命 (2015.11.15日作)
人間存在は崇高だ などと 誰が言えるだろ
今現在 世界中で起きている 様々な出来事を 想い起こしてみるがいい
歴史を遡り 数々の出来事を 想い返してみるがいい
宗教 正義 権利
それぞれが口にする美名の下 正当性の下に
いかに多くの残虐 非道な行為が 平然と行われて来た事か
人の手によって 惜しげもなく人の命が奪われ
人の手によって 幾多の人の血が流され
人の手によって どれ程多くの人の身体機能が 損なわれて来た事か
正義とはいったい なにに対して言う言葉か
正当性とはいったい なにに対して言える言葉か
宗教はいったい なにを目指しているのか
人間が真に向き合うべきもの
それはいったい なんなのか?
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人間存在が愚かなものだ なとど 誰が言えるだろう
今現在 世界中で他者のため わが身の危険をも顧みず
懸命に働く人達が 数多くいるではないか
祖国を離れ 家族とも離れて
見知らぬ国の 見知らぬ土地で 見知らぬ人達の中へ入ってゆく
自分の祖国 豊かな国の 豊かな土地で
両親 兄妹 友人知己に囲まれて
心穏やかな時を過ごす事も可能な人達
そんな人達が祖国を離れ 家族を離れて 他国の地で
苦難の道を選んでゆく
いったい 何が 彼等や彼女等を 突き動かしているのだろう
人間の心の真実とは いったい なんなのか
自己と他者 彼等や彼女等の心の内では
どちらが重く どちらが 価値を持つのだろう?
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混沌たるもの この人間存在
天使がいて 悪魔がいて 強者がいて 弱者がいる
善に悪 正に負 上があって下がある
前後左右を持つこの存在 人間
人間 その核を成すものは命
命こそが人間存在 すべての源
真に人間が向き合うべものは命
命は 命から命へと連なり 世界を形成する
一つの命は世界の命 一つの命が奪われる事は
世界の命の奪われる事
命の尊厳 失われる命への畏れ
その思いこそが 人間存在の中心命題
混沌たる存在 この人間の生の根源
命