒョクさんの『楽器たちの図書館』なんかおすすめです。
返信する
はじめまして (ゆきんこ)
2013-03-08 09:00:50
はじめまして。
みそじっくさんのところからやってきて
ずっと読ませていただいています。
先日韓国に行った時にこの本
買ってきました。
あつかましいですが、資料が欲しいので
よろしくお願いします。
どうすればいただけますか?
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ゆきんこさん (たま)
2013-03-08 22:02:40
この小説、私は一度読んで父親が誰かわかっちゃったんですけど、
韓国の友人たちは
「作者がわからないように書いているんだから決めつけなくてもいいんじゃない?」という反応でした。

わからないモヤモヤ・・を味わうという読み方もあるのかもしれません。


ということで、納得の上、自己責任でメールください。

(左の自己紹介欄にあります)
返信する
ありがとうございます (ゆきんこ)
2013-03-09 11:32:58
お早うございます。
もやもやを味わのもいいけど
私の韓国語能力から行くと
参考になるものはお願いして
読む方がいいと思いますので
よろしくお願いします。
メールします。
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