遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(488) 小説 希望(12) 他 重石

2024-03-03 14:52:46 | 小説
           重石(2024.2.25日作)


 過去に拘り 過去を背負って
 未来へ歩く重石にするな
 重石にすれば足は疲れて歩けない  
 二度と戻らぬ過去ならば      
 未来へ向かう心の栄養 糧として 
 総てを呑んで 呑み尽くせ  



          無駄


 人は飲み食い生きる
 無駄な口は動かすな
 頭と身体を動かす 
 頭と身体を動かす事で
 この世は前へと進んで行く
 口先一つ 口先だけの動きでは
 世の中総ては空の空
 


         寒紅梅 観て来て後の あと幾年




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              希望(12)



 
 あらゆる事がこの母親の前では無意味に思えて気力が萎えた。
 実際には婆ちゃんがどうであったのか、修二には分からなかった。
 嫁の悪口を世間に言いふらして歩いていたのか・・・・ ?
 父親が丈夫だった頃には婆ちゃんと母親との関係は悪くはなかった。世間的にによくある普通の嫁と姑の関係だった。
 あるいは、母親が自分を守る為に作り上げた話しなのか ?
 唯一つ、はっきりしている事は、婆ちゃんは修二と同じ世界に住む人間だったという事だった。
 修二に取って大切なのは、その事実だった。責任も義務も忘れて男に走り、自分の欲望だけに捉われた無責任な母親の言った事など、どうでもよかった。
「それは確かに病気の父ちゃんの面倒を看なかったのは悪いかも知んないよ。だけど、仕方がなかったんだよ。医者代だって掛かるし、お金の出るところなんか何処にもなかったんだから。お前だってそのうち大きくなれば分かると思うけど。見てみなよ、家が火事になっても保険金の一つだって入って来やしないじゃないか。みんな父ちゃんが吞んじゃったんだよ」
 修二にはしつこく言い訳をする母親がなおさら不潔に見えて来て昂ぶる感情だけを懸命に堪えていた。
「とにかく、お前にもいろいろ苦労を掛けて済まないと思うけど、もう、父ちゃんも婆ちゃんも居ないんだから、これからは丸山さんと三人で仲良くやっていこうよ」
 母親は急に馴れ馴れしい態度を見せて擦り寄って来た。
 修二はだが、男の名前を聞いた途端にこれまで懸命に抑えていた感情が一気に膨れ上がって、その感情と共に、
「嫌(や)だ ! 」
 と、腹の底から湧き出る野太い声で言っていた。
 憎しみと怒りの混じった修二の思わぬ声に母親は圧倒されて、一瞬、恐怖の表情で身を引いた。それでもすぐに気を取り直して怒りの表情を滲ませた。
 修二は怯まなかった。
「手前えなんか親じゃねえ。唯の色気違えだ。さっと男ん所さ帰(け)えりやがれ ! 」
 と吐き捨てた。
 母親は修二のその言葉に血相を変えた。
「まあ、親に向ってなんて事を言うんだよ、お前は」
 と言った。それから、
「そうかい、分かったよ。じゃあ、これからは一切、わたしとは関係ないって言うんだね」
 と言った。
「そうだ ! 」
 修二は言った。
「それならそれでいいよ。だけど言っておくけどね、あの家はわたしが始末するからね。わたしはまだ、あの家の者なんだから。それでいいんだね」
 母親は言った。
「勝手にすればいいだろう」
 修二にはどうでもいい事だった。そのまま母親の前から立ち上がった。
 母親はそんな修二を見て慌てた。
「待ちなよ。まだ言いたい事があるんだよ」
 と言った。
 修二はその場を離れようとした。
 母親はその修二に言った。
「ちょっと、お前に聞くけどね、あの夜の火事はお前が火を点けたんだろう。わたしを焼き殺そうとして、お前が火を点けたんだろう」
 思わぬ母親の言葉だった。
 修二は心臓をわしづかみにされた思いで息を呑んだ。
 思いがけず母親が真実に迫って来た !
 修二は呆然として立ち尽くしていた。
 そんな修二に母親はなお、憎しみの眼差しを向けたまま言葉を続けた。
「警察ではわたしの煙草の火の不始末だって思ってるけど、そんな筈はないんだよ。あの時、わたしはちゃんと、灰皿で揉み消しているんだから。だけど、警察にはお前が火を点けたなんて言えないと思って黙ってたんだけど、お前がそんな心算ならわたしはもう一度、よく調べて貰うからね。いいかい ?」
 修二は母親のその言葉には答えなかった。そのまま母親の前を離れた。
 二人の刑事が修二を訪ねて来たのは、それから何日かして後(のち)だった。





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             takeziisan様

             
              有難う御座います
             山の景色 何時見てもいいですね
             心が洗われます
             NHKで百名山を放送していますが 険しい山々
             辿って行くとやはり思わぬ景色が眼の前に広がる
             この醍醐味 病み付きになると思います
              蘇州 思わず 水の蘇州の花咲く春を と歌が頭の中に浮かんで来ました
             ミモザ 花の季節 待ち遠しいです と共に雪景色
             何故か懐かしさと共に拝見しました 当地では           
             ここ何年か このような景色に包まれる事は有りません
             以前は よく経験したものですが やはり温暖化のせいでしょうか
              ミラー グッドマン べーシー 昔が偲ばれます
             川柳 堪能 いいですね 次回 期待です
             やはりこうして表現されたものを拝見しますとなんとなく
             心がほのぼのと豊かになるのを覚えます そうだそうだの共感
             楽しいです
               有難う御座いました




















1 コメント

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Unknown (桂蓮)
2024-03-05 08:48:48
タマサさま
ご無沙汰しております。
ブログというか、パソコン開くのも少なくなって、
ネットから離れた生活を送っています。
なるべく本を読もうとしてはいますが、
目が疲れて思う通りにいきませんね。


文頭の詩、日々色彩が濃くなる感じですね。
たまさ様から叱れるような?感じが無くはないです。
が、年取って長く生きた者、若者に説教しないと誰がやる?という感じになりますよね。
年寄りからの知恵はありがたく受け取らないと、ですね。

とにかく、バレエは(これしか私のニュースが無いので)
やっと掴めたのが身に表れるようになりました。
(先生はそう思わないかも)
やっと基本の基本が基本とおりにできるようになりました。
でも先生からまだまだ注意が入りますが、
少なくなったので、やっと良かったと思っています。

ポワント立ちは大分楽になって
オドオドしなくなりました。
滑稽さも減って
やっと猿から人間に進化したかと。

そう言えば猿より鶏でしたね。
一歩歩いたらどこから来たのか忘れましたからね。
自分が何回飛んだのか、飛んだ瞬間忘れて
右左も分からなく
後ろに回るのか
前向きに回るのか
回る瞬間、わすれましたからね。

でもやっと右左の区別ができるようになって、
方向が半分は合うようになりました。

なので、未だに人に見せられるようなレベルじゃないです。
今年の6月、ソロ踊れますかね。
疑います。
ソロ、ポワントになりますが、
3月の今現在、一度もポワントで振り付け練習してないです。

練習って面倒ですね。
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