遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(458) 小説 いつか来た道 また行く道(18) 他 時は過ぎ逝く AI

2023-07-30 13:04:51 | つぶやき
             時は過ぎ逝く(2023.4.24日作)


 時は
 喜び 悲しみ 怒り 嘆き
 幸 不幸 総てを 幻 と 化し
 夢の如くに 過ぎて逝く
 人の行く道 その果てに浮かび
 迫り来るもの ただ 老い 死の断崖
 人の 世との別れ 訣別 さよならだけの人生
 死の断崖 総てを包む闇
 人の行く道 その果てあるもの

  
 人生は一瞬の夢 束の間のまぼろし
 過ぎ逝く時は 永遠に還らない                      



             A I

 A Iには 
 考えない事 が出来ない
 無意識裡の世界 人間には
 無意識裡の世界がある その
 無意識裡 無意識の世界こそが
 人間の本質 人間存在そのもの
 A Iには
 人間の無意識の世界に到達出来ない
 何故なら
 無意識の世界は数値では表せない




             ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




              いつか来た道 また行く道(18)  



 
 タオルを中沢に渡し、彼が風呂に入る支度にかかるのを待ってからわたしは脱衣所を後にした。
 一挙に緊張感が高まった。
 失敗は絶対に許されない !
 総てを此処で解決してしまうのだ。
 わたしはすぐにトレーニングルームへ向かった。
 先程、入口に置いたタオルにくるんだままの鉄亜鈴を手に取った。
 その時になって初めて、自分の服装が着替えてない事に気が付いた。
 まさか、こんな格好でこれからの仕事は出来ない。
 動きやすい黒のスラックスに身体の線のはっきり浮き出る濃紫のセーター、耳には何時ものように、わたしの誕生石のダイヤモンドを散りばめて揺れる白金のイヤリングがあった。更には、左の中指にはこれもダイヤが三個並んだ角型の大きな指輪が光っている。腕には金と白金を絡めたブレスレット・・・。
 先程、わたしは湯船を洗う時にも、物置からシャベルを取り出す時にも、これらを身に付けたままで動いていたのだ。
 改めてわたしは、目先の事にばかり気を取られていて、冷静さを欠いていた自分に気付いて身体中の凍る思いがした。
 自分では冷静な心算でいたがこんな落ち度があったとは !
 他に手抜かりは無いだろうか ?
 冷静に、冷静に、と自分に言い聞かせながらわたしは更衣室へ急いだ。
 更衣室では何枚ものトレーニングウエアが重ねて置かれてある棚のガラス戸を開け、厚手の蒼い一着を取り出してすぐに着替えに掛かった。
 時計もブレスレットもイヤリングもネックレスも外した。
 セーターは勿論、スラックスもストッキングも脱ぎ、トレーニングウエアに着替えた。
 着替えが終わると傍の鏡に自分の姿を映して点検した。
 よしっ、これでよしっ、小さく呟いて満足感と共に再び、トレーニングルームへ向かった。タオルに包まれて置かれてある鉄亜鈴を手にしてそのまま、脱衣室へ急いだ。
  脱衣室に入ると鉄亜鈴を入口に置いて、左隣りにある浴室の曇りガラス越しに中沢に向かって声を掛けた。
「どう ? お風呂の加減は」
「うん、ちょうどいい」
 相変わらず屈託を感じさせない中沢の暢気な声が返って来た。
「今、おばさんから電話があって、すぐに食事が来るって言うから」
 わたしは浴室のガラス戸を開けた。
 中沢は金色の枠がはまった鏡に向かって、石鹸の泡で両頬を真っ白にしながら髭を剃っていた。
「あら、何時ものおめかし ?」
 からかうようにわたしは言った。
 ひげ剃りはわたし達の間で習慣になっていた事だった。
「うん」
 すっかり以前の気分に還っているらしい中沢は軽く答えただけだった。
 わたしは改めて中沢のその無防備さを意識すると、身体中に沸き起こるような緊張感を覚えて身を堅くした。
 反面、中沢の弛緩した神経を絶好の好機だ、と捉える心も働いていた。
「今、着替えてきたので体を洗ってあげるわよ」
 わたしはトレーニングウエアの裾をたくし上げ、腕まくりをして浴室に足を踏み入れた。
 中沢はわたしの言葉には答えず、鏡に向かったまま剃刀を使っていた。
 その背後に立つてわたしは鏡の中で中沢を見ながら、
「どう ? とってもいい匂いのするシャンプーがあるの。使ってみない」
 と言った。
 まず、最初の誘いだった。
 鏡の横の棚には様々な洗顔用品や化粧水などが置かれてあった。
 中沢がそれらのものに手を延ばしていじくり回したらしい事は一目で分かった。
 わたしは中沢の返事も待たずに鏡に向かっている中沢の肩越しに、洗面台に置いたままになっている濡れたタオルを手にして傍にある石鹸をなすり付け、彼の背中をこすり始めた。
「ちょっと待ってよ。剃刀を使ってるのに危ないよ」
 中沢は怒って言った。
「じゃあ、早く剃っちゃいなさい。今、シャンプーを取って来るから」
  わたしはタオルを元の場所に戻して、彼の背中から離れた。
 無論、珍しいシャンプーなどあるはずがない。脱衣所の棚から国産の少しだけ高価なシャンプーとリンスを取り出し、手にして浴室に戻った。
 中沢は剃刀を使い終わって顔を洗っていた。その少し前屈みになった姿勢がわたしの眼に、わたしの行為に対する絶妙の姿勢をふと、印象付けた。
 この姿勢の中で一気にやる事が出来る !
 わたしの気持ちの中で決定的に実行の形態が固まっていた。
 成功への確信にも似た思いが生まれた。
 わたしは急かれる思いで中沢の背後へ行くと、
「ちょっと、そのままでいなさい。一緒に髪も洗うから」
 と言って、彼の前屈みの体を押さえた。
 中沢は今度は抗はなかった。わたしの砕けた口調に警戒心も失くしていたようだった。




          ーーーーーーーーーーーーーーーーー




         桂蓮様

          有難う御座います
         バレーに復帰 大丈夫 ? まず心配が頭を過ぎります
         御無理をなさらず 楽しみとしてお励み下さい
          わたくしも大腸癌を患いましたが 癌は取り除いてしまえば怖い事はありません
         ただ 発見が遅れ転移してしまった時が怖いのですが わたくしの場合
         転移もなく 手術で取り除く事が出来たので 今は何処にも不具合はなく
         至って健康な日々を過ごしています
          新作 言葉 国民性 なかなか奥深い問題でおいそれとは片付かない事ですね
         人は言葉で考える 何か国もの言葉を話す方々はそれぞれの言葉で話す時
         その話す言葉の国の人々の思考に従って自身の思考を構成しているのか
         多国語の話せないわたくしに取ってはとても興味のある事です
         それでも その国で生まれ育ち 育まれた人の性格はきっと根本に於いては
         他国語を話すようになっても変わる事はないのではないでしょうか  
         とても面白く拝見しました きっと根本の何処に残っているのではと思っています  
          それにしても他国で打ち解けて話しの出来る仲間が居るという事は幸せな事ですね
          この幸せが何時までも続くよう願ってます
          旦那様の御心配 分かります 暖かさが伝わって来ます
           大きな木 これでは倒れた時には家屋への被害も実感出来ます
          このような大きな木々に囲まれて生活できる日常を羨ましく思います
          稚拙な文章に何時も御眼をお通し戴き御礼申し上げます
          有難う御座います



            takeziisan様


             コメント 有難う御座います
            数々の物語にお眼をお通しの方に このような御感想を戴きますと
            ちょっと緊張感が増します
            わたくしとしては物語を紡ぐというよりは人間心理を追ってみたいと思っていますので
            物語としての単調さは否めないかも知れません
            いずれにしても人間 ふとした小さな事が思いも掛けない大事に発展してしまう事は
            よくある事です 最近でも一家で殺人に係わったという残虐事件が報じられました
             一人の上昇志向の強い女性が ふとした遊び心がキッカケで思わぬ運命の悲劇に
            追い込まれてゆく   
            その心理過程を嘘のない描写で追ってみたいと考えています 
            物語としてはこれまでと違って多少 長くなるかも知れません
            長編まではゆかなくとも中編にはなると思います
            その過程で文章に弛緩が生まれないか 重要な点だと思っています
            お眼をお通し戴き 有難う御座います
             「引き潮」「ダヒル サヨ 」 
            懐かしい曲ですね フランク チャックスフイルド
            わたくしにはやはりこのオーケストラですが 耳にしていて自ずと 
            故郷の海辺の光景が眼に浮んで来ました
            当時の砂浜は松林の間の道を抜けて 波打ち際まで降りてゆくのに
            百五十メートルもの距離がありました それが今では侵食されて
            五十メートル程しかないという事です それだけに
            曲を聴きながら昔の砂浜の限りなく美しかった光景を思い出していました
            ダヒル サヨ わたくしはやはり エセル中田 ですね
            フラを踊りながら歌っていた姿を思い出しました
             川柳 同感 冴えている そうだ そうだ 全く あの大国は
            どうしょうもない ! 強欲 バカに付けるクスリ無し       
             カブトムシ クワガタ 夏休みの朝 露に濡れている雑草を掻き分け
            カブトムシーーセイカジの来る木へ急いだ事を思い出しました
            わたくしの方ではカブトムシをセイガジ クワガタをハサミムシと読んでいました       
             サルスベリの木はショウの強い木です 田舎の墓地にサルスベリがあり     
            葉が落ちて掃除が大変だと言うので
            植木職人に頼んで掘り出して貰いました    
            ところが何年か後にまた生えて来て 昔の木とそっくりの木に成長してしまいました
            この話には後日談があって その木を運送途中でその車が事故に会ってしまいました 
            それでみんなはお墓にあった木を切ったのでバチが当たったんだよと
            話し合ったものでした
            この話は以前にも書いています
             連日の暑さ 熱中症に御注意して下さい
            それにしてもあの雑草 御苦労が偲ばれます
             何時も有難う御座います
            今週も楽しませて戴きました














遺す言葉(457) 小説 いつか来た道 また行く道(17)  他 本物

2023-07-23 12:35:48 | つぶやき
             本物(2023.7.7日作)


 物事は総て
 無意識の行動の域に達しなければ
 本物とは言えない
 意識しての行動は まだ
 その行動が 身に付いた 本物 とは
 言えない――未熟
 松は松として 無意識の裡に存在する
 竹は竹として 無意識の裡に存在する
 松は松で 竹にはなれない
 竹は竹で 松にはなれない
 松は松の本性そのまま 堅固に
 松として存在する
 竹は竹の本性そのまま 自在に揺れ動き
 竹として存在する
 人も同じ事 自身の身に備わった
 本性そのまま 行動する
 その行動こそが 自己を最も顕著に
 証明する 本物と言える そこに
 計らい 計算はない 
 計らい 計算の世界は
 借り物 無意識裡
 自然に手が 身体が 頭が 心が動く
 本物の世界は そこに在る





           ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 
             
             いつか来た道 また行く道(17)


 

 
 わたしは暗い芝生の上を白樺の落葉を踏みながら車庫へ向かった。
 中沢はアプローチ(通路)を辿って車を廻して来た。
 わたしは車庫の扉を開けると、運転席の窓を開けている中沢に向かって、
「この右側に入れて頂戴」
 と、わたしの車が入っている右の場所を指差して言った。
 中沢はいったん車を戻して方向を変えて来るとバックで車庫に納めた。
 わたしは車庫の入口に立ったまま、ここで一気にやって(殺して)しまう事も出来たのだ、思いをめぐらした。
 中沢が車から出るところを一気に襲うーー
 しかし、すぐに、わたしより背の高い中沢を殺るには少し無理がある、と思い至った。
 それに、ここでは中沢も自由に動けるし、もしもわたしの力が足りずに失敗した時には、取り返しの付かない事になる・・・。
 中沢が車から降りて来た。
 何故か彼は、ひどく寛いでいる風に見えて警戒する様子はまるで見られなかった。二十日の夜、わたしの車の中で見せた怨念のこもったような暗い翳は微塵もなくて、何時もの彼の身に付いた軽薄さだけが浮き立って見えた。
 わたしは中沢が車庫の外へ出ると明かりを消し、電動扉のボタンを押した。
「何処から来たの ? 部落の中を通って来たの ?」
 黄色くなった芝生の上を中沢と並んで歩きながらわたしは聞いた。
「そうだよ。だって、それしか道がないじゃん」
 中沢はわたし達がまだ親しかった頃の打ち解けた口調で答えた。
 当時のわたしにはそんな中沢の軽薄な口調が心地良く感じられたものだったが、今のわたしにはその口調も唾棄したい程の嫌悪感でしか受け止められなかった。
 わたしは彼への苛立ちを懸命に抑えながら、
「誰にも会わなかった ?」
 と聞いた。
「誰にもって ?」
 彼はわたしの質問が理解出来ないように聞き返した。
「部落の人とか、他の車とかに」
「会わないよ。誰か来るの ?」
 彼は初めて軽い疑念を抱いたようにわたしを見て聞き返した。
「誰も来ないわよ。なんで、来なければならないの。こんな所に」
 わたしは彼に警戒心を抱かせたか、と狼狽の気持ちに捉われながら思わず並んで歩く速度を速めていた。
 中沢もわたしの歩調に合わせて後を付いて来たが、別段の疑念も抱かなかったようだった。
 わたしが先立って明かりの無い玄関に入ると、中沢も後に従って、
「なんだ、暗いなあ。明かりを点ければいいのに」
 と言った。
「大丈夫よ。靴はそこに脱いで置けばいいんだから」
 わたしは突き放すように言って先に上がった。
 彼はお客ではない !
 中沢は大広間に入ると、
「でっけえ部屋だなあ」
 と、まず感嘆の声を上げた。
 わたしはそんな中沢は無視したまま、窓際のテーブルに向かいながら、
「管理人のおばさんに食事を頼んであるんだけど、夜遅くなるって言ったので、まだ出来て来ないのよ。お腹が空いていたら、そこにあるバンを食べていて」
 と言った。
 中沢はわたしが指示した袋の中を覗くと缶コーヒーを取り出した。
「クスリはどうしたの ? 持って来たの ?」
 やはりその事が気になって聞いた。
「うん。車の中に置いてある」 
 まるで罪悪感がないように彼は、あっけらかんとして言った。
「嫌よ、わたしの前であんなものをやらないでよ」
 わたしは厳しい口調で言った。
 親密だった二人の関係に亀裂が入ったのもそこからだった。
「大丈夫だよ」
 中沢はわたしの厳しい口調も軽く受け流すように言って、手にした缶コーヒーの蓋を開けた。
「今、お風呂に火を入れて来るから、沸いたら食事が来る前に入っちゃいなさい」
 幼い子供に言い聞かせるようにわたしは言った。
「いや、風呂はいいよ」
 突飛なわたしの言葉も気にする様子もなく彼は言った。
「駄目よ、汚い身体じゃわたし厭よ」
 わたしは言った。
 その言葉で中沢はすぐにわたしの真意を理解したらしかった。軽く微笑んで缶コーヒーを口に運んだ。
「明日はどうせ、午後からでないと相手に会えないから、今夜はゆっくり出来るわ」
 わたしは以前のような親密感を込めて言った。
 彼は軽く肩をすくめてからかうようにわたしを見た。
 わたしには親しい彼の眼差しだった。
 わたしは、総てがわたしの計画通りに進んでいる、と自覚しながら浴室に向かった。
 湯船の湯はそれ程冷めていなかった。
 すぐにガス栓をひねって火を入れ、トレーニングルームの入口に置いてあるタオルにくるんだダンベルを確認してから居間に戻った。
 中沢は菓子パンを取り出して食べていた。その様子を見て、このバカ者は自分が脅迫した相手に対して、こうも無防備でいられるのだろうかと、わたしはその軽薄さに驚きの感情をさえ覚えていた。いずれにしても、わたしに取っては好都合な事だったが。
 わたしは軽いほくそ笑みの気持ちと共に気を良くして言った。
「ちょっと、おばさんに電話をして来るわ。その椅子に座って待っていて」
 無論、電話などする気はなかった。彼と顔を突き合わせていたくなかっただけだった。心の内を悟られる事への警戒心が働いた。
  わたしは電話機の前へ行くと電話を掛ける振りをして三、四分を過ごした。
 その後、浴室へ行った。
 湯船の湯は適温になっていた。
 わたしは広間に戻った。
 中沢は菓子パンも食べ終わって、ソファーの背もたれに頭をもたせ掛け、天井を見つめてぼんやりしていた。
「お風呂が出来たわ、入ってみて。入っているうちに食事も出来て来そうだから」
 中沢の背後からわたしは言った。
 中沢は体を起こし、振り返ってわたしを見た。
「タオルを出して来るからお風呂場へ行っていて」
 中沢は素直にわたしの言葉に従った。
 彼にしてみれば二人の関係は既に完全に元の関係に戻っている、そうとしか思えなかった。
 それに彼の眼にはは、この広い部屋の豪華さが総て新鮮に映るらしかった。その驚きで疑いの気持ちも忘れているようだった。
 わたしが洗顔タオルとバスタオルを持って浴室へ行くと、彼は既に脱衣室に居て浴室を覗いていた。
 浴室は金色をあちこちに散りばめた贅沢な造りになっていた。彼はそこに興味を引かれていたらしかった。
 わたしがタオルを持って近付くと、正面の大きな鏡の中でわたしを見付けて振り返り、
「一緒に入ろう」
 と、わたしの肩を掴んで言った。
 わたしはその手を振り払って、
「駄目よ。おばさんが何時、食事を持って来るか分からないわよ」
 と言った。





            ーーーーーーーーーーーーーーー




            桂蓮様


             御身体不調の中 御眼をお通し戴き有難う御座います
            術後 間もない御身体 余り無理をなさらぬ様にして下さい
            わたくしも大腸がんを手術した経験があります その時の
            身体に器具をつながれて身動きの出来なかった時の苦しさ
            経験があります 二度と病気はしたくないとつくづく思いました 
            バレー まだまだ無理 慌てず焦らず 気軽に気楽にゆきましょう
            それにしても冒頭の写真 いつも見惚れています
            良い絵です 同じ湖 同じ樹でありながら 何故か
            日本に見る雰囲気とは異なって見えるのは何故でしょう 
            アメリカと日本 国土のスケールの違いが 自ずと雰囲気として
            醸し出されるのかも知れません
             それにしてもあの巨木が切り倒される ちよっと残念な気がします
            あの大きさになるのに何年かかった事か でも人の身に降り掛かる災害を思う時
            仕方のない事もあるのかも知れません
            日本でも神宮の森の巨木が切り倒される事への賛否が沸き起こっています
            わたくしとしては勿論 切り倒し反対です 貴重なこの地球上の証拠品を
            一気に葬り去ってしまう訳ですから
            金銭的 商業的思惑の罷り通る世の中を憂うる思いです
             とうぞ 御身体が元の状態に快復するまでくれぐれも無理を
            なさらないで下さい
             有難う御座いました



               takeziisan様


                何時も有難う御座います
               美しい花々の数々 存分に眼を楽しませて戴きました
               それにしてもこれらの花々 正に花博士といったところです
               なんだか見ているだけで楽しくなって来ます
               野に咲く小さな花々 田舎に居た時の自然を思い出します
               懐かしい風景です 先日も書きましたが あの自然の中に  
               当時の状況のまま身を置いてみたいです
                トウモロコシ失敗 ?
               トウモロコシは易しいものだとばかり思っていました
               子供の頃の田舎道は畑の中が多くてその畑の畔には夏の間  
               何処でもトウモロコシが稔っていました
               わたくしにとってはトウモロコシの稔る風景は夏の風物詩です
               昔は確か 農薬などは使わなかったはずです
               記事を拝見して意外感に打たれました
                ゴーヤ ブルーベリー 近所付き合いの暖かさ
               気持ちがほのぼのします
               昔の農村では当たり前の風景でした
                 都々逸 浪曲 漫才 とんち教室・・・
               ラジオが唯一の娯楽 懐かしいですね
               これも以前に書きましたが 夏のお盆の夜など
               庭で遊びながらラジオから流れて来る 俗曲の時間 の
               放送を聞いていました 都々逸 新内 民謡 端唄 小唄
               今でもあの時の景色が記事と共に鮮明に蘇って来ます
               楽しい記事の数々 有難う御座いました
               束の間 息抜きの時間です
               世の中 余りに悲惨な出来事が多過ぎます





遺す言葉(456) 小説 いつか来た道 また行く道(16) 他 ゆうべ(昨夜)みた夢

2023-07-16 11:46:05 | つぶやき
            ゆうべみた夢(2023.4.5日作)



 わたしは泣いていた
 わたしの前には ひどく
 寂しい景色があった 
 広い海原 砂浜には 
 誰もいなかった
 わたしは一人 堅い砂の渚を歩いて行った
 帆柱を林立させて 無数の漁船が
 停泊して 漁港があった
 人の姿は見えなかった
 コンクリートが剝き出しの
 四角く太い柱が何本も建ち並ぶ
 市場があった 数々の
 荷受けカゴが空のまま
 幾つも幾つも 積み重ねられてあった
 人は誰もいなかった
 静まり返った暗い影が
 市場を満たしていた
 孤独の影
 わたしは歩いて行った
 いったいわたしは 何処へ行くのだろう
 わたしは影だけの存在になっていた
 わたしの肉体は消えていた
 影のわたしは泣いていた
 泣きながらわたしは歩いていた
 遠く彼方へ
 いったい わたしは何処へ行くのだろう
 わたしは わたしの影が見えなくなるまで
 歩いて行った
 わたしはいったい 何処へ行くのだろう




           ーーーーーーーーーーーーーーーーー




            いつか来た道 また行く道(16)




 中沢の来る気配はまだなかった。
 わたしはこの時、また新たな懸念に捉われた。
 闇の中をわたしの別荘目差して登って来る中沢の車の明かりが、部落の人達の眼に触れる事に気付いたのだった。
 夜の闇を切り裂く車の明かりは下の部落からでも、はっきりと見えるのではないか ?
 この静かな場所では、夜遅く来るように言った事がかえって、裏目に出るのでは・・・・。
 わたしは、ほぞを嚙む思いだった。
 でも、もうどうする事も出来ない。
 その明かりが必ず人目に付くとは限らないだろう。それに、この部落にも夜遅く車を走らせる人はいるだろうし、中沢の車の明かりが人目に付いたとしても、怪しむ人はいないのではないか。ーー
 いずれにしても、心配の種は尽きなかったが、わたしは気を取り直して再び広間を出た。
 玄関で靴入れを開け、サンダルを出して履いた。
 靴入れの横に吊るしてある懐中電灯を手にして外へ出た。
 車庫とは反対側にある物置小屋へ向かった。
 物置小屋の木の引き戸には鍵は掛けてなかった。
 懐中電灯の明かりで中へ入るとシャベルを探した。
 普段使いのシャベルはノコギリなどと一緒にすぐに取り出せる場所にあった。
 わたしはシャベルを手にした。
 ノコギリは必要ないだろう。
 シャベルを持って外へ出た。
 遠く幽かに車の音を聞いたように思った。
 シャベルを手にしたまま暗闇の中で耳を澄ました。
 聞いたように思った車の音は空耳らしかった。
 あるいは遠くを走り去った車の音かも知れなかった。
 物置小屋から戻るとシャベルを家の横に立て掛けて玄関へ入った。
 懐中電灯は消して元の場所へ戻した。
 サンダルを脱いで玄関に上がると広間に入った。
 ソファーに身体を埋めて一息入れ、フッと溜息を付いたが風呂の火が付いたままになっているのに気付いて、慌てて腰を上げた。
 風呂はまだ湧いていなかった。それでもガス栓を閉じてまた広間に戻った。
 再びソファーに身体を埋めると身も心も投げ出すようにして思わず、疲れた ! と呟いた。
 一気に緊張感がほどけて体中が溶けてゆくような感覚だった。 
 頭が極度に重かった。何かが詰まっているようで、咄嗟には何も考えられなかった。
 眼をつぶり、ソファーの背もたれに身体をもたせ掛けてしばらくは何も考えず、閉じた瞼の裏に見える黒い闇だけをじっと見つめていた。
 テーブルの上には途中で買って来た菓子パンや缶コーヒーの入った袋がそのまま置かれていたが、手を延ばす気力も起らなかった。
 一日中、食事らしい食事はしていなかった。
 朝食も長時間、車に揺られる事を考えて多くは口にしなかった。
 母は娘のために作った朝食を食べさせたがってしきりに勧めたが、二口三口、口に運んだだけだった。
「そんなでは昼まで持たねえよ」
 母は娘の小食を心配した。
「うん、でも長い時間、車に揺られるので」
 わたしは言い訳を口にした。
 車に乗ってからは食事どころではなかった。
 勝手知らない道を一刻も早くと思いながら、懸命にハンドルを握っていた。
 途中、喉が渇いて立ち寄った小さな店で菓子パン、缶コーヒー、スポーツドリンクを買い、眼に付いた板チョコを買って口に入れた。あとはスポーツドリンクを飲んだだけだった。
 菓子パンは車の中でも手を付けなかった。
 中沢栄二の来る気配はまだ無かった。
 静かだった。信じられないぐらい静かだ、と思った。
 時々、思い出したようにか細い虫の音が聞こえた。
 他には物音一つなかった。
 風もないのか、建物を囲む白樺の木々の葉を揺する音さえも聞こえなかった。総てが深い闇に包まれた沈黙の中で、わたしの居るこの広い空間を持つ広間だけが唯一、明かりを点し生きている人間の世界を演出しているかのようだった。
 わたしは暫く閉じていた眼を開くと、広間の大時計に視線を向けて時刻を確かめた。
 既に七時三十分を過ぎていた。
 総ての準備が整い、自分の心も落ち着いて来ると、今度は中沢が早く来てくれればいい、と待ち望む気持ちが強くなった。
 あまり遅くなったのでは、明日の朝までに仕事が終わらない恐れがある。
 気持ちは不思議に静かだった。
 わたしソファーから立ち上がると、外が覗けるように少しだけ開けてあるカーテンの傍へ行って再び、外の闇に視線を凝らした。
 依然として、中沢の来る気配は感じられなかった。



          三



 中沢栄二は突然のように訪れた。 
 前庭に車の止まるブレーキの音を聞いて我に返った。
 居眠りでもしていたのだろうか ?
 自分でも醒めていたいのか、眠っていたのか判断が付かなかった。
 わたしはソファーから立ち上がると、カーテンの傍へ行って外を覗いた。
 中沢が玄関の正面に車を乗り付け、何処に停めたらいいのか分からなくて右往左往していた。
 わたしはとうとう中沢が来たと思うと弛緩していた神経が一気に緊張感で満たされ、息苦しくなるのを覚えた。
 そんな気持ちを奮い立たせるようにしてシャンと背筋を伸ばし、姿勢を正してから広間を出て行った。
 玄関の明かりは点けなかった。
 中沢栄二は客ではない !
 彼に対しては敵意をだけしか抱く事が出来なかった。
 わたしが玄関の扉を開けて外へ出ると、車を降りた中沢がドアを閉めようとしていた。
「ああ、だめだめ、そこじゃ駄目 !」
 わたしの声は思わず権柄ずくになっていた。
 その声の厳しさに気付いてわたしはハッと自分を取り戻すと、
「車は車庫に入れてちょうだい」
 と、穏やかな声で言った。
「車庫 ?」
 中沢は勝手が分からないままに不審げに言ったが、わたしの声の調子を疑う様子はなかった。
「ええ、こっちにあるから」
 わたしは今度は不機嫌な感情を抑えて優しさを装い、穏やかに言った。
 中沢は運転席に戻ると、わたしの指示のままに再び車を動かした。




           ‐------------ーーー



            takeziisan様
   

             三十九度の猛暑 わが家の方ではまだ そこまではゆきませんが 連日の猛暑
             気違い熱さです その中での水やり 収穫 
            勿論 規模は話しにもなりませんがわが家の状況 そのまま 
            梅雨時だっていうのになんでこんなに雨が振らないんだ ! 
            プランターの水やりだけでも大変なのに御苦労が身に沁みて理解出来ます 
            その苦労の報酬が新鮮な収穫物 わが家でもキュウリ ピーマン 次から次へと収穫出来ます
            新鮮な味覚の賞味 ささやかな慰めです 
            それにしても井戸水の使用 嬉しい限りですね
            以前にも書きましたが田舎のわが家の井戸水は良い水で評判でした
            記事を拝見し また懐かしく思い出しました
            御近所付き合い 大切ですね 人と人との心の触れ合い
            ホット心が和みます 良い記事でした
             山の写真 今朝 NHKで伊吹山の放送をしていました
            その自然環境の良さを羨望の眼差しで見ていました
            狭苦しい都会の環境に身を置く者に取っては 写真の中でも
            雄大な自然の眺めには心洗われる思いがします
             アカカの滝 初めて聞く曲ですが ハワイアンは良いですね
            その音を聞くだけで若かりし頃の状況が昨日の事のように鮮やかに蘇って来ます
             懐かしいです
             東京までの病院通い この暑さの中 どうぞお気を付け下さい
            肉体は動かさなければ衰えてしまう 一般的な物と一緒で
            使わなれば錆び付いてしまう
            それでもどうぞ 毎日のウォーキング 熱中症には御用心下さい 
             何時も有難う御座います
            楽しい記事の数々を拝見させて戴いた事と共に
            御礼申し上げます


遺す言葉(455) 小説 いつか来た道 また行く道(15) 他 性と羞恥心 宗教

2023-07-09 12:19:20 | つぶやき
            性と羞恥心(2023.6.18日作)


 性への羞恥心は          
 人間の知性 原初的本能との葛藤に根差す感情
 人間は長い長い歳月を経て 知性を獲得
 積み重ねて来た その 人間たる所以の知性
 それを捨て 投げ出して 人間の原初的本能の欲望
 その行為に身を委ねる事への後ろめたさが 人の
 性に対する羞恥の心となって表れる
 一般的動物達に性に対する羞恥心はない



            宗教


 一般的に宗教と言われるものは
 説教 美辞麗句を並べ立て
 権威を振りかざすだけのもの
 究極的に 宗教は無力なもの
 如何なる場合に於いても
 最後に人間を救い得るものは
 人間の心 良心 行動だ




          ーーーーーーーーーーーーーーーーー





           いつか来た道 また行く道(15)




 いったん岐阜の市内に出てから、国道二百五十六号線に入った。
 更に百五十六号線へ出て高山へ向かった。
 安房峠を越えて松本市を目差した。
 今度は一切、高速道路を使わなかった。
 わたしの車が通った証拠を少しでも隠したかった。一般道路の混雑する中へ紛れ込んで、わたしの目立つ車をなるべく人目に触れさせたくなかった。
 平日の道路は比較的、空いていた。それでも、初めて走る不案内な道路にしばしば立ち往生させられた。
 とにかく、一時間でも早く長野県に入りたい。急かれる気持ちでひたすら目的地に向かって車を走らせた。
 すっかり葉を落として裸になった白樺の林に囲まれた別荘に着いた時には、まだ日が残っていた。
 ここへ来る時、わたしは何時も下の部落を通って、別荘の管理を頼んである老夫婦の家に寄り、土産物を置いて来るのだったが、今日は寄らなかった。
 わたしが来た事を知られたくなかった。
 老夫婦は別荘を閉じた冬の間も月に何度か、日曜日に来ては建物の中の掃除や、敷地内の手入れをしてくれていた。
 週日の今日は老夫婦の来る気遣いはなかった。
 それを前提にわたしは計画を立てていた。
 鍵は勿論、自分用のものを持っている。
 車がようやく部落に近付いた時、わたしは何時もの習慣でそのまま、部落の中を通り抜けそうになった。
 最初の人家が見えた時、思わず我に返って、そうだ、このまま部落の中を走り抜けるのはまずい、と呟いた。
 人の眼を怖れた。わたしの車が部落の中を走り抜けた事が人の眼に触れては拙いのだ。
 わたしは慌てて引き返し、いったん、部落から遠ざかった。
 改めてわたしは、中沢を車で来させたのは拙かったかな、と考えた。
 でも、彼が来るのは夜、遅くなってからだろうし、車自体も国産のありふれた車種だからと思って気持ちを落ち着かせた。
 いったん、人家が見えなくなるまで遠ざかるとわたしは細い道を辿って迂回し、小高い丘を這うようにしてゆっくりと登っていった。
 頂の平地に辿り着く頃にはもう、道らしい道はなくなっていた。
 山菜取りや猟をする人達が通るのだろうか、辛うじてそれらしいと分かる雑木林の中の細い道を、クマザサや野茨などに車体をこすられる耳障りな音に気持ちを擦り減らしながら、ゆっくりと車を走らせた。
 これでは、掠り傷一つなかった真っ白なジャガーの車体が傷だらけになってしまう。
 心臓の絞られるような痛みに呼吸さえが苦しくなった。
 その車体の傷が、もしかして、ここに来た事の重要な証拠になってしまうのでは・・・、そう思うと心に突き刺さる苦痛は更に増した。
 ようやく裏道を廻って別荘の正面に通じる道に入った時には、一気に緊張感がほどけてめまいがしそうな程だった。
 車体には思いの外、大きな傷はなかった。安堵感と共に別荘の大きな門を開け、車を敷地内に入れた。
 そのまますぐに門を閉めると、広い庭に沿って続いている道を車庫に向かって車を走らせた。
 車庫には三台の乗用車が入る広さがあった。
 わたしは電動シヤッターを開けると真ん中に自分の車を入れた。
 中沢の車をどちらかに寄せて入れさせる為だった。
 車が納まると途中のコンビニエンスストアで買って来たパンと缶コーヒーの入った紙袋を取り出し、車のドアを閉めた。
 車庫の電動シャッターを下ろし、白樺の黄色い落ち葉を踏んで玄関口へ向かった。
 二階建て、十部屋を持つこの建物は六年前、今は亡き著名な舞台俳優だった人の奥さんから譲り受けたものだった。
 贅を尽くしてしっかりと建てられた建物は、十五、六年の歳月を経ていたが、何処にも傷みらしい傷みはなかった。
 雨戸を閉ざした家の中は暗かった。
 わたしは玄関の明かりを点けると更に大広間に入って、中央の大きなシャンデリアに明かりを入れた。
 雨戸は開ける訳にはかなかった。
 家の中に人の気配を感じさせては拙いのだ。
 人気のない四十畳程の大広間はソファーやテーブルをあちこちに置いて、寒々とした気配の中で磨き抜かれた木製の床が鈍い光りを見せていた。
 わたしは一番窓際のテーブルに抱えて来た紙袋を置いて、僅かに雨戸を開け、カーテンで明かりの漏れるのを防ぎながら外が覗けるようにした。
 夕暮れは急速に迫っていた。
 薄闇が周囲を覆い始めていた。
 白樺の白い木肌が鮮やかに映えて見えた。
 中沢の車は狭い視野から見る限りに於いて、まだ見えて来なかった。
 あいつが遅くなるのは計算内の事だ。
 あいつが来る前にすっかり準備を整えて置くのだ。
 わたしは浴室に向かった。
 中はきれいに整理され、乾いていた。スラックスのままで足が濡れないように浴室用の靴を履いた。
 ニットのセーターの腕をたくし上げると早速、準備にかかった。
 まず、シャワーで浴槽内を洗ってから水を満たし、プロパンガスの火を付けた。
 枯れ木を燃やす構造にもなっていたが、人目に付く煙など出す訳にはかない。
 ガスは老夫婦が管理してくれていて、何時でも使えるようになっていた。
 浴室の準備が終わると、右隣にあるトレーニングルームへ行った。
 そこには様々な運動器具が揃えてあった。ルームランナー、エアロバイク等々。
 かつて、俳優の卵達がここで体力づくりに励んだという事だった。
 当時の運動器具は幾つもそのまま残っていた。
 広い原野の開けたこの辺りで、室内運動器具など必要なさそうだったが、夏の間、長逗留をする事のある者達は、運動の成果が数字になって表れる器具には興味を示した。
 わたしはそれらの器具を横目に様々な道具の入った箱が置いてある一つの棚の前へ行くと、二キロの鉄亜鈴の入っている箱を取り出した。
 蓋を開けて対になっているうちの一つを取り出して右手に持ち、振ってみた。
 女のわたしにもそれ程、負担にならなかった。
「よし、これでよし」
 わたしは取り出した方を足元に置いて、あとの片方は箱に入れて元に戻した。
 その後わたしは、タオルの入った収納棚の前へ行き、一本の洗顔タオルを取り出した。
 そのタオルで鉄亜鈴を巻いた。
 やや大きめの洗顔タオルはきれいに鉄亜鈴を包み込んで、形を分からなくしたが、鉄の堅さだけは感触として伝わって来た。
「これでいい」
 わたしは思わず満足感と共に呟いていた。
「タオルで包む事で、傷の出来る確率も小さくなるだろう」 
 出血は当然、避けられないだろうが、それでも出来る限りは小さくしておきたかった。
 わたしはそのタオルで包んだままの鉄亜鈴を部屋の入口にそっと隠して置いて、広間に戻った。
 外は何時の間にか完全な闇になっていた。




             ーーーーーーーーーーーーーーーーー




              takeziisan様



               有難う御座います
              今回も楽しいひと時を過ごさせて戴きました
              蘇る思い出 人生の宝物ですね      
              わたくしは登山の経験はありませんが お写真で見る
              山懐に抱かれた環境の素晴らしさ 写真からも清々しい空気感が伝わって来ます
              病み付きになるのも分かる気がします 反面
              自身の中には危険な場所には足を踏み入れたくないという思いもあります
              出不精の性格も影響しているのかも知れません
               山百合 カワセミ 環境の素晴らしさ 羨ましい限りです
               山百合 カワセミわたくしの育った環境には親しい存在でした ですので
              一層 懐かしく思われます
               夏休み 郷愁を誘う言葉です
              それにしても採れたて野菜の新鮮さ 眼を見張るばかりです
              日々 これを食する事の贅沢さ その中に身を置いていた時分には
              当たり前の事だと思い 分からなかった事です 失って初めて知る当たり前の尊さ 
              人生の時間に於いても同じ事ですね
              幸い わたくしは今年の健康診断の結果も満点で
              何処も悪い所はありませんでした
               都心まで出向く検査の必要性 どうぞお気を付け
              御大事にして下さい
                久し振りの東京散歩 おのぼりさん気分の
              お爺ちゃん お婆ちゃんの原宿散歩 思わず笑い出しました
               サマータイム 好い曲です それにしても見事な歌唱
               素晴らしいひと時でした こういう歌唱なら何度聴いても飽きません
                今回もいろいろ楽しませて戴きました
                有難う御座いました





遺す言葉(454) 小説 いつか来た道 また行く道(14) 他 魔船タイタニック

2023-07-02 13:08:04 | つぶやき
            魔船タイタニック(2023.6.23日作)


 呪われた船 タイタニック
 またしてもの悲劇
 あの海域が魔海なのか ?
 かつて沈んだ船
 タイタニックが魔船なのか ?
 恐らく 多分 偶然の事故 に
 過ぎないのだろうが かつて
 千五百余もの人の命を奪った タイタニックは
 またしても その魔の手を延ばして
 尊い人の命を奪い 新しい
 悲劇を生み出した
 魔船 タイタニック 新たな悲劇はまた
 語り継がれてゆく事になるのだろう


 世界は偶然による 必然の上に成り立っている




           ーーーーーーーーーーーーーーーーー




             いつか来た道 また行く道(14)



 
 しかし、やらない訳にはゆかなかった。
 彼がいる限り、わたしは落ち着いた生活を送る事が出来ない。
 麻薬常習者と係わりを持った女として、絶えず不安に怯えていなければならないのだ。
 あるいは、わたし自身が彼の前から姿を消す事も、選択肢の一つかも知れなかったが、それは実行不可能だった。これまでわたしの総てを注ぎ込んで築いて来た店を放り出して、何処へ行けと言うのか ? 何処に隠れて、どうやって生きて行けと言うのか ?
 中沢がわたしから離れて行ってくれる事が一番だったが、期待する方が無理だった。弱みを握ったハイエナがみすみす獲物を手放すはずがない 。彼はわたしから搾れるだけのものを搾り取ろうとするだろう。
 無論、金を出すだけなら妥協も出来る。ただ、問題はあくまでも彼が麻薬常習者という点だった。
 わたしは再度、警察に訴える事に思いを馳せた。しかし、その思いはまたしても即座に否定された。
 中沢栄二という<ブラック ホース>の元ホステスは麻薬常習者です、と訴えて彼が警察に捕まったとしても、永遠に刑務所にいる訳ではない。何時か彼は釈放されるだろう。その時彼は、誰が警察にチクった(密告)かぐらいはすぐに想像して、再度の復讐をわたしに仕掛けて来るに違いない。
 結局、わたしは彼がいる限り落ち着いた日々を生きる事が出来ないのだ。
 彼が居る限り、わたしは脅し続けられるだろう。 
 彼が麻薬中毒で死んでくれる事が一番だったが、その前にわたし自身の神経が参ってしまいそうだった。
 わたしの不穏な思惑はそうしてわたしの胸の内で次第に強く、揺るぎないものになっていた。
 わたしは考えた。
 別荘の浴室で一気に殺(やっ)てしまえばいい。
 浴室ならたとえ血が流れても後の処置が簡単に済む。
 洗い流してしまうのだ。
 凶器はトレーニングルームにある鉄アレイを使えばいい。
 わたしが鉄アレイを思い付いたのには訳があった。何かの本で読んだのか、テレビドラマで見たのか忘れてしまったが、冷凍ラム(羊肉)の固まりで夫の後頭部を殴打して殺害する、という話しに着想を得たものだった。
 凶器の牡羊肉はオーブンで調理して、捜査に来た、刑事だった夫の同僚達に食事として出して証拠品隠滅を図るという奇抜な話しからだった。
 わたしの場合、冷凍肉を使う訳にはゆかなかったが、別荘には他の運動器具と共に鉄アレイが置いてある。わたしだけではない、社員達も利用する事の多い別荘で誰もが、体力維持の為にすぐに使用出来るようにしてあるのものだった。
 もともと、薬物の知識もなく、凶器となるような物など何一つ持っていないわたしに取っては、それが最上の方法に思えた。
 当然の事ながら、調理室にある包丁などを使う事も考えたが、腕力の乏しい自分に取っては確実に相手を刺殺出来るという自信も持てなかった。手を滑らせて失敗した時には取り返しの付かない事になる・・・・。
 わたしは計画実行までの日々、普段と変わらずに行動した。
 中沢栄二からの電話はなかった。
 二十六日の朝、わたしは秘書の浅川すみ子にファックスを入れた。
「急用が出来て実家へ帰らなければならなくなりました。四、五日は戻れなくなりそうなので宜しく頼みます。重要事項は総て専務が掌握しているはずですから、何かあったら専務に相談して下さい」 
 車で自宅を出たのは午前九時過ぎだった。
 狛江から高速道路の東名に入るとずっとその道を走り続けた。
 パーキングエリアでは必ず車を停めてわざと長い時間を過ごした。
 わたしの車がこの方面を走った事を、出来るだけ多くの人の眼に焼き付けておく為だった。
 わたしが母の元へ赴いた事実を証明する為にも、世田谷ナンバーの白いロングノーズのジャガーが西へ向かった事実を記憶しておいて貰いたかったのだ。
 わたしが岐阜の実家に着いた時には午後九時を過ぎていた。
 既に布団に入っていた母は、突然のわたしの、しかもこんな遅い帰郷に驚いた。
「なんだね ? 今頃」 
 一人暮らしの母は、わたし達、姉兄が一緒に暮らすように勧めても古い家を離れたがらなかった。「爺ちゃんの三回忌が終わるまで」と言っていたものが「七回忌」になり、今度は十三回忌が終わるまでになっていた。
 母は至って元気だった。
 突然、叩き起こされた寝間着姿のままで八畳の部屋の卓袱台の前に座ると、
「夕餉が終わってしまって、口にすんものがあんにもねえよ」
 と言った。
「何もいらない。途中で食べて来たから」
 わたしは疲れ切っていた。着ている物さえが重く感じられてそれを脱ぎながら言った。
「あんでまた、こんな夜中に突然 ?」
 母は、やはりわたしの帰郷が呑み込めない様子で不審気に言った。
「名古屋に用事があったものだから、ちよっと足を延ばして寄ってみたの。明日の朝はまた、早く出なければならないんだけど、明後日(あさって)はまた、寄らせて貰うわ」
 母は娘の突然の、久し振りの帰郷に何か、訳でもあるのではないかと探るような眼でわたしの顔を見ていた。
 わたしはそんな母の視線を鬱陶しく感じながら、なるべく顔を見られないように体を背けていた。
 母の視線を正面から受け止めるだけの勇気がなかった。胸に抱いた黒い思惑がわたしの心を卑屈にしていた。
「風呂は ? 冷めちゃってるかも知んねえけっど、すぐに焚ぐから」 
 母は娘の疲れた様子を見て気を使ってくれた。
「いいの。何もしなくていいから、もう、寝て。わたしも布団だけ貸して貰えば、それでいいから。東京から車を走らせて来たので疲れちゃったわ」
「そうかね。じゃあ、そうするよ」
 母は卓袱台の前を立ち上がって六畳の間の押し入れに向かった。
 その夜、わたしと母は枕を並べて寝た。
 母はしきりにわたしに話し掛けて来た。
 名古屋にはなんの用事があって来たのか、姉兄達の所へは顔を出さないのか、明日は何処まで行くのか、また来て、何時まで居られるのか、今年は天気が良かったので、畑の作物もよく出来た・・・・、わたしは枕に頭を載せて暗い天井を見つめながら、心ここに無い母への合槌を打っていた。久し振りに話し相手が出来て嬉しいらしい母に、上の空の返事を気付かれないようにするのに苦心した。
 やがて母は、長い話しにも疲れたのか、何時の間にか眠っていた。
 わたしは母の眠りに気付いてわたしも眠ろうとしたが、眠りはいっこうに訪れて来なかった。
 体中に疲労感が蓄積されているのを感じながら、頭脳だけは異様に冴えていた。その冴えた脳裡には次々と様々な想念が湧き上がって来て、わたしの神経を休ませなかった。
 いったい、わたしの思惑は成功するのだろうか ?
 中沢はどのような顔で現れるのだろう ?
 果たして一人で来るのだろうか ?
 もし、誰かを連れて来た時にはどうしょう ?
 当然、計画は中止しなければならなくなるだろうが、その時にはどんな口実を使うのか ?
 別荘の白樺はもう、葉を落としているだろうか ? 穴を掘った跡を隠す為には充分な落ち葉が必要だ。
 その行為が今、横にいるこの母に哀しみをもたらすような結果にならなければいいが・・・・。
 わたし自身の為にも、絶対、そうしなければならない。
 もし、この行為が世間に知られれば、わたしの総てが終わりになる・・・。
 それでも、わたしはやるのか ?
 その覚悟は出来ているのか ?
 それが極めて危険な行為だと理解しているのか ?
 いや、大丈夫だ。多分、大丈夫だ。
 中沢栄二は世間からはみ出した人間だ。
 格別、親しい人間のいるらしい様子もない事も分かっている。
 無論。麻薬の売人はいるだろうが、彼等が大袈裟に騒ぎ立てる事はないだろう。彼等に取っては彼等自身の身を守る事の方が先決だ。
 その夜、わたしはとうとう一睡も出来なかった。微かに眠ったかと思った瞬間にはもう眼が醒めていた。

 翌日、わたしは午前八時少し前に母に送られて家を出た。





           ーーーーーーーーーーーーーーーーー




            桂蓮様

             有難う御座います
            新作がなく 旧作を再拝見しました
            心と体のダイエット 再読にも拘わらず大変 面白く拝見しました
            物の計り方 メートル法など アメリカは何故 世界の流れに反して異なるのでしょうね
            馴れない間はさぞ大変だったろうと拝見しながら含み笑いをしていました
            終わりの部分の箇条書き 水を飲むという部分を除いて
            ほとんどがわたくしの実行している事です              
            そうだ そうだと頷きなから拝見していました
            英文との合わせ読みで飽きないのです
             体調の方は如何でしょう 御無理をなさらないようにして下さい
            わたくしは一週間ほど前に健康診断の結果が出て
            総て合格でした
            健康体をつくづく有難く思っているところです
             何時もお眼をお通し戴き 有難う御座います




             takeziisan様

              
              今回もブログ 大変楽しく拝見させて戴きました
             今頃クンシラン ? 驚き以外の何ものでもありません
             やはり気候が違うのでしょうか
             この地方は温暖で災害なども少なく いろいろ地方の災害などを見聞きする度に
             この辺りは暮らし易いよね などと話し合っています
             その代わり 傑出した人物もなかなか出ないようです
              クーラーわが家もあまり使いません 去年だったか一昨年だったか
             最近の熱気を思い 取り入れたのですが 夜なども未だに
             窓を開けて寝ているような始末です 勿論 防犯の対策はしていますが
             割合と犯罪の少ない地域です
              生キュウリにミソ 最高のさかな 収穫の品々の写真を拝見
             つくづくその生活が羨ましくなります
              栗林の木陰で休憩 以前 兄妹揃って田舎の家のあった跡地で
             タケノコを採ったり 作った野菜を収穫していた事を懐かしく思い出しました
              夜 眼を醒まさない ? 驚きです
              わたくしも昔は宵っ張りで一時二時近くまで起きていたものですが
              最近は十一時前に寝るように心掛けています
              起床は六時半で その間に二回あるいは三回とトイレに立ちます
              そして その時間が何時も決まったように同じ時間帯で
               自分でも まあよく こんな決まった時間に眼が醒めるものだと
              不思議な気がしています 体調は至って良好です
               川柳 楽しませて戴きました よく見ているなあ と感服の一言 
              とても面白かったです また次回を楽しみにしています
               城ヶ島の雨 もっとも好きな歌の一つです
              いい曲です
              先週 月曜日 BSニッポン 心のうた で放送しました
              やはり音楽大学卒業の歌い手さん達が唄う歌に
              改めて良い曲だなあ と感動したばかりでした
              船頭小唄 森繫久彌
              わたくしにはちよっとぴんと来ない所があるのです
              森繫久彌の唄以前に耳にしていた歌の記憶が強くて
              なんとなく森繫の唄には二番煎じという思いが抜けきれないものがあるのです             
              でも 今では船頭小唄と言えば 森繁のあの独特の節回しの唄という理解が
              当たり前になっているようです
               謝恩会 ありました
              みなさん積極的に歌われたようですね
              わたくしのいた学年では田舎の子供の恥ずかしがりやが多かったせいか
              歌う者がいなくて 余りの場の白けに耐えられなくなって
              わたしが東海林太郎の「国境の町」を唄いました
              それだけです
              遠い思い出です それにしても皆さん 積極的だったのですね
              地方の田舎育ちをよく口になさいますが 皆さん
              わたくしのいた地方よりははるかに進んでいたのではないですか
               今回もいろいろ楽しませて戴きました
               有難う御座いました 何時もお眼をお通し下さいまして
              御礼申し上げます