遺す言葉 52 この喜びの愛の日に(ジューン ブライド)

　　　　　　　　　　この喜びの愛の日に(2015.6.10日作)
　　　　　　　　　　　　　ジューン　ブライド　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　もうすぐに　ゆくんだね

　　　純白の　花嫁衣裳に　包まれて

　　　愛する人の　胸の中

　　　ほんの小さな　子供の頃の

　　　オカッパ頭の　君だけが

　　　昨日のように　浮かんで来るよ

　　　さびし気な　父さんは

　　　噛みしめて　こらえているのさ

　　　溢れるものを

　　　この喜びの　愛の日に

　　　－－－－－

　　　幸せに　なるんだよ

　　　限りない　未来を二人で　分け合って

　　　愛ある日々を　君たちで

　　　たとえどんなに　哀しい今日が

　　　昨日の幸せ　こわそうと

　　　新たな明日　見つめることさ

　　　さびし気な　父さんは

　　　心から　君たち二人の

　　　幸せ願う

　　　この喜びの　愛の日に

　　　

　　　


　　　

遺す言葉 51 戦争犯罪と責任

　　　　　　　　　　戦争犯罪と責任(2010.11.24日作)



　　　ある国の現在を生きる若者たちは

　　　その国が持つ過去に責任はないのか?

　　　過去の国家犯罪は　現在を生きるわれわれには

　　　どうする事も出来ない-----例えば戦争犯罪

　　　今更　過去への責任など持ち出されても

　　　困るだけだ-----

　　　確かにそうだ　時間を過去へ巻き戻す事など

　　　誰にも出来ない

　　　しかし　だからと言って　現在を生きるわれわれには

　　　国家が犯した過去の過ちに関係はない　とは言えない

　　　国家が過去を引き継いで現在　国家として存続している以上

　　　現在を生きるわれわれが　その国家に依存して生きている以上

　　　現在を生きるわれわれが　国家の過去に責任はない　と言う事にはならない　

　　　国家の責任の消えない以上

　　　今を生きるわれわれが負う責任の消える事もまた　ない　

　　　もし　現在を生きるわれわれが　国家の過去の過ちの責任を取りたくなければ

　　　今ある国家を否定して　その国を離れる以外に道はない

　　　その国家を受け入れ　その国に依存して今を生きている以上

　　　その国が犯した過去の犯罪もまた　われわれの

　　　今の問題として引き受け　受け止めなければ

　　　片手落ちと言うものだ

遺す言葉 50 知るということ

　　　　　　　　　　知るということ(2010.3.10日作)



　　　その人は　最低限の学歴しか持たなかった

　　　その人は　自らが持つ技量を人前で

　　　誇らしげに自慢する事もなかった

　　　その人は　寡黙で

　　　物事を理論だてて説明する事さえも

　　　あえて　しようとはしなかった

　　　その人は　また　殊更に

　　　物事の深い意味を問おうともしなかった

　　　ただ　黙々と日々を生き

　　　その道を歩んで来た

　　　その人は　その事だけしか知らなかった

　　　それでも　その道にかけては

　　　誰もが及ばぬ知識を身に付けていた

　　　日々　生きるためだけに重ねて来た

　　　経験の中で

　　　その事の持つ深い意味を理解していた

　　　知るということは

　　　物事の真理を自らの血肉と化す事

　　　聞きかじりの知識　机上の空論などの

　　　遠く及ばぬところに

　　　真理を血肉とした人の知識は存在する

　　　世間には　聞きかじり学問だけの

　　　似非(えせ)知識人たちが大手を振って跋扈(ばっこ)している


　　　(薔薇騎さん　登録 有難う御座いました　私も早速　薔薇騎さんの読者として登録させて戴きます)

　　　

　　　

遺す言葉 49 銀座は女の虚栄の街

　　　　　　　　　　銀座は女の虚栄の街(2015.5.25日作)



　　　流れ流れて来たわけじゃない

　　　いつかいつかと夢に見て

　　　女の意地をかけて来た

　　　ああ　それなのに銀座の街は

　　　今夜もわたしを苦しめる

　　　銀座は女の虚栄の街さ

　　　－－－－－

　　　名前ばかりは銀座の女

　　　夜の蝶々に夜の花

　　　化粧も映える艶やかさ

　　　ああ　それなのに明日の夜の

　　　さだめ知れないこの頼りなさ

　　　銀座は女の虚栄の街さ

　　　－－－－－

　　　愛を信じて生きてく事を

　　　今も忘れたわけじゃない

　　　女の愛は変わらない

　　　ああ　それなのに銀座の街は

　　　今夜もお金がものをいう

　　　銀座は女の虚栄の街さ