名目よりも実質(2025.1.13日作)
名目に眼を奪われるな
実質に眼を向ける
名目だけは一流 立派
実質 実態 中身は空っぽ 空虚
政治 経済 学術 宗教
あらゆる分野 総てに於いて
現状 名目優先
教会宗教に惑わされるな
自己保身だけの専制君主に惑わされるな
借り物論文 借り物文章に惑わされるな
貴ぶべきものは実質 実質優先
名目 名前だけは一流 実質二の次
豪華絢爛 名声下 口先説教だけの教会宗教
それよりも
小さな村 小さな町 小さな組織
互いが互いを助け合い 手を差し延べ合って
労わり 寄り添い生きている
名もなき小さな村 小さな町の小さな組織
その行動力 実行力
名声 名目よりも実質 実質優先 実際行動
その姿 その姿勢
人が人としてこの世を生きる その上で
最も尊く美しく 忘れてならない真実 その姿
名目よりも実質 実質優先 実質第一 実際行動
人が人としてこの世を生きる
決して忘れてならない真実
その姿
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<青い館>の女(22)
「今のところ、それ程心配するには及びません。心筋梗塞の方は落ち着いていますよ。但し、無茶だけはしないで下さい」
七十歳がらみの町医者だったが、毎月欠かさずに診察を受けている斎藤医師は言った。
かつて東京の著名な大学病院で様々な大手術に腕を振るった経験のある、小柄で坊主頭の見事な斎藤医師は、わたしを脅かすのを面白がっていたが最後には決まって「まあ、心配するには及びません。大した事はないですよ」と言うのが口癖だった。
わたしはこの、眼鏡の奥の柔和な眼差しと楽観的な口調で話しを締め括り、不安を解消してくれる医師を信頼していた。
女性の方は控えた方がいいですね、と冗談交じりの口調で言ったのもこの医師だった。
無論、わたしは加奈子との事は話さなかった。
話す必要もない様に思えた。
大きく乱れる脈拍も加奈子との事が直接の原因ではないのだ。
寒さが、季節の移り変わりがわたしの肉体に影響し、わたしの肉体がそれに付いて行く事が出来なくなっているだけの事だった。
この病気を意識する様になってからは毎年の事だった。
北の街では早くも雪が舞い始めていた。
テレビの映像が北国の街の姿を映し出していた。
わたしの北の街へ向かう意欲も東京でも増して来る寒さの中でしぼんでいた。
寒さに凍る北の小さな街の雪に埋もれた海岸通りが眼に浮んだ。
<サロン 青い館>はその中でも灯を点しているのだろうか ?
加奈子は雪に埋もれた白い街で相変わらず同じ様に生きているのだろうか ?
わたしが東京へ帰ってから五十日が過ぎようとしていた。
そろそろ北の街を訪れてもよい頃だったが迷いがあった。
わたしが続ける支店廻りは冬の季節、この病気に苦しめられる様になって以来、何時も中止されていた。
無論、体調を考えての事ではあったが、雪で足を阻まれる事への配慮もあった。
それでこの季節、わたしは何時も冬籠りをする様に会長室で過ごす時間が多くなっていた。
当然の事ながら、その間も各支店からの営業報告書は毎日送られて来ていて、営業状態の把握にはほとんど影響は無かった。
冬が終わり春になればまた、わたしの支店廻りが始まる事を知っている支店長達が手を抜く事もなかった。
「あなた、クリスマス・イブに予定は入っていないでしょう」
十二月に入ってすぐだった。
雨にたたられた日曜日で一日中わたしは、新聞や雑誌に眼を通しながら過ごしていた。
午後六時を過ぎて夕食前の時間、居間に顔を出したわたしに今年出す年賀状の整理をしていた妻が顔を上げて言った。
「クリスマス・イブ ? なんで」
クリスマス・イブなど、これまでのわたしには全く関係が無かった。
社交好きな妻は一人でよく出歩いていたが、わたしはそんな妻を冷ややかな眼差しで見ていた。
「飯倉さんがダイヤモンド婚のお祝いをするんですって」
「飯倉さんって、飯倉肇さんか ?」
わたしは聞き返した。
暫く耳にしていない人の名前だった。
「ええ、そうよ。誰だと思って ?」
妻はそんなわたしに不満気に言った。
飯倉肇はかつて財界で華やかに活躍した人だったが、最近ではその名前を聞く事も少なくなっていた。
政治に近いある部分ではその強大な財力故に今なお、政治家達を引き付けていて隠然たる力を保持しているという噂は時折り耳にはしていたが、表立って表面に出て来る事は殆どなかった。
わたしの義父はそんな飯倉肇とは若い頃からの知り合いで、妻はその美貌ゆえに飯倉肇のお気に入りでもあった。
自分に娘の居ない飯倉肇はわたしと結婚してからの妻をも、依然として自分の娘の様に可愛がっていた。
その飯倉肇も既に九十歳を越えているはずだった。
「そのお祝いをクリスマス・イブにやるのか ?」
わたしは妙な気分で聞き返した。
クリスチャンでもない人間が何故、依りによってイブなんかに遣るのか ?
妻はだが、わたしの不満気な口調に苛立ちを募らせた様子で言った。
「クリスマス・イブに遣ってはいけないって言う法はないでしょう。一年の終わりをイブと一緒に、忘年会なども兼ねて華やかなお祝いで締めようって言うんですもの、いい事じゃない」
「でも、年の瀬の忙しい時にわざわざ遣らなくてもいいだろうに。来年の暖かくなった時期に遣ればいいんだ」
「あなたんがそんな事を言ったって、あちら様で遣るって言うんですもの、しょうがないじゃない」
妻は怒った口調で言った。
「まあ、それはそうだが」
わたしは矛を収めるより仕方が無かった。
「予定はないんでしょう ?」
妻は念を押す様に言った。
「別に予定はないが、どうしても出席しなければいけないのかなあ」
煮え切らない口調でわたしは言った。
「それは出席しなければ悪いわよ。飯倉さんには散々お世話になってるんだし、ましてダイヤモンド婚だなんて、滅多にある事ではないんだから折角の御招待に二人で出席しなければ悪いわよ」
わたしの体調を知っている妻は幾分、穏やかな口調になって言った。
「招待状は来ているのか ?」
重い口調でわたしは聞いた。
「まだ来てないわ。そのうち来ると思うわ。昌代さんが言ってたから」
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albi-france様
拙文にお眼をお通し戴き有難う御座いました
時間的に余裕が無いので他の方々のブログ記事を拝見する事は
余り無いのですが 先週 美しい写真に眼を引かれ
思わず拝見しました
今回も拝見させて戴きましたが 小梅ちゃん
相変わらずの可愛さ 思わず声を掛けたくなる心境
分かります
食べ物の前でちょこんと座る姿 まるで人間の様に見えて来ます
思わず微笑みが漏れます
男の見境の無さ デコポン 笑いました
良い処にお住まいです 梅林の美しさ あの景色
絶景です
なんと贅沢な日頃の食事 小梅ちゃんも欲しがるはずです
有難う御座いました
takeziisanj様
川柳 相変わらず面白く拝見せて戴きました
わたくしとしては 祝う チャンス の中に面白いと思う作品を
複数見ました
やっばり川柳にはちょっとした皮肉が欲しいですね
納得納得 この面白さが川柳でしょうか
散歩AI 世の中AI時代 わたくしの一週間に一度計っている
体組成計にも計った後でメッセージが出ます
今年四月で八十七歳ですが 肉体年齢七十一歳と出ます
現在 取り立てて悪いところは無いのですが
毎日の基礎的体操は欠かしていません
取り敢えず後十年を目標にしています
出来れば百歳までと願っていますが
水泳 お仲間と共に是非続けて下さい
年老いたガールフレンドもまた楽しいではありませんか
富士山 何時見ても心洗われます 河口湖湖畔で間近に見た姿を改めて
思い出しました
以前にも書きましたがわが家の屋上から見える方角と全く同じ
富士山でした 最近 噴火が取り沙汰されていますが
あの姿が失われてしまうのは惜しいですね
内心 俺の生きている間は噴火しないでくれ なんて思っています
畑も冬枯れ 大根の思わぬ姿の面白さ 大根は大根役者ではなく
千両役者です
モズなど冬鳥 昔を懐かしく思い出しながら拝見しました
有難う御座いました