この不思議(2012.7.4日作)
ある事故に寄せる思い
なぜ それは起こるのか
単なる偶然? それとも
それを仕組んだ悪意ある者がいて
その仕業によるものなのか?
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ある朝 静かな田舎町の通学路を
学校へ行くために歩いていた児童たち
小学生たちの群れの中に突っ込んでいった車
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なぜ その時 その場所なのか?
なぜ 小学生たちの群れを狙うように
車は突っ込んでいったのか?
なぜ その一点 静かな田舎町の
人通りも少ない通学路を歩く
小学生たちの群れの中なのか?
なぜ 周囲に広がる何千 何万もある
他の場所ではなかったのか?
たとえ 運転手の居眠り 酔っ払いによる
事故であったとしても なぜ車は
周囲に広がる場所の何処か ではなく
ごく小さな群れの小学生たちの中へ
突っ込んでいったのか?
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この不思議 信じ兼ねる 偶然は
なぜ起こるのか?
一日に起こる 何百何千何万もの 事故のうちの
たまたま起こった 一つの 偶発事故
そういう事なのか?
それだけのものなのか?
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人の力では どうにも出来ない 偶然
不思議な力 同じ
事故の中で亡くなる子供
かすり傷一つですむ子供
怪我一つ負わない子供
人の眼には見えない ものたちがつくり出す
人の 幸不幸 運不運
この不思議な力 その力の前で
人に出来る事は何なのか? ---
無力な人間 この地球に住む人間達はせめて
自身の力の及ばない 眼には見えない力によって支配され
日々 導かれているという自覚 その覚悟の下
より謙虚 より真摯 より誠実 に
はかない人間 人の命に向き合いながら
生きてゆくより外に
出来る事はない