遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(420) 小説 華やかな嘘(1) 他 雑感十二題

2022-10-30 12:25:39 | つぶやき
          雑感十二題(2020~2022年作)

 

  Ⅰ   人 間の品性は 精神(こころ)が生み出すものだ
   貧富には関係ない

 2 恥は誇りの上に成り立つ
   誇りのない人間に恥じ入る心はない

 3 世間への尊敬 畏怖を失った者は滅びる

 4 内面の充実している人間は比較的 欲望は少ないものだ
   内面の空っぽな人間が際限のない欲望に走る

 5 人はそれぞれ 各自の人生に於いて選ばれた存在だ 
   人 それぞれの人生

 6 人は一瞬一瞬を自分の力で選択して生きている 
   その生を豊かにする為に人は 学び 考えなければなならない

 7 眼からの刺激は脳によって咀嚼されなければ
   花開くことはない

 8 言葉を自分の中に取り込み 飲み込んで咀嚼する
   相手を説得出来るのは 噛み砕かれ 
   自身の血肉と化した言葉と論理だ
                                     
 9 理念を語る事は肝要だ しかし 
   現実に裏打ちされない理念は空論だ
  
 10 われわれが会話や見聞の中で理解したと思っているものは
   自分自身の中に存在しているものへの納得に外ならない
 
 11 極めて優れたものには作為は無論 そこに在る事さえも感じさせない
   自然さが備わっていて 自ずとこちら側の心に寄り添って来る

 ⒓ 他人の称賛は半分に聞け
   他人の𠮟責は二倍に受け止めよ
   書生論ではなく 真実だ





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          華やかな嘘(1)
 



 川野幸二が息を吞んで三島明子を見つめていると、明子もまた、凍り付いたような眼差しで川野を見た。
 二人が別れてからすでに十五年に近い歳月が流れていた。
 川野幸二は四十四歳になっていた。
 三島明子は三十八歳になっているはずだ。
 その明子には別れた当時から比べると明らかに、年齢にふさわしい女としての成熟度が感じ取れた。
 川野にしてみれば好ましく思える印象だった。
  あるいは川野は、明子が気付かなかったら、そのまま、何事もないようにやり過ごしていたかも知れなかった。
 だが、二人の視線はホテルのロビーの人込みの中で出合っていた。
 それでも川野は、もし、明子が不快感をあらわに視線を背けていたら、声を掛けなかったに違いない。
 明子との別れには川野の方に弱みがあった。
 その明子は、ロビーの椅子に掛けたまま、川野に向けた視線をそらさなかった。
 あるいは、偶然の出会いに驚き、眼を疑い、我を失っていたのかも知れなかった。表情に過去を懐かしむ気色はなかった。
 川野はそんな明子の奇妙な視線に吸い寄せられるように近付いていった。そしてそのまま、いささかバツの悪そうな笑顔を浮かべて軽く頭を下げると、
「しばらく」
 と、挨拶した。 
「しばらくでした」
 言葉を返した明子の表情は堅かったが、よどみのない返事が返って来た。
「こんな所で会うなんて、思い掛けないですね」
 なんとはない居心地の悪さを抱きながら川野は、ぎごちない笑顔で言った。それから、そのぎごちなさを包み隠すような思いで続けて、
「今日は ?」
 と聞いた。
 明子には連れのない様子だった。
 黒いベルベットのスーツに濃い藤色のブラウスを着て、耳には銀色に輝く小さな鎖のイヤリングが光っていた。
 胸の二重のネックレスも同質のものだった。
「ええ、ちょっと」
 明子は微かな笑みと共に言葉を濁して言った。
 膝の上にある艶を帯びた黒革のハンドバッグは一見して、高価な物でることが見て取れた。
 かつての明子には見られなかった華やかさだった。
「どなたか、いらっしゃるんですか ?」
 明子の隣りの空いたソファを見ながら川野は聞いた。
 言葉が自ずと他人行儀になっていた。
 十五年という空白の歳月のせいかも知れなかったが、明子のどことなく洗練された雰囲気に吞み込まれてもいた。
 十五年前のあの時、二年に及ぶ同棲生活が明子の妊娠と共に終わりを迎えていた。
 あれから十五年、総ては遠い記憶の彼方の事で、蘇る感情も親しさとは縁遠いものになっていた。
「いいえ」
 明子は何故か、一瞬、慌てたように言って恥じらうような表情を見せ、そのソファーを勧めるかのような仕草を見せた。
「お邪魔しても、かまいませんか ?」
 川野は聞いた。
「はい、どうぞ」
 特別に迷惑そうな表情も見せずに明子は言った。
 川野は明子の斜め向かいに座を占めた。
 半分、明子と向き合う形になった川野は、何故か、居心地の悪さを覚えた。
 自分の過去に向き合わされているかのような感覚を覚えて落ち着けなかった。
 慌ててポケットから煙草を取り出すと一本を唇に挟んでから気が付いて、明子に差し出した。
「いいえ」
 と明子は言った。
 かつて、川野と一緒に面白がって煙りを吹かしていた明子だった。今では勧めるポールモールに関心もないような明子に川野は、堅実な中年女性の落ち着いた姿を見る思いがして、何故か、自分に寂しさを覚えた。
 川野は煙草をポケットに戻すと、入れ替わりにライターを取り出して口に咥えた一本に火を付けた。ロンソンの高級ライターだった。
 今時、百円ライターが横行する中で、川野が高級ライターに拘るのは、不如意な日々を余儀なくされている自分への見栄からだった。ポールモールも見栄えのする外箱を見せびらかすような意味合いを込めての愛用だった。
 今の川野は世間に対して虚勢を張って生きていた。
 未だに川野は、昔のままの売れない作詞家だった。
 その弱みを虚勢によって誤魔化して来た。
 そんな川野に取っては、かつて自分が捨てたとも言える女の、何処か華やかさを感じさせる落ち着いた雰囲気は、自身の寂しさを一層、倍増させるものでしかないように思えた。
 川野はその寂しさを紛らわすように大きく口に含んだ煙りを吐き出した。それかおもむろに口を開いて聞いた。
「今は何処に ?」





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            takeziisan様


             今回も楽しいひと時を過ごさせて戴きました
            有難う御座います
             カライトソウ 見た記憶がありますが 高山地帯に自生との事
            あるいは違う花なのかとも思っています
             方言 「こぐ」 わたくしの地方でも使っていました
            遠く離れているようで 案外 近いものですね
             立派な大根 大根は少し安くなったようです
            ですが いずれにしても 欲しいと思えばすぐに
            新鮮なものを手に出来る 
            御苦労はあると思いますが これに勝る贅沢はないのでは
            と思ったりしています
             コタツ 寒さ一気にという感じ それにしても 
            今時 クンシラン  写真のせいか 色が薄いように感じられますが ?
             ユウゲショウ 見た記憶のない花です
             プラタナスの並木 わたくしは常々 落ち葉は
            ゴミではないと思っていますが 落ち葉の絨毯
            かつて 新宿の街は銀座と共に本拠地としていたような感覚の街ですが
            新宿御苑には何故かいち度も足を運んでいません
            ですから写真で見る景色しか知りません
            いずれにしても こんな景色は末永く残して欲しいものです
             出来る範囲で生きる
            人それぞれ それに勝るものはないと思います
            無理をすればいずれ 付けが来る
            気張らず 余裕を持ってお互い 長くはないと思われる人生を
            歩んで行こうではありませんか
             美しい写真 今回も楽しませて戴きました
             有難う御座いました

遺す言葉(419) 童話(6) ゆきん子 雪子 他 大地の砂

2022-10-23 12:22:00 | つぶやき
           大地の砂(2021.11.11日作)



 大地の砂は
 風が吹けば 舞い上がり
 やがて いつかは舞い戻り
 雨が降れば 雨に濡れ
 濡れるがままに 水を溜め
 雪が降れば 降り積もる
 雪の重みに耐えている
 それでも砂は 泣き言ひとつ
 口にはしない 弱音を吐かない
 怒りはしない ただ ただ じっと
 耐えている ただ ただ じっと
 そこにある
 雨が上がれば元の砂
 雪が解ければ元の砂
 乾いた砂の 砂のまま
 人が踏んでも怒らない
 牛が踏んでも怒らない
 馬が踏んでも怒らない
 車が溝を刻んでも
 平気のへいざ 知らん顔
 アリを遊ばせ ミミズを育て
 自身の姿あるがまま
 そこに晒して そこにある
 大地の砂のその心
 人の心のその姿
 自身の心のその姿
 大地の砂に映し見て
 自身の心の在るがまま
 砂の心を生きてゆく
 大地の砂のその心 自身の命に
 自身の心を生きてゆく





          ーーーーーーーーーーーーーーーー





            ゆきん子 雪子
             (この文章は2018年2月4日 NO175に掲載したものですが 
             童話として一つの場所に収めておきたいと思い再度 
             改稿と共に掲載致します)




「ゆきん子はね、五人兄妹の末っ子でね、雪のふる夜に生まれたもんで、雪子って名前ばつげだんだけっど、わたしらは、ゆきん子、ゆきん子って呼んでたんだよ。それごそ、雪のように色が白ぐてね、かわいい子どもだったんだけっど、六歳の時に死んでしまったんだ。その時にもちょうど雪がふってでね。わたしと父ちゃんと四人の兄妹で、あんどん(行燈)の火の下で見まもってたんだよ。今日が明日の命だって言われたもんでね。そっで、その夜も八時をすぎたころになって、きゅうにゆきん子が今までつぶっていた眼ばあげでね、
「かあちゃん、今夜も大雪だね」
 って言ったんだ。だもんで、わたしも、
「ああ、そどは大雪だあ」
 って言ったんだ。そうすっどゆきん子は、   
「ほら、かあちゃん、あんな大雪の中ば、まっ白しろの馬車がこっちさ向かって走ってくるよ」
 って言ったんだ。
「白い馬車 ?」
 わたしはゆきん子の言ってるこどの意味がよぐわがんねぐて聞いたんだ。すっど、ゆきん子は、
「うん、まっ白な馬車だ」
 って、うれしそうに言ってわたしの顔ば見たんだ。そっで、わたしも、
「うん、そうだな。まっ白でりっぱな馬車だな」
 って答えたんだけっど、ああに、いろりの火がもえでるえ(家)の中さ馬車なんかくるはずもあんめえ。だけっど、ゆきん子にはそれが見えだみでえで、
「ああ、馬車がとまったね。ほら、ぎょ車のおじさんが、こい、こい、って手をふってるよ。わたし、白い馬車にのってみたいなあ。かあちゃん、わたしいって、白い馬車にのせてもらっていい ?」
 って、言いうんだ。だがら、わたしはね、ゆきん子ばよろこばせでやりでえど思ってね、
「ああ、いいよ。いって、のせてもらいな」
 って言ったんだ。
 ゆきん子はそればき(聞)ぐどうれしそうな顔ばしてね、
「じゃあ、わたし、走ってって、あのまっ白しろの馬車にのせてもらうね」
 って言って、もう一回、しっかりした眼でわたしば見たんだ。それがら、バイバイって言うもんだがら、わたしもバイバイって言ったんだ。そうすっど、ゆきん子は安心したように眼ばつぶってね、けっきょぐ、それがさいご(最期)になってしまったんだ。ゆきん子はそのまま、しずかに息ば引きとったんだよ。まっで、雪にとげでぐがのように白え顔ばしてね」

 九十歳をこえた患者さんでした。
 わたしたちは、病状が眼をはなせない状態だったため、みんなが息をつめて見まもっていました。
 八月、夏のむしあつい夜で、夜中の十二時をすぎていました。
 おばあちゃんは、そんな話しをしたあとでしばらく、眼をつぶっていましたが、それからまた、ふと、眼をあけるととつぜん、
「今夜もまた、大雪だなあ」
 と言いました。
 わたしたちはびっくりしましたが、おばあちゃんの話しにあわせるようにして、
「そうね。ずいぶん雪がふってるわねえ」
 と、答えました。するともおばあちゃんは、
「あんただぢ、そんなうす着でさむぐねえのが」
 と言いました。
「ええ、だいじょうぶよ。ストーブの火があったかいから」
 と言うと、おばあちゃんは安心したように、
「そうが」
 と言って、また、眼をつぶりました。
 たぶん、おばあちゃんは、自分がいま話していた、話しの中の世界と、今いる病院の世界とのくべつが出来なくなっていたのだと思います。
 おばあちゅんはそうして、しばらくのあいだは安心したように、安らかな顔をして眼をつぶっていましたが、ふと、なにか思いついたようにまた眼をひらくと、
「あんただぢにも、いろいろ、世話になったなあ」
 と言いました。それからすぐに、
「ほれ、見でみろ。ゆきん子がこの雪ん中ば、まっ白な馬車ば走らせでこっちさくるよ。ほら、見でみろ。ゆきん子だよ。ゆきん子だあ。いっしょうけんめい馬車ば走しらせでくるよ。ほら、見でみろ。ゆきん子だよ。色の白えきれいな子だっぺえ」
 と、いかにもうれしそうに言いました。
 もちろん、わたしたちには、そんな馬車や、ゆきん子さんなど見えるはずがありません。それで、こまってしまったのですが、おばあちゃんの話しに合わせるようにして、
「そうね。きれいなお子さんねえ」
 と答えました。
 するとおばあちゃんは、もっとうれしそうな顔をして、
「ほら、見でみろ。見えるがい。ゆきん子がわたしば見で手ばふってるよ。こい、こい、って」
 と言いました。
 わたしたちはびっくりしてしまいました。
 さっき、おばあちゃんが言ってたことと、まったくおなじことを、おばあちゃんがまた、言ったのです。
 ゆきん子ちゃんは、白い馬車にのると言って、そのまま静かに目をとじて、それがさいごになった・・・。
 そして、おばあちゃんは今また、ゆきん子ちゃんが、白い馬車にのっていて、こい、こい、って、おばあちゃんをよんでいる・・・。
 わたしたちは思わず心配になって、おわてておばあちゃんの手をにぎって、
「でも、だめよ、おばあちゃん。いっちゃだめよ。 今、ゆきん子ちゃんの方からこっちへ来るから」
 と、大きな声で言いました。
 すると、おばあちゃんはふまんそうな顔をして、
「あんでだね。あんなにゆきん子が、こい、こい、って、わたしばよんでっだよ。あんで、いっちゃあ、だめなんだね」
 と言いました。
 それでも、わたしたちはかまわず、
「なんででも、いっちゃだめなの」
 と、言いふくめるようにして言いました。
 おばあちゃんにはでも、そんな、わたしたちの心配より、ゆきん子ちゃんのほうへゆきたい思いのほうがつよかったようです。
「おお、おお、ずいぶん雪がふってるよお。こんな大雪ん中だもん、ゆきん子はえらぐさむいべえによお。さあさ、早ぐいって、あっためでやんねえどかわいそうだ」
 と言って、きゅうに、今まで寝ていた体をおこそうとしました。
 でも、そのときにはもう、おばあちゃんにはベッドの上におきあがるだけの力もありませんでした。ただ、両手を上にむけて、ひらひらさせているだけでした。
 わたしたちはおばあちゃんのその両手をしっかりとにぎりしめて、
「おばあちゃん、おばあちゃん」
 と、声をかけました。
 すると、おばあちゃんは、
「おうおう、ゆきん子かい。かあちゃんばむがえに来てくれだのが。ありがとうよ。ありがとうよ」
 と言って、おばあちゃんの手をにぎっているわたしたちの手を、そのよわくなった力でさらに、にぎりしめて来ました。きっと、おばあちゃんはわたしたちの手を、ゆきん子ちゃんの手だと思っのにちがいありません。そして、そのまま、
「さあさ、はやぐこのまっ白しろの馬車さのって、え(家)さけえろうな。えさけえって、いろりの火でぬくもろうな。この雪んなが、さむくてさむくて、てえへんだったべえ」
 と言って、また、おき上がろうとしました。でも、それがおばあちゃんのさいごだったのです。そう言ったしゅんかん、おばあちゃんの手からふっと力ががぬけて、おばあちゃんは息をひきとったのです。わたしたちがアッと思うまもありませんでした。
 べつの部屋でモニターを見ていたせんせい(医師)が、すぐにかけつけて来ました。
 せんせいはおばあちゃんのとじた目をひらいて光りをあて、どうこう(瞳孔 )をしらべました。それから、おばあちゃんのお家の人たちにむかって、
「ごりんじゅうです」
 と言いました。
 おばちゃんがなくなったのです。

 わたしたちはすぐに、おばあちゃんの体をきれいにするために、せいしき(清拭)というしごとにかかりました。
 おばあちゃんの体にかけてあった毛布をはずし、あたまの下のまくらをはずしました。
 するとその時、そのまくらの下にあったのか、一まいの、ふるくて、ちゃいろになった紙がベッドの下におちました。
 わたしたちはなんだろうと思ってひろってみると、そこには、もう消えそうになっているふるい字がかいてありました。
 わたしたちは読んでみました。
 それには、こんなふうに書いてありました。
 おばあちゃんがむかし、はやくにくなってしまったゆきん子ちゃんを思いだしながら書いたものにちがいありません。


          ゆきん子 雪子


 雪子よ おまえ ゆきん子よ
 チラチラ雪のふる夜に
 おまえは雪にとけるよに
 白い顔して死んでった

  あれから四年 過ぎたけど
  今でも雪のふるたびに
  おまえのことを思い出す
  今夜一夜もつもるだろ

 雪子よ おまえ ゆきん子よ
 チラチラ雪のふる夜に
 おまえは雪の天国へ
 そっと一人で旅立った

  真っ白しろの馬車が来て
  わたしはそれに乗りますと
  おまえは言って安らかに
  瞼あわせて息たえた

 雪子よ おまえ ゆきん子よ
 チラチラ雪のふる夜に
 おまえは雪にとけるよに
 白い顔して死んでった

  
  


           完


 


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          takeziisan様
 

           コピー 不都合は御座いません 何時でも どうぞ
          ご自由にお使い下さいませ
          わたくしとしては takeziブログの面白さ 魅力が 少しでも 
          他の方々にも伝わる事が増えればかえって嬉しく思います
          この記事はわたくしの本心を書いていますので 他人様の思惑を気にするような事は
          何もありません
           十一年前川柳 確かに初々しい 何を読めばよいのか
          戸惑っているふうで また笑みがもれました
          それにしても現在は御立派 今回 新作は見えないようですが 
           光陰 矢の如し
          わが家でも全く同じような状況 今では 一番近くに住む
          末の妹に頼んでいるような始末です
           故郷の風景 過疎が進んでいるとの事 わが家の方では
          やはり 東京に近いせいか かえって人家が増え かつての自然の良さが
          失われてしまいました それはそれで また 寂しいものです
          もう一度 かつての自然の中に戻ってみたいという思いは
          拭い切れません
           キヌサヤ スナックエンドウ 植え付け
          この花 イヌタデ・・・
          よく見かけるのですが 名前は知りませんでした
          チェリーセージ 初めてです こんな美しい花が野草の花 ?
          ちょっと驚いています
           あれやこれや やる事が多い 実感です
          大した仕事ではないくせに 手を抜けない
          ああ 忙しい 忙しい わたくしがつい口にすると
          おふくろが 自分は椅子に座ってテレビを見ていながら   
          何がそんなに忙しいんだよ と よく笑っていました
           記事を拝見して ふと 思い出しました
          霧のロンドンブリッジ 江利チエミ
          若かったですねえ 総ては遠い過去 光陰 矢の如し
           寒そうなあの白い鳥 やがて冬の季節 狂熱のあの夏も
          もはや 遠い感じ 総ては 光陰 矢の如し
          今回も美しい花々 楽しませて戴きました
           有難う御座いました




           桂蓮様

           有難う御座います
          体調が優れないとの事 どうぞ お気を付け下さい
          季節は変わる もう葉が落ちた・・・・
          やっぱり そちらは季節が速いようです
          こちらは一気に寒くなった感はありますが
          この地方では紅葉さえも見られません 北国ではもう
          色づいているようですが
           ロシアだウクライナだと人を差別の眼では見たくないものです
          ウクライナの人々も気の毒ですが ロシアの善良な人々にとっては 現在 
          困った 肩身の狭い状態なのではないでしょうか
          気の毒です
           それにしても 愚かな人間の愚かな行為 困ったものです
          この愚行で何人の 失わなくてもよい人の命が 失われている事か !
          一度失われた命の戻る事のない事実を 愚かな人間は知らないのでしょうか
          それとも自分の命が安泰であれば 人の命など どうでもよい
          そんな気持ちなのでしょうか 全く 愚かな人間には困ったものです
           ストレスと禅 再読
          ストレスが無ければ人間は生きられない 
          ストレスが多すぎても生きられない 難しいところですが
          人間はその難しいところをそれぞれ 芸術 学術 スポーツ 宗教などに  
          解決の糸口を見い出して生きて来たのだと思います
          まさしく 禅もその一つですが 静かに瞑想 坐る
          誰にも迷惑を掛ける事のない良い方法だと思います
           どうぞ バレーもあまり無理をなさらぬように・・・  
          寂しい結婚式 豪華な結婚式 
          豪華な結婚式を挙げて1年で別れた・・・ 
          結婚は心 形ではないと思えばどんな式でも幸福は得られるものです
          形だけ 二人の記念として写真に残しおくのも また 将来の楽しみ 
          ではないでしょうか
           何時も有難う御座います
          
 
          
             


           
 
 


 
 
 










 
 
 
  
 

遺す言葉(418) 童話(5) こーおじさんと白鳥たち 他 プーチンとゼレンスキー大統領

2022-10-16 12:10:02 | つぶやき

          プーチンとゼレンスキー大統領(2022.10.14日作)


 プーチンは今 追い詰められている
 こんなはずではなかった 目算狂いに 
 狼狽しているだろう
 プーチンの戦争 今 苦戦を強いられている 戦争
 かつての時 クリミア半島併合以来の 
 無意味な戦争 ウクライナ侵攻 
 世界中の人々 国民みんなが 迷惑 被害を 
 被る 愚かな戦争 仕掛けたのは
 ロシ大統領 プーチン
 かつての時 クリミアを奪った その快感
 昂揚気分が忘れられず 今また 仕掛け
 苦戦を強いられ 苦境に陥る
 愚かな戦争 
 愚かな大統領 プーチン 
 プーチンが狙ったものは ?
 二匹目のドジョウ ウクライナ その国の 領土の占拠
 他国の領土を 自分の国のものとする
 愚かな大統領 プーチン 脳裡に浮かんだのは ?
 ゼレンスキー ウクライナ大統領 
 元 ボードビリアン 政治の素人
 その素人が今 かつて 自国と共に在った
 ウクライナ その国を治めている
 政治に素人の大統領 今が
 絶好のチャンス 自国の領土拡張
 政治力 影響力 その拡大に今 この時を措いて
 外にない 相手は政治の素人 元 ボードビリアン 簡単に 
 軍門に下るだろう 手を上げ 白旗を掲げるだろう
 自国の栄誉 かつての輝き 再び取り戻すには 今
 この時を措いて外にない ! 
 だが 愚かな大統領
 目算は大きく狂った 異なった 只今現在
 戦況悪化 苦戦の真っ只中 自身の立ち位置
 居場所さえ 揺らぎかねない 惨めな状況
 それにしても 元ボードビリアン ウクライナ大統領
 ゼレンスキー氏 見事な采配 見事な姿勢 その態度
 力強く 揺らぎがない 揺らぎのない その姿勢と共に
 明瞭 明快 明確に 自身の信念 自身の思いを
 自身の言葉 自身の持つ言語で 世界の人々 みんなに
 訴え 語り掛けている 世界の平和 自由を尊ぶ世界の人々 みんなに
 訴え 語り掛けている 正面 真っ直ぐ前を向き
 一枚の紙 原稿に 眼を落す事もなく
 自身の信条 理念を 世界の人々みんなに
 訴え掛ける この
 見事な態度 見事な姿勢 揺るがぬ態度 その 姿勢 が
 世界の人々 みんなの心に沁みわたり みんなの
 共感 みんなの気持ちを 呼び寄せる
 プーチン 愚かな ロシア大統領 こんなはずではなかった !
 大いなる目算狂い ! それにしても 
   哀れなのは この国日本 日本の政治家達
 この国を治める立場に立つ者達の 無気力 無能力
 他人の書いた文 章 紙切れを読む事でしか 自分の信条 信念 思いを
 語る事が出来ない この 哀れさ 悲しさ!





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          こーおじさんと白鳥たち




 今年もまた、こーおじさんの田んぼから、白鳥たちにエサをやるおじさんの「こーこーこう」という声がきこえてきます。
「こーこー」というのは、この地方のことばで、こい、こい、といういみです。
 こーおじさんがそうしてエサをやるようになってから、二十年ぐらいがすぎました。
 はじめは二羽だった白鳥もいまでは、百羽いじょうにもなっています。
 こーおじさんも今年、八十さいになりました。
 ある朝のことです。
 おじさんがいつものように、エサをやるために田んぼへいってみると、たくさんの白鳥たちが、田んぼのまん中でゆうゆうとおよいでいるのに、なぜだか、三羽の白鳥だけがあぜ道のそばでじっしていて、動かないでいました。
 おじさんはなんだろう、と思って、ちかづいてみると、三羽のなかの一羽は子どもの白鳥で、親子のようでした。しかも、子ども白鳥は羽にケガをしていて、血がでていました。それで、子ども白鳥はおよぐことができないので、おとうさん白鳥とおかあさん白鳥が、そばで見まもっていたのでした。
 こーおじさんはそれに気がつくとすぐにそばへゆき、子ども白鳥をつかまえました。
 おとうさん白鳥とおかあさん白鳥は、おじさんがいつもエサをくれる人だったので、すこしもこわがりませんでした。
「おお、こんなにケガをしてしまって。はやく家へつれてかえって、くすりをぬってやろう」
 おじさんがそういうと、おとうさん白鳥とおかあさん白鳥は、まるで、おじさんのことばがわかって、おねがいでもするかのように、
「クワッ、クワッ」と、声をそろえて鳴きました。
 おじさんは家へかえるとすぐに、ケガのしょうどくをして、はやくケガがなおるクスリをぬってあげました。それから、さむいのか、子ども白鳥がちいさくふるえているのに気がついて、いろりの火であたためてあげました。
 すると子ども白鳥はすぐに元気になって、いままでつぶっていた目をひらきました。
 おじさんはそれを見て、
「お、お、元気になったか。よしよし」
 と言いながら、もっと、子ども白鳥が元気になるように、ハチミツのはいった水をのませてあげました。
 その夜、おじさんは、ちいさなふとんをしいたカゴのなかに子ども白鳥をいれて、火がもえているいろりのそばであたためてあげました。
 そして、おじさんがつぎの日の朝、子ども白鳥がどうしているかと思って見てみると、子ども白鳥はすっかり元気になっていて、カゴからでて、よちよちたたみのうえを歩いていました。
 おじさんは、
「おお、おう。すっかり元気になったなあ」
 と言いながら、やっぱりけさも、ハチミツのはいった水をのませてあげ、クスリをつけてあげました。
 その日もおじさんはいつものように、白鳥たちにやるエサをもって、すっかり元気になった子ども白鳥といっしょに、田んぼへゆきました。
 おじさんがそうして田んぼへいってみると、子ども白鳥のおとうさんとおかあさんは、きのういたところにじっとしていて、子ども白鳥のかえってくるのをまっていました。
 おじさんはそれを見てすぐに、もう、すっかり元気になった子ども白鳥をおとうさん白鳥とおかあさん白鳥のそばへかえしてあげました。
 元気になった子ども白鳥は水にうくとすぐに、すいすいおよいで、おとうさん白鳥と、おかあさん白鳥のそばへゆきました。
 そうして三羽の白鳥はいっしょになると、みんながクチバシをつっつきあって、クワッ、クワッと、声をそろえて鳴きました。みんなが、子ども白鳥が元気になったことをよろこんでいるようでした。
 三羽はそれから、おじさんのほうへちかづいてくると羽を大きくはばたいて、声をそろえ、また、クワッ、クワッ、と鳴きました。おじさんには、それがまるで、白鳥たちが子ども白鳥の元気になったことへのおれいを言っているようにきこえました。
 そんな白鳥たちも三月になると、北のくにへかえってゆきます。
 その三月になるまえの二月のことでした。
 こーおじさんはいつものようにエサをまいていたとき、田んぼの中にたおれてしまいました。  
 おじさんはエサのはいったふくろをかかえて、コオリのわれた水の中に顔をつけたまま、うごかなくなりました。
 さむい朝のことで、ちかくにはだれもいませんでした。
 はじめに、そんなこーおじさんに気がついたのは、田んぼのいちばんちかくの家のおばさんでした。
 いつもとちがって、白鳥たちがとてもさわいでいるので、なんだろう、と思って庭にでてみると、白鳥たちが一つのところにいっぱいあつまって、さわいでいたのです。
 おばさんはふしぎに思って、そこへいってみると、こーおじさんが、こおりのはった水の中に顔をつけて死んでいたのです。
 おばさんはすぐにおじさんの家の人に、おじさんがたおれたことをしらせました。
 おじさんのおそうしきはそれから、二日めにおこなわれました。
 そして、その日からはもう、こーおじさんの、「こーこーこう」と白鳥たちをよぶ声はきかれなくなりました。
 やがて、白鳥たちが北のくにへかえる三月がきました。
 その朝はよくはれた朝でした。
 空にはくもひとつなく、きれいな青空でした。
 村の人たちはその朝、いままでにないような、大きな鳥のはばたく音をきいて、みんながびっくりして、そとへ出てみました。
 すると、まっさおな空のした、こーおじさんの田んぼのうえで田んぼにいた白鳥たちぜんぶが、一つの白いかたまりになって鳴きながら、ぐるぐるとびまわっていたのです。
 そのはばたきの音が村の人たちみんなをおどろかせたのですが、それよりも、もっと村の人たちがおどろいたのは、白い一つのかたまりになった白鳥たちのまん中に、こーおじさんが、いちばんおおきな白鳥のせなかにのってニコニコわらっていたことでした。
「あっ、こーおじさんだ !」
 村の人たちみんながさけんだとき、白鳥たちはまるで村の人たちに、こーおじさんのさいごのおわかれをつげるかのように声をそろえて、「クワッ、クワッ」と鳴いて、それからいっせいに、北の空へむかってとんでゆきました。
 ふだん、白鳥たちはかぞくやなかまたちと少しずつ、北のくにへかえってゆくのですが、その朝は、田んぼにいたぜんぶの白鳥たちが、こーおじさんをせなかにのせた白鳥をまもるようにして、いっせいに北のそらへむかってとんでいったのです。そして、その白鳥たちのすがたがえなくなると、こーおじさんのすがたも見えなくなりました。
 村の人たちは白鳥たちのすがたも、こーおじさんのすがたもみえなくなると、きっと、あの白鳥たちは、いつもしんせつにエサをまいてあげていたこーおじさんにかんしゃして、おじさんのタマシイを天国へはこんでいったんだよ、と言いました。

 いまは四月になって、田んぼには白鳥たちのすがたも、こーおじさんのすがたもありません。
 ドジョウやゲンゴロウたちがきれいな水の中で、すいすいおよいでいるだけです。





         完





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          takeziisan様


           有難う御座います
          野菜 買わなくて済みそう
          野菜の高いこと ! いろいろな物の値上がりが
          やかましく言われていますが 野菜はそれ以上に高い
          日々の実感です 人参 タマネギ ブロッコリーなどなど
          パーセンテージにしたら二 三年まえの四割五割高が普通
          大腸がん手術をして以来 野菜の食事に気を付けていますが
          音を上げたい気分です
           毎週の野菜盛り写 真 新鮮さが羨ましい !
          それにしても 畑 ちっと小石が多いように見受けられますが ?
          これでは大変では と思います  わたくしの居た田舎では
          きれいな黒土でした
           山々の写真 楽しませて戴きました
          上空にヘリコプター 気分はいかに・・・・
          それにあの岩の上の気分は ?
          高所恐怖症気味の自分にはちっょと無理 と
          思える情景 それにしても紅葉 美しい
          昨年も書きましたが この国は宝石のような国土を持った国だと思います
          なんだか 数々の写真を拝見しているうちに 行ってみたい誘惑に駆られました
           方言 相変わらずいいですね
          特に東北方面 北国の方言には なんとはない優しさが感じられて
          心が温まります いいですね
          オイトクワネ ワネはわかります でも
          ワン ソイ は耳に馴染みがありません
          面白く思いました
           サム テイラー 鈴木章冶 いい響きでした
          靴 思わず微笑みました これでまた 当分大丈夫 ! 
          身体は使わなければ錆びつく そう思って
          わたくしも 日々 なるべく体を動かすようにしています
          昨日 ちょっとした用事で生年月日を告げなければならない場面がありました
          1938年と告げると じゃあ 八十・・・と言うので四歳 
          あと半年で五歳 と言いますと お若い と驚かれました
          日頃の運動の賜物と思っています 幸い 今 何処も悪いところはありません
           どうぞ これからも無理のない程度で 楽しいブログを
           お書き下さいませ なんでも一つしなければならない事があれば
           人間 老いに対抗出来ると思います
            何時も 有難う御座います 
           
    
           

          
          
 
 
 
 

 
 


 
 
 
 
 
 

 

遺す言葉(417) 童話(4) メート 他 スピーチライター

2022-10-09 12:43:59 | つぶやき
         
          スピーチ ライター(2022.10.4日作)

 

 総理大臣 この国の首相 その
 首相の所信表明演説 この
 原稿にスピーチ ライター
 えっ 何故 ?
 なぜ 首相 この国を治める総理大臣が
 この国の目差す 今日 明日の姿を語る時
 スピーチ ライターが 必要 ?
 総理大臣 首相自らが 自らの言葉で
 一般国民 人々に 語り掛ければよい事
 スピーチ ライター 他人の力など借りる必要など
 ないはず
 国を治める機関 政府には それぞれ
 部 門 分野に於ける 役所が 
 ある 各 部門 分野の仕事は
 役所に任せ 各 部門 分野を 統括
 治める首相は 国家が目差す 全体像 その方向性を
 語れば良い事 自身が描いた この国
 国家の姿 その 実現 その為に 政治家
 首相になり 総理大臣になったはず
 自身が描いた国家 その姿を語る時 何故
 スピーチ ライター 他人の力を借りる必要が ある ?
 自身の頭の中 そこに描いた
 国家像を語る時 何故
 他人の書いた文章 書面を見なければ
 ならない ?
 小さな事柄 細部は役所の受け持ち
 この国 国家の政治の頂点 そこに立つ者
 総理大臣 首相は
 国の骨格 国家が目差す 方向性 その姿を
 示せばよいこと 書面 他人の書いた文章
 必要ないはず
 国家 一国の 首相 総理大臣 役所の
 役人とは
 違う





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          メート




「メート、だめだよ。ミミズをふんづけてころしちゃあ、かわいそうじゃないか」
「なんだい、ネギボウズ。こんな生きもの、気持ちがわるいだけだよ」
「そんなこと、ないよ。ミミズたちは土を食べて、ボクたちが大きくなるのにたいせつな、畑のひりょうをつくってくれているんだぜ」
「ほら、見てみろ。あそこでカエルのケロスケだって、ミミズを食べてるじゃないか」
「ケロスケはいいんだよ。自分が大きくなるために食べているんだから」
「そんな話しってあるかよう。食べるのも、ころすのも、ミミズが死ぬのはおんなじゃないか」
「おんなじじゃないよ。ケロスケにたべられれば、ケロスケが大きくなって、ミミズもうれしいけど、メートみたいに、ころすだけじゃ、なんの役にもたてないから、ミミズだってかなしいだけだよ」
「ネギボウズ、おまえだって人間に食べられてしまうけど、かなしくないのか」
「かなしくなんかないよ。ボクたちは人に食べられるために、まいにち、大きくなっているんだから。食べられて役にたてればうれしいんだよ」
「へん、強がりをいってるだけじゃないのか」
「強がりなんなかじゃないよ。ほんとうのことだよ。ほら、あそこでケロスケがなにか言ってるぞ。えっ、ケロスケ、なんて言ったんだ ?」
 ケロスケはケロケロ鳴いて、またなにか言いました。
「え ? おなかがいっぱいになったから、畑のむこうの沼へかえるって ? えっ ? 夏になったら、あの水のきれいな沼でいっしょにあそぼうって、そう、言ったのか ?」
 ケロスケはまたケロケロ鳴くと、ピョンピョンはねながら、沼のほうへいってしまいました。
「おい、ネギボウズ、ケロスケのやつ、なにかわすれていったぞ」
 メートがケロスケのわすれていったものを手にとって言いました。
「ああ、それはケロスケがオタマジャクシだったときのシッポだよ。もうケロスケは大きくなってカエルになったから、シッポなんかいらないんで、すてていったんだよ」
「なあんだ。ケロスケがオタマジャクシのときのシッポか。じゃあ、こんなもの、じゃまだからすてちゃえ !」
 メートはもっていたケロスケのしっぽを、とおくのほうへなげすててしまいました。
「メート、ミミズはやっぱり、ケロスケが大きくなるのに、力をかしてあげていたんだよ」
「そうだよな、きっと」
「ボクたちだって、メートがボクたちをいっぱい食べて、大きくなってくれるとうれしいんだから、ミミズだってうれしいはずだよ」
「そうか、そういうことか。おい、ネギボウズ、そのへんにオレのシッポがおちてないか ?」
「メートのシッポ ? バカだなあ、メートったら。人間にシッポなんかあるわけないだろう」
「だってさあ、オレ、ネギボウズにおしえてもらって、一つものしりになっておとなになったから、子どものときのシッポがおちてないかとおもってさ」
「うまいことを言うな、メート。だけど、やっぱり、人間にはシッポなんてないのさ。それからさ、メート。ちょっと聞くけど、メートって、かんじで明人ってかくんだよね」
「そうだよ」
「えいごにも、メートって言葉があるけど、しってるかい ?」
「しってるよ。ともだちや仲間っていういみなんだ。おとうさんとおかあさんに聞いたんだけど、オレがみんなと仲良くなれるようにって、つけてくれたなまえなんだ」
「そうか。じゃあ、やっぱりメート、もう、やたらにちっちゃな生きものをころしたりしないほうがいいよ。なまえのようにみんなと仲良くしなくちゃあ」
「そうだな。みんなと仲良くしなくちゃあな。それよりネギボウズ、ケロスケが言ってたように、夏になったら、みんなでいっしょに、あの水のきれいな沼であそぼうぜ。オレ、おじいちゃんに、それまで、おまえをこの畑にのこしておいてくれるようにたのんでおくからさ」
「うん、あそぼう、あそぼう。そうしてくれるとボクもうれしいよ」
「よし、わかった。それじゃあオレ、いますぐに行って、おじいちゃんにたのんでくるからな」
「うん、よろしくたのむよ。それじゃあメート、夏になったらまた、会おうぜ。それまでバイバイ」
 ネギボウズはそう言うと、うすかわのぼうしをかぶって、また、ねむってしまいました。
 メートは夏になったら、ネギボウズやケロスケたちといっしょに、あの水のきれいな沼で、水あびができるのだとおもうとうれしくなって、スキップをしながらおじいちゃんのいるほうへはしってゆきました。




           完





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           takeziisan様

            有難う御座います
           山の風景 何時見てもいいですね
           今回も楽しませて戴きました 以前にも書いたと思いますが
           普段 余りテレビを見ません でも山や地方の風景を映した番組はよく見ます
           それにしても 山にはやはり危険が付きものーー それにも増しての思い出
           西穂高など 人生上の良い財産なんではないでしょうか
            これだけのネギ どうする ?
           自家製ジャム 数々の野菜 改めて豊かさとは・・・
           思わずにはいられません
           都会でスーパーなどで ちまちまと仕入れる食品の貧しさ
           イノシシとの闘いなど それなりの苦労はあるのでしょうが
           それも健康で日々を過ごす事が出来ればこその事
           どうぞ お体に気を付け また 良い御報告をお寄せ下さいませ
           楽しみにしております
           バッタの姿 懐かしいです
            川柳 楽しませて戴きました クスリと漏れる忍び笑い
           遺影の母に瓜二つ わたくしもこの間 ちょっとした用事て
           親戚に会ったのですが おじさんにそっくりになって来た と言われました
           自分では全く意識くしていなかったので びっくりしました
           毎日 鏡を見ていて父親の顔など意識する事はなかっのですが
            バナナボート 浜村美智子 新宿の映画館で実演を見ました
           場内いっぱいで立ち見 人の頭で見えないぐらいの盛況でした
           一時 ブームと言える状態でした 懐かしい青春の一コマです
            扇風機四台 昨年も拝見しましたが 何故か 何事も
           元あった箱にうまく収まらない 一苦労 実感です
            ブログ記事共々 何時も有難う御座います
            楽しませて戴いております
           
           




            桂蓮様


            有難う御座います
           死ぬか生きるのか・・・
            シェークスピア
           風が立つ ! 生きる努力をせねばならぬ !
            (風たちぬ いざ生きめやも 堀辰雄)
            ポール ヴァレリー
           何事にも一生懸命 突き詰める
           そんな桂蓮様の御様子がうかがえる御文章ですが
           また 楽しそうなその場の雰囲気も伝わって来ます
           何度も書くようですが 良い趣味を見付けられました
            本格的な秋 こちらは思いも掛けず 一気に冬の季節到来
           そんな寒さの日が何日か続きました 私の居る
           関東地方は比較的温暖な地で 御当地のような所ではないのですが
           それにしても 季節がめちゃめちゃな気がします
           フロリダでしたか 大災害 この先 地球はどうなることやら
            波乱の一年 再読させて戴きました
           それにしてもなぜ 韓国の衣装ではなく 和装でーー
           なんだか お二人で楽しんでいるようで ほのぼのとした気分になります
           最後の幕 第三幕 韓国 日本 そしてアメリカ
           最後の幕をハッピーエンドで迎えられる事は
           何にも増して御幸福な事だと思います
           終わり良ければ 総て良し この時が何時までも長く続く事を
           陰ながら願わずにはいられません 現実は一瞬にして
           人の幸福を奪ってゆきます 
            命を価値のある時間にしてゆく
           良い文章でした 優しそうな御主人様とおられる限り
           価値ある時間は続くのではないでしょうか
            何時も有難う御座います
            関節 気を付けて下さい 悪化させてしまいますと
           大変な事になります
           
            
            
               
     

  
 

遺す言葉(416)童話(3) おじいちゃんとサルスベリの木 他 柳は緑 花は紅ー禅の世界

2022-10-02 12:15:58 | つぶやき
          柳は緑 花は紅-禅の世界(2022.9.29日作)


 現実は理論では動かない
 禅の世界では
 青山(せいざん) 湖上を走る
 橋が流れて 川が止まる
 と言う
 世の中 すべからく
 現実を見る眼が必要

    ーーーーーー

 柳は緑
 花は紅
 山は高く 川の流れは長い
 この根本は いつの世も
  常に変わらない
 それを どう見るか
 どのように 心に捉え 刻むか
 それにより
 柳は緑 花は紅
 山は高く 川の流れは長い
 この世界が 深くも 浅くも 
 なって来る
 世の中 この世界の真実は常に
 一定 不変 それを見る
 人の心によって 世界は
 動く 変わって来る





          ーーーーーーーーーーーーーーーー





          おじいちゃんとサルスベリの木
             
             この物語はフィクションですが
              サルスベリの木に関する部分は
               事実です



「ほら、この木を見てみな」
 おじいちゃんはボクの手をとって、すべすべした木にさわらせて言った。
「すべすべしているだろう。サルスベリっていう木なんだ。こんなに木の皮がすべすべしていて、サルもすべってしまいそうだからサルスベリって言うんだよ」
「ほんとうに、サルもすべっちゃうの ?」
 ボクはおどろいて聞いた。
 ボクは小学校一年生で、おばあちゃんの新ぼんのため八月、おとうさん おかあさん、おじいちゃんの三人とお墓まいりをしました。
「うん、ほんとうはどうかね。サルはきっとすべらないと思うよ。でも、サルもすべりそうなほど、すべすべしていて、きれいな茶色だね。それに、とってもかたちがいいだろう」
 おじいちゃんは大きな木を右の手でなぜながら言った。
 その木はうすべに色のちっちゃな花をいっぱいつけていて、大きなえだをひろげ、お墓のうえに気持ちよさそうなひかげをつくっていた。
「うん。ひかげがいっぱいあって、お墓もすずしそうだね」
「そうだね。すずしそうだね。でも、この木は二本めの木なんだよ」
 おじいちゃんは木を見あげて言った。
「二本め ?」
 ボクはよくわからなくて聞きかえした。
「そうなんだよ。さいしょの木はね、植木やさんが買っていってしまったんだよ」
「ここに、はえていたの ?」
「そうなんだ。植木やさんは、その木のかたちがとってもいいもんだから、庭の植木にして売ろうとおもったんだろうね」
「それで、売ったの ?」
「うん。おじいちゃんは、はじめ、せんぞ代々の墓にある木だからって、売らなかったんだ。だけど、植木やさんはそれでも木がほしくて、なんどもなんども、おじいちゃんのうちにきて、売ってくれってたのむんだ」
「売ればお金がもうかるとおもったんだね。きっと」
 ボクは言った。
「そうなんだろうね、きっと。そのときは、おばあちゃんもいるときでね、おばあちゃんは、木のはっぱがいっぱいおちていて、お墓のそうじがたいへんなんだよ、って、いつも言ってたんだ。それで、おじいちゃんも、この木がなくなれば、おばあちゃんのお墓そうじもらくになるのかなあ、と思って、売る気になったんだ」
「はっぱが、おちなくなるもんね」
「そうだよ。ところがね、そのあとがたいへんだったんだ。植木やさんは木を買って、うれしそうにかえっていったんだけど、そのかえり道で、その植木やさんが大きな "じこ" をおこしてしまったんだ。車はこわれるし、植木やさんは足の骨をおるし、買った木はおれてしまって売りものにはならなくなるしで、さんざんな目にあってしまったんだ」
「へーえ、おっかないね」
 ボクはびっくりして言った。
「うん。おっかないねえ。それで、その話しはすぐに村のみんなにもひろがって、みんなは、お墓の木で金もうけなんかしようとしたから、バチがあたったんだよ、って言っていたんだ」
「へーえ、それで、おじいちゃんのうちはへいきだったの ?」
「うん、へいきだった。でもね、お墓は木がなくなってしまったんで、大あめのときには、土がながされてしまって、たいへんだったんだ。木があるときは、その木が大きく根をはって、土のながれるのをふせいでいてくれたんだね。それに、夏になると日かげがなくなってしまったもんだから、このお墓の石が、やけどをしてしまいそうなほど、あつくなってしまったんだ。それを見ておばあちゃんは、ごせんぞさまもあついだろうね、と言って、せっせと、水をかけてあげたりして、植木を売ってしまったことを、ずいぶん、こうかいしていたんだ」
「だから、この木を買ってきてうえたの ?」
「そうじゃないんだよ。この木はね、まえの木を売ってからなん年かすると、しぜんにはえてきたんだよ。それも、もとのばしょにおなじように生えてきてね、かたちも、もとの木とそっくりなかたちになってきたんだ。おじいちやんもおばあちゃんも、それを見てびっくりしてしまったんだ」
「じゃあ、しぜんに生えてきたの ?」
「そうなんだよ。しぜんに生えてきたんだ」
「どうしてなんだろう」
「どうしてなんだろうね。きっと、もとの木の根っこが土の中にのこっていたんだろうね。それとも、ご先祖さまが、お墓をまもるように生えさせたのかねえ」
「おばあちゃんもきっと、この木のおかげで、すずしいよって言ってるかもしれないね」
「そうだね。すずしいよって、よろこんでるだろうね」
 
 おじいちゃんがその話しをしてくれてから三年がすぎて、ボクはいま小学校四年生です。
 でも、おじいちゃんは今年の五月になくなりました。
 八月はおじいちゃんの新ぼんで、ボクはおとうさんとおかあさんと三人でお墓まいりをしました。
 おじいちゃんが話してくれたサルスベリの木は、ことしも大きく枝をひろげて、きれいな花をいっぱいさかせ、お墓のうえに日かげをつくってくれています。
 冬になるとサルスベリの木は葉をおとし、おばあちゃんが言ってたというように、そうじをするのがたいへんだけど、あたたかい日ざしをお墓にとどけてくれています。きっと、おじいちゃんもおばあちゃんも、この木のおかげで、夏はすずしく、冬はあったかいよ、と言って、よろこんでくれているような気がして、ボクはうれしくなります。
 それでボクは、おちた葉っぱのそうじをするのがたいへんだけど、これからもいっしょうけんめい、おじいちゃんとの思い出がつまった、このサルスベリの木をたいせつにしてゆこうと思っています。




            完





          ーーーーーーーーーーーーーーーー





          桂蓮様

           有難う御座います
          何時も御感想をお書き戴き 御礼申し上げます
          また この御文章がとても面白く 何時も声にして笑いながら
          拝見しています
          御主人様とのやりとり ユーモラスで まるで以前に書いた
          名探偵 ポアロ の世界です 御主人様をけなしていながら
          その底に深い愛情が感じられる お幸せなお二人のお姿が偲ばれて
          読む 方としても心地良く 幸せ感に包まれます
           ハチ刺され 密林 ?  なんとまあ 贅沢な環境 日本でも地方に行けば
          そんな環境も望めるのでしょうが わたくしなどは年齢的にも 
          そんな環境へ赴く事は無理なようです
          都会にいれば 無味乾燥の毎日ですが もしもの場合に・・・
          という思いが 常に 頭の隅にありますので
           今回 新作が見えませんでしたので 旧作 脂肪を燃え尽くす を拝見しました
          以前にも読んだ記憶がありますが 何時もの通り 英文との
          合わせ読みですので 常に新鮮です
          ここにも脂肪と格闘する ユーモラスなお姿が垣間見られます
          その後 体重はいかがですか
          アメリカに居ると少しぐらいの肥満も気にならなくなるのではないでしょうか
          テレビで見るとアメリカ人の誰も彼もが大きなお腹をゆすりながら歩いている姿ばかりが
          印象に残ります
          桂蓮様もどうぞ 御用心のほどを
           何時も拙文に御眼を通しいただきます事に御礼申し上げます
          有難う御座います



          takeziisan様

           コメント 有難う御座います
          何時も つまらない文章にお眼をお通し戴き 感謝申し上げます
          まあ ちよっとした息抜きと思い 軽い 童話めいた文章を書いています
          ここは わたくしの思考の跡を書き記す場として 利用させて戴いておりますので
          それ以上の事は望んでおりません わたくしに取っては
          過分な御推奨 嬉しく思っております 有難う御座います
           今回もブログ 楽しく拝見させて戴きました
          それにしても なんと豊かな自然 羨ましい限りです
          道端のオミナエシ イノシシ出現 どんぐりの山 野の花の豊かさ
          遠い昔 子供の頃への追憶 しきりです 懐かしさが募るばかりで 
          今もそんな自然の中に暮らしを営まれる事への羨望が募ります
           ゴロバル マイカ 方言 これもまた 郷愁を誘う響きに満ちています
          いい言葉だと思います
           それにしてもどの地方でも 方言は大切にして欲しいものですね
           幸せはここに 昭和三十五年ですかね 
          懐かしのメロディーです グレイダーマンもまた・・・
           歩き始めが大変 筋肉が硬くなってしまっているんですね
          若い頃にはない事でした それだけにわたくしも 毎朝
          入念に体をほぐしています
          固まったまま放置すれば 何時かは動かなくなってしまうのではないか
          面倒臭さより その恐怖が先立ちます
           カニコウモリ 普段 テレビを見ないのですが 自然を映した番組だけはよく見ています でも
          この名前は初めてです
           わたくしの所でも木犀が咲きました
          この香りが 春の沈丁花と共に 何時も季節を伝えて来てくれて
          好きな花の一つです なんとはない 秋の気配の落ち着きと 
          その底に満ちた 狂熱の夏の去った後の寂しさ しみじみとした
          季節を実感させてくれます
           何時も 有難う御座います
          どうぞ ここのコメントにはお気をお使い下さらないよう
          お願いします
          お忙しい中 お眼をお通し下さる事へのわたくしの感謝の気持ちですので