遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(499) 小説 希望 (23) 他 歌謡詞 最果ての街 ほか 小説と詩

2024-05-26 12:15:55 | 小説
              最果ての街(1980.5.3日作)



 1 せめて面影捨てたくて 
   流れ流れて来たけれど
   ここは最果て海の街
   波の音にもあなたを偲ぶ

 2 帰る当てない東京は 
   遠く彼方にあるばかり
   呼ぶな呼ぶなと思っても
   ここは最果て北の街
   風の音にもあなたを偲ぶ

 3 なんで未練が今更に
   遠く昔は帰らない 
   バカねバカねと胸で泣く
   ここは最果て霧の町
   ドラの音にもあなたを偲ぶ


 
    小説とは 様々な出来事などに託して
    人間の行動 心理を描写し
    作者の理念 思想を伝えようとするもの
    詩とは 理念 思想を鋭角的な言葉の上に定着させ
    作者の心を伝えようとするもの




             ーーーーーーーーーーーーーーーー




              希望(23)



 
 北川の他には鳥越と頬に傷を持った男、滝田ともう一人の小柄な男、沢木がいた。
 現場は略図で説明された通りだった。
 ゴム工場の塀は五メートル以上と思われる高さがあった。
 道路は五、六メートルの幅でアスファルトで舗装されていた。
 公園を囲む金網の柵に沿って歩道があった。
 柵の高さはⅠメートル程。内側にはその柵より少し高いツツジと思われる木の植え込みがあった。
「いいか、奴を遣ったらすぐにこの柵を飛び越えて植え込みの中へ逃げるんだ」
 北川は言った。
 かなりの広さを持った公園だった。
 所々に大きな樹々もあって広場中央には花壇に囲まれた噴水が赤や青、黄の照明の中で鮮やかな水しぶきを上げていた。
 周囲には子供達の為の遊具やサッカーのグラウンドなどもあった。
 午後九時という比較的早い夜の時間にも関わらず公園内にも通りにも人影は無かった。
 柵に沿って二十メートル程の間隔で街灯が黄色味を帯びた光りを投げ掛けているのが少し気になった。
 車はゆっくりと走って交差点へ出た。
 北川は公園に沿って左へ曲がった。
 少し行くとやや古ぼけた感じの二階建てでそれなりの大きさを持ったコンクリートの建物が右手に見えて来た。
 北川はその建物を差して言った。
「あれが奴の居るアパートだ。奴は何時も歩いて帰(けえ)るもんで、奴がこの道へ曲がる前えの今来た通りで遣るんだ。仲間がお前(め)えと一緒に居っから、そいつの指示に従ってお前えは駅の方へ歩いて行く。そっで、奴と出会った所で道を聞く振りをして奴に近付き、隙を見て一気に刺す。奴はお前えの顔は知んねえけっど、いくら眼鏡を掛けて野球帽で変装してるっていっても、やっぱり暗(くれ)え所の方がいいんで、なるべく街灯から離れた場所で遣った方がいい」
「もし、一人でも人が歩いて来たりしたらどうする ?」
 修二は聞いた。
「その時は遣んねえでいい。人が来たと思ったら、奴とは距離を置いて通り過ぎてしまえばいい。日を改めてやり直すから」
 計画は翌週、水曜日の夜に決行される事になった。
「俺達はマッポ(警察)の眼を誤魔化すために現場へ行かねえで駅の近くの飲み屋でアリバイ作りに呑んでっから、車の運転は他の者(もん)に遣らせる。みんな信用出来る連中だから心配えしねくて大丈夫だ」
 北川は言った。
 当日、北川は出発直前になって、
「相手は柔道二段の猛者だから気を付けろよ。いいか、一気に遣っちゃうんだぞ」
 と注意した。 
 修二は北川のその言葉に思わず肝を冷やした。
 ええッ、という思いだった。
 何故、最初にそれを言わないんだ !
 修二が怖じ気付くのを思って隠していたとしか思えなかった。
 何処までも汚い野郎だ !
 それでも、今更、後に引く訳にもゆかなかった。
 修二を載せた車はそのまま動き出した。
 修二はジャンパーのポケットにナイフを忍ばせていた。
 自分が遣ると決まってからは夜毎、自分の部屋でナイフの扱い方を様々に試してみた。
 どうすれば相手に気付かれずにナイフを使えるか ?
 それなりの結論は出ていた。
 車はまず、公園の通りとは反対側の道路で修二ともう一人の男を降ろした。
 修二と男はそのまま公園内に入って実行現場の通りへ向かった。
 二人を降ろした車は駅前通りに向って走り去った。
 車の中には運転手ともう一人の男がいた。
 二人は駅前通りで相手の男が駅から出て来るのを確認してから、実行現場の通りを男のアパートの方角へ向かって走り、その曲がり角でクラクションを鳴らす。
 それが合図だった。
 修二はその合図と共に公園の繁みから道路へ出て、相手が来る方へ向かって歩いて行く。
 ーー修二と連れの男が繁みの中に身を隠してから何分かが過ぎた。
 どれだけの時間だったかは分からなかったが、修二には不安と緊張感に満ちた長い時間だった。
 やがて、先程、修二達を降ろした車が繁みに居る修二達の前をゆっくりと通り過ぎるのが見えた。
 少ししてからクラクションが聞こえた。
「今だ、出ろ !」
 修二と居る男が緊張感に満ちた声で言った。
 修二はその言葉と共に繁みを出てすぐに金網を乗り越えた。  
 まだ遠くを歩いている相手の男は、手元の何かを見ながら歩いていて、修二が通りに出た事には気付かなかった。
 修二はそのまま男に向って歩いて行った。
 心臓が緊張感で早鐘を打った。
 ナイフは右腕に握ったまま、腕の内側に隠す様に貼り付けて持っていた。
 親指は飛び出しボタンにしっかりと押し付けられていた。
 あとはボタンを押すだけだ !
 男の姿が次第に大きくなって来た。
 身長Ⅰメートル六十五センチの自分より十センチ以上は大きい事が次第にはっきりして来た。
 柔道二段だという体躯は近寄り難い気がした。
 それでも、遣らなければならない・・・・
 もし、逃げ出してしまえば北川達のいい笑い者になる。
 笑い者にだけはなりたくなかった。
 その上、現金も既に受け取っている。
 息苦しくなる程の緊張感を抱いたまま修二は男に向って歩いて行った。
 四、五メートルの距離になると歩道から大通りへ出て男の方へ近付いていった。
 男は依然として手元の何かに視線を落としたまま歩いていて、修二が近付いて行く事にも気付かなかった。




              ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




                takeziisan様


                民謡の数々 どれも懐かしい歌ばかりです 
               越中おわら いいですね ずっと昔になりますが
               この越中おわらをテーマした番組がNHKテレビで放送された事がありました
               その番組の素晴らしに魅かれて再放送の際に録画したものです
               今でもテープを持っていますがテープも今や骨董品になってしまって・・・
               あの哀愁を帯びた歌の素晴らしさ それにしても
               民謡はどの地方の民謡もそれぞれに特色があって素晴らしいです
               市丸 懐かしいですね 小唄勝太郎と民謡界の双璧
               当時はお互いが意識し合って仲が悪いなんて噂されたものですが
               これもやはりNHKの番組で二人揃って出場して 仲の睦まじさを
               演出してみせたものです 実態はどうであったのでしょう
               いずれにしても双璧であった事には間違いありません
               それに赤坂小梅 あの太った小柄な身体と共に鹿児島おはらは
               小梅の代名詞みたいなものでしたね
               ちょっと早く亡くなってしまいましたが
               画面で見るのは高校生でしょうか
               こうして若い人達に歌い継がれるのを見るのは嬉しいものです
               ドジョウすくい 絶品です いつ見ても楽しい踊りです
               それこそ国民の公共放送 NHKはこういう地方の生活を大切にした
               番組を地道に放送して貰いたいものですが 最近のNHKは全く
               民放化してしまってコマーシャルは流すは 訳の分からない
               タレント達が寄り集まってガヤガヤ騒ぐはで公共放送の品位も良さも
               全く感じられなくなってしまいました
               こんな所に視聴料を払っているのかと思うと腹が立って来ます
                桑の実 ドドメ もうそんな季節なんですね  
               此処に居ては季節も感じられません 四キロ
               野菜の稔りと共に羨ましく思います 
                川柳 老齢川柳 君恋し 特に共感一入です
               何時もながらに楽しい時間を過ごさせて戴きました
               有難う御座います
               何時も駄文にお眼をお通し戴く事と共に
               御礼申し上げます
               



 



















  

遺す言葉(498) 小説 希望(22) 他 戦争は悪

2024-05-19 12:45:49 | 小説
             戦争は悪(2024.5.15日作) 



 戦争は悪だ
 戦争をするな と叫ぶより
 戦争好きな人間達には 勝手に
 やらせて置けばいい
 果てし無い殺し合い 戦争
 その戦争に於いて 一般市民を巻き込む行為
 絶対的に許せない 日々 静かに
 日常を生きる一般市民
 市井の人々 その人達の権利 生きる権利を奪う事
 誰であろうと許されない 人の命を奪う権利
 誰にも無い 人はそれぞれ
 この世に生を受けた限りに於いて
 生きる権利を有している その権利を
 戦争好きの愚か者 愚者達侵略者が
 勝手に弄び 奪う事は許されない
 果てし無い殺し合い 戦争
 愚か者 愚者達の危険な遊び
 危険な遊びを好むなら 愚か者
 愚者達同士 勝手にやればいい
 その行為 殺し合い 
 日々 日常を生きる一般市民 
 市井の人達を巻き込むのなら 直ちに
 止めるべし その行為 犯罪行為
 絶対的に許せない
 市井の人々 一般市民を脅かし 命を奪う
 どんな口実 理屈を並べても 空虚な戯言 
 直ちに止めるべし
 この世界 地球上 これまでに
 愚かな戦争 果てし無い殺し合い その中で
 失われた人の命は数知れず
 積み上げられた死者の数 数知れず この惨状
 総ては愚者 愚か者達の危険な遊び 遊戯の結果 
 悲惨な結果
 市民を巻き込む戦争 殺し合いなら直ちに止めるべし
 愚か者 愚者達よ
 世界はお前達だけのものではない !


            
             
           
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              希望(22)




「クロちゃんの納骨が済んだって言うもんで、墓へ行って線香を上げて来たんですよ」
 北川は言った。
「お前(め)えとクロは同級だったんだって ?」
 マスターが聞いた。
「そうなんですよ。小学校から高校までずっと一緒だったもんで、奴とは一番気心が通じ合っていたんですよ。何をやるにも一緒で、走るようになったのも二人で相談しての事だったんもんだから」
 北川は沈んだ口調のまま言った。
「じゃあ、お袋さんもお前えの事はよく知ってんだ ?」
「知ってるなんてもんじゃねえですよ。俺達が小せえ頃は、お袋さんが働きに出てたもんで二人で一緒に留守番をしてたんですよ」
「お前えがクロの仕返(しけえ)しに躍起になるのも分かるな」
 マスたーは軽い笑いと共に言った。
「勿論、それもあるんだけど、でも、今度の事はそれだけじゃねえんですよ。相手の奴等にでっけえ面(つら)させて置く訳にもいかねえし、大体、このままじゃチームをまとめられねえですよ。頭(あたま)の一人が殺(やら)れて何も出来ねえなんて言うんじゃ、頭としての資格を問われちゃいますからね」
「一層の事、走りなんか止めちゃえばいいじゃねえか。警察は煩えし、走ってもなんの得にもなんねえだろうよ」
 マスターは言った。
「いや、みんな走るのが好きなんですよ。走る事でみんな詰まんねえ仕事の苛々を解消してんですよ」
「で、遣る目途は付いたのか ?」
 マスターは聞いた。
「いや・・・・」
 北川は言葉を濁した。
 マスターは北川の曖昧な態度を見て、
「そんなに簡単に遣れるもんじゃねえさ」
 と、ぽつりと言った。
 諭すともなく、呟くともない言い方だった。
 
 北川はマスターが席を外した隙に言った。
 「明日の夜、俺と鳥越で来るからシャッターを開けて置いてくれよ」
  修二が返事をする間もなくマスターが戻って来た。
  翌日の夜、修二が二階へ上がるとすぐに北川と鳥越が来た。
  名前を呼ぶ北川の声が聞こえて修二は階段を降りて行った。
 鎧戸を開けると、
「おお、悪りいな」
 北川が軽く右手を上げて挨拶した。
 二人は中へ入り、修二はすぐに鎧戸を降ろした。
「俺達、ブラックキャッツのリーダーの動きを掴んで来たんだ」
 部屋へ入るとすぐに北川は略図を書いた裏白の広告紙を広げた。
「光本って言うのが奴の名前(めえ)で牛乳工場に勤めてるんだ。月水金が遅番って言うのか、夜の十一時過ぎに境川駅に降りるんだ。そっからアパートまで歩いて帰(けえ)るんだけっど、十三分ぐれえの間だ。途中、五分ぐれえは商店街を通るんだけっど、その通りを抜けると後は公園みてえな処があって、片側はゴム工場の高いコンクリートの塀が続いてる。夜はほとんど人が通らねえんだけっど、奴は近道なもんで本通りを通らねえで何時も此処を通って帰(けえ)るんだ。奴の足で七、八分ってところだ。それから左へ曲がって五、六分で奴のアパートに着く。ーーこの工場と公園の間の通りで遣ろうって思うんだ。俺達が奴の様子を探って合図する。その合図で公園を出て行って道を聞く振りをして奴に近付き、一気に刺す。刺したらまた、公園の中に逃げ込んでそのまま、公園の反対側に居る俺達の車に乗って逃げるんだ。勿論、監視カメラには充分注意するし、公園の中には樹がいっぺえ繁ってっから身体を隠すのには絶好の場所なんで心配えはねえ、と言う訳んだ。そっで前えにも言ったようにそれをお前えに遣って貰いてえんだよ」
 北川は顔を上げ、修二を見詰めて言った。
 既に、総てが決まっているかのような北川の言い方に修二は腹を立てたが、怒りの感情を抑えたまま、
「だけど俺、遣るなんて言って無いよ」
 と、静かに抗議した。
「それは分かってるよ。分かってて頼むんだよ」
 北川は言った。
「でも、前にも言ったけど駄目だよ。チームの他の人に遣って貰ってよ」
 修二は言った。
 北川はそんな修二に苛立ちを募らせた。
「お前えも全く話しが分かんねえな。前えにも言った様にチームの連中じゃ面(つら)を知られちゃってっから拙いんだよ。その点、お前えなら面(めん)も割れてねえし、都合が好いんだよ。そっだから頼むんだ。勿論、その為には変装用の眼鏡も用意するし、野球帽も用意するよ。帽子を被って眼鏡を掛ければ誰だか分かりはしねえよ」
 焦(じ)れったそうに北川は言った。
 修二は黙っていた。
 どう考えてみても自分に取っては理不尽な要求にしか思えなかった。
 それでも北川は重ねて、
「お前え、ナイフをかっぱらった事を警察にチクられてもいいのかよう ?」
 と思いも掛けない、修二に取っては唯一の弱点を口にして睨み付けて来た。
 思いもしなかった言葉に修二は狼狽した。
 その狼狽と共に思わず感情を昂ぶらせて、
「じゃあ、遣るとしたら幾らくれるんだ ?」
 と、挑戦的な口調で、以前にも口にした言葉を再び口にしていた。
 北川は修二の態度に一瞬、たじろぐ気配を見せたがすぐに気持ちを切り替えて、
「二十万出すよ」
 と言った。
 身を乗り出す気配さえあった。
 修二はだが、そんな言葉もすぐには受け入れられなかった。
 少しでも北川の理不尽に抗いたかった。
「駄目だよ、そんな金じゃあ出来ない」
 突き放すように言った。
「じゃあ、幾ら欲しいんだ ?」
 北川は不満そうだった。
 修二は答えなかった。
 元々、無理強いの要件だった。過去に於いても経験のない事だった。
 はい、これです、と即座に答えられるものではなかった。
 修二が躊躇っているのを見ると北川は、
「じゃあ、あと十万出すよ」
 と言った。
    修二はやはり黙っていた。
 総てが修二に取っては未知の世界の話しだった。ただ、三十万と言う金額はこれまでこの店で貰う五万円の給料の外、今まで考えてみた事も無い金額だった。それが巨大な金額に思えた。
 これだけの金があれば何んでも出来る気がした。
 修二の心は揺れた。
 北川は修二のそんな心の揺れを逸早く見抜いた様子で、
「な、そっで、 いいだろう ?」
 と言った。
 修二は釣られて、
「うん」
 と言っていた。
 北川は修二の頷く様子を見ると途端に顔をほころばせた。
「よし ! これで決まった」
 と言って鳥越を振り返った。
 鳥越は黙ったまま頷いた。
「だけど、三十万は遣る前にくれよ」
 修二は言った。
 騙されたくはなかった。
「勿論、遣るよ。ただ、これはマスターには内緒にして置いてくれよ」
 マスターの不興を買うのを怖れる様に北川は言った。
「うん」
 修二は言った。
 自身としてもマスターに知られたくはなかった。
 総てを秘密裏に行いたかった。
 
 北川は、相手を殺すまで遣らなくてもいい、と言った。
「殺すとかえって面倒な事になる。ただ、なんとしてでも傷め付けてやりてえんだ。そっでなければ気が収まらねえからなあ」
 修二の仕事が休みの水曜日、夜八時過ぎに北川が運転する車で現場の下見に行った。




            ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




             takeziisam様


              今回も楽しく拝見させて戴きました
             笑いあり 美しさあり 懐かしさあり
             九重山の思い出 良い思い出ですね それにしても
             忙しいと言いながらあちこち 随分 足を運んでいらっしゃる
             充実したこれまでの人生だったのではないでしょうか
             お互い もう無理の利かない年代 思い出の中に生きるより
             仕方がありませんね どうぞ これからもお身体に気を付けて下さい
             このブログが何時までも続く事を願っております
              坊がつる讃歌 なんだか元歌の方に心惹かれました
             歌っている方がどんな方か分かりませんが 哀愁を帯びた
             良い歌い方だと思いながら聴いていました 声も良いですね
             以前 フォレスタの歌で聞いた時もこの歌の良さを再認識しましたが         
             その時の感情が蘇りました
              民謡 南部牛追い唄 秋田音頭 わたくしの母が民謡が好きで
             ある流派の名取りになったぐらいです ですから民謡を訪ねてーーNHK番組など
             一緒によく聞きました 
             母はいろいろな大会に出場して数々の優勝トロフィーを持っています
             今もわが家の三段の棚に飾ってあります 
             元NHK会長だった春日由三氏の名前の入った賞状もあります
             ブログにある牛追い歌は原曲ですね 一般的に歌われるのは少し節回しが
             違う所があます これと九州の 刈り干し切り唄
             わたくしの好きな民謡です
              秋田音頭 日劇にミュウジックホールがあった頃
             そこで若いダンサーたちがこの歌を唄った事をふと思い出しました
             若いヌードダンサー達と民謡 そのアンバランスの面白さ
             聴きながら思い出しました
              イノシシよ そこまで遣るか !
             遣り過ぎだぞ 思わず笑いながら拝見しました
             当事者としては笑い事ではないよ と言いたいところですね
             いろいろ楽しく拝見させて戴きました
              有難う御座います




























   

遺す言葉(497) 小説 希望(21) 他 人生の時

2024-05-12 12:00:34 | 小説

             人生の時(2024.5.4日作)


 
 日々 日毎 かつて眼に 耳に 馴染んだ
 あの人 この人の 訃報が報じられる
 今日この頃 自身の島の
 削り取られて行くかの如き 寂しさ 心細さ
 日々 日毎 過ぎて行く時間 人生の時
 眼前に広がり 見えて来るものは
 深い谷間 死の断崖
 今の時を彩る色彩は 最早 無い
 時を彩る色彩は 無い
 それならせめて
 自身の豊かに生きたあの頃 
 若かりし頃の思い出
 懐かしく 彩り豊かだった日々の
 思い出を胸に その
 思い出と共に 日々 日毎
 削り取られて行く 人生の時
 今という時の糧として 今は唯
 思い出の中に生きて行く 
 思い出のみを抱き締め 見詰めて 日々 日毎
 失われて行く色彩の中 この人生の時を染め
 生きて行こう




             ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




              希望(21)





「それはまた、別に相談するよ」
 北川は言った。
 修二はだが、その時には、ふと湧き上がった怒りの感情に対する冷静さを取り戻していた。
「とにかく、俺はそんな事したくないよ。何かあって店に迷惑を掛けたりしたくないから」
 と、きっぱりとした口調で言った。
 頭に浮かんだのはやはりマスターの存在だった。
 日頃、穏やかに暮らしてゆけるのもマスターの心遣いがあるからだーー感謝の思いが修二の心には根強くあった。
 そのマスターに迷惑だけは掛けたくなかった。
 北川は修二の言葉を聞くと、微かな期待が裏切られたかの様に苛立ちを滲ませて荒い口調で言った。
「チェッ、お前(め)えも話しが分かんねえなあ。俺達はクロちゃんがあんな事になったんで、仕返(けえ)しをして遣りてえんだよお。奴等のボスをなんとしてでも痛め付けてやんねえ事には気が収まらねえんだ。お前えにもその気持ちは分かんだろう」
 無論、その気持ちの分からない事は無かった。それでも修二は静かに、
「でも、おれはチームに入ってないし」
 と言った。
「だけっど、クロちゃんは知ってんだろうよ。クロちゃんのお袋さんが可哀そうだと思わねえのか」
 責める様に北川は言った。
 何んで、お袋さんまで持ち出さなければならないんだ、修二はそう思いながらも黙っていた。
「俺達もいろいろ、チームの連中に当たってんだけっど、これはと思う奴等はみんな面(つら)を知られちゃってんだよ。その点、お前えなら面(めん)も割れてねえし、考(かんげ)えて置いて貰いてえんだよ」
 北川は言った。
 その夜はそれで話しは終わった。
 北川が切る前に修二は受話器を置いた。
 あい奴の遣り方は何時も強引だ、と腹を立てていた。
 階段を上がって部屋へ戻ると、風呂へ行くのも面倒臭くなって隅にある布団を引っ張り出して広げた。
 パジャマに着替えると、そのまま布団の上に転がった
 裸雑誌を開いて見る気にもなれないままに天井を見詰めていると、クロちゃんのお袋さんが可哀想だと思わねえか、と言った北川の言葉が思い出された。
 クロさんは病気で痩せ細ったお袋さんの事を思いながら、死んでいったんだろうかーー 。
 口が重く、髪をモヒカン刈りにして一見、近寄り難い感じのクロちゃんだったが、修二の心の中では奇妙に懐かしく思い出された。
 たった二言三言、言葉を交わしただけで、じゃあな、有難う、と言ってオートバイの音と共に夜の中に消えて行ったクロちゃんの姿が郷愁を誘った。
「あのお袋さんはどうしているんだろう・・・」
 修二は口に出して言った。
 誰かが面倒をみているのだろうか ?
 だが、修二が心配しても始まらない事だった。
 自分が生きる事だけで修二には精一杯だった。

 北川は一週間が過ぎても何も言って来なかった。
 女将さんの嫌がらせは相変わらず続いていた。
  それでも以前程、露骨ではなくなった。
 時折り、修二の腕や脇腹をつねったりして修二を驚かせた。
 鈴ちゃんはそれを眼にして笑いを堪え、修二に流し目を送った。
 修二は腹を立てて鈴ちゃんを睨み返した。
 女将さんが再び、修二の部屋を訪ねて来たのは、そうした日々の中での夜の事だった。
「修ちゃん、修ちゃん」
 表通りから呼ぶ声がした。
 修二が女将さんの声だと気付いて二階の窓から顔を出すと、
「開けて入るわよ」
 と女将さんは言った。
「何か用ですか」
 返事をしながら修二は嫌悪感に捉われた。
 何しに来やがったんだ !
 女将さんを受け入れる気持ちは無かった。
 修二が顔を引っ込め、窓を閉めると鎧戸の引き上げられる音がした。
 修二は部屋を出て階段の上に立った。
 女将さんの姿が下に見えた。
 女将さんはすぐに階段を上がって来た。
 この前と同じ様に薄化粧をしていた。
 身体に密着した薄い桜色のセーターを着ていて、黒いタイトスカートを穿いていた。
 胸の隆起がセーターを膨らませているのが修二の視線を戸惑わせた。
 その隆起が嫌がらせと共に自分の身体に押し付けられた時の感触が蘇った。
 女将さんは何かの入ったスーパーマーケットの青いビニール袋を手にしていた。
 階段を上がって来て修二の前に立つと、
「長野県に居るお友達がリンゴを送って来てくれたから、持って来て上げたのよ」
 女将さんは言って、袋の中を見せ、そのまま部屋へ入った。
 日頃の不機嫌さを感じさせない打ち解けた口調だった。
 修二は女将さんの突然の変身に戸惑った。
「何をぼんやり立ってるのよ。これ、四個あるから食べなさい」
 女将さんはまだ廊下に立っていた修二に言って袋を差し出した。
 修二はようやく部屋へ入って戸惑いながら「すいません」と言って受け取った。
「バカ、何をうろうろしてんのよ。もう、あんたなんか口説かないから心配しなくたって大丈夫よ」
 女将さんは笑いながら言った。
 修二は黙ったまま小さく頭を下げた。
「どお ? 何か、一人で困った事は無い。もし、有ったら言いなさい。遣って上げるから」
 部屋の中を見廻しながら女将さんは言った。
「はい」
 修二は短く答えた。
「相変わらず、あんな雑誌を見てるんでしょう」
 女将さんは散らかった雑誌に眼を移しながら、なんとなく媚びを含んだ様な眼差しで修二を見詰めて言った。
 修二は顔を赤くして黙っていた。
「全く、融通が利かないんだから」
 柔らかな甘さを含んだ口調で女将さんは言った。
「心配しなくたって大丈夫なのに」
 修二は改めて女将さんが迫って来る様な気がしてなんとなく身を引いた。
 女将さんはそんな修二に気付いて、
「修ちゃんって、臆病なのね」
 と、笑みを含んだ声で言ったが、その顔がなんとなく引き攣っている様にも見えた。
 修二は黙ったまま俯いていた。
 女将さんはそれで気持ちを切り替えた様に、
「わたしはもう帰るけど、悪戯なんかしていないで早く寝なさい」
 と、言って、何事も無いかの様に部屋を出るとそのまま階段を降りて行った。
 修二は鎧戸の降りる音がして、女将さんが帰ったと知ると猛烈な腹立たしさに捉われた。
 なんとなく、自分が弄ばれている様な気がして来て女将さんへの新たな腹立たしさを覚えた。
「何が、リンゴを持って来てやったなんだ ! クソ婆が」
 怒りに捉われたまま女将さんが持って来たリンゴを袋ごと、傍にあった汚れた紙屑などの入ったごみ箱に投げ込んだ。
 翌日、女将さんは人が変わった様に修二に優しかった。
「おはよう、修ちゃん」
 と言った挨拶の言葉にも棘は無くて柔らかかった。
 修二はだが、そんな女将さんの変身にまた、嫌な思いを抱いて気持ちが落ち着かなかった。
 鈴ちゃんは女将さんの変身には逸早く気付いていた。
「この頃、女将さん随分、修ちゃんに優しいね」
 と、数日後にはからかい半分の冗談を言った。
「知らないよ、そんな事」
 修二はムキになって言い返した。
「女将さんと出来たの  ?」
「知らないってば ! 煩いな」
 修二は言った。
「そうやって怒るところを見ると、かえって怪しいわよ」 
 鈴ちゃんは相変わらずからかい半分で言った。
「チェッ、何んにもある訳ないだろう.色気違い !」 
 修二は捨て台詞を残して鈴ちゃんの傍を離れた。

 修二の予感は的中した。
 女将さんは何かに付け、頻繁に修二の生活に係わって来た。
 頻りに果物や菓子などを差し入れてくれた。
 時には下着のシャツなどを買って来てくれたりした。
 修二に掛ける声からも以前のとげとげしさが無くなっていた。
 修二は必然的に鈴ちゃんの眼を気にしないではいられなかった。
 なんと言って揶揄われるか分からない。
 自分にその気が無いのに揶揄われるのは割に合わない気がした。
 修二には、一日の内に自分一人で気ままに過ごせる夜の時間さえあればそれで良かった。
 生身の女など必要なかった。
 人間の持つ煩わしさだけが修二には思われた。
 雑誌に見る裸の女達は何時も修二に優しかった。
 修二が見詰めれば何時も優しい微笑みを返してくれた。
 彼女達が修二の心を傷付ける事はなかった。
 修二を蔑み、嘲(あざけ)り笑う者もなかった。
 夜毎、修二は好みの女達と心のままに遊ぶ事が出来た。
 時として修二は、あまりに執拗に思える女将さんの親切に、「いい加減にしてくれ !」と叫びたくなる事もあった。
 それでもさすがにその言葉は口に出来ずに、不満の表情だけが顔に現れたりした。すると女将さんは、
「何よ、人がせっかく親切にして遣っているのに、少しも嬉しくないみたいね」
 と腹立たし気に言った。
 修二に取ってはだが、女将さんのその親切が迷惑だった。
 第一に鈴ちゃんの眼が気になったし、自ずとマスターの眼も意識せずにはいられなかった。
 マスターは依然として、修二が此処に来た時のままに親切で優しかった。
 それでも鈴ちゃんの眼に付く事が、マスターの眼に届かないはずが無いと思うと気持ちは休まらなかった。
 何時だったか、鈴ちゃんが言った様にマスターはやっぱり身体が駄目で、それで女将さんの行動を知っていても、眼をつつぶっているのだろうか、と思ったりした。


            六


 クロちゃんの四十九日の翌日、北川が久し振りに<味楽亭>に顔を見せた。





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               takeziisan様



                有難う御座います
               チングルマ 羽毛状 初めて見ました
               紅葉も美しい チガヤは懐かしいですね
                カロライナジャスミン 初めて知りました
               花付きの様子がハゴロモジャスミンと同じです
               その白い花も今では茶色に・・・中に残る数少ない花が
               それでも未だに強い香りを放っています
               また一つの季節が過ぎた そんな感覚です
                栴檀の花は子供の頃を蘇らせてくれます
               門の所の二本の栴檀がいっぱいに花を付け
               実を稔らせた事を思い出します
               冬になるとシギが来て甲高い声で鳴きながら
               黄色くなった実を啄んでいました 懐かしい思い出です
                キジ 来ましたね なんだかこれも奇妙に懐かしい気持ちで拝見しました
               美しい鳥です 国鳥ですよね 訳もなく不思議に誇らしい気分になります
               やはり その美しさのせいでしょうか
                蕗 我が家でも収穫 手間を掛けて煮ました
               昨年も 書いたと思いますが わたくしはこの葉が好きです ちょっと苦みがあって               
               みんなは嫌いますが
               タマネギ 小松菜 今年は高い ! 全般に野菜が高いです
               大腸ガン経験者として日頃 多くの野菜を採るようにしていますので
               二倍にも近い値上がりは年金生活者には思わぬ負担です
               それなりの労力を必要とするとはいえ 気ままに新鮮な作物を収穫出来る
               生活を羨ましく思います
                今回も美しい花々 春爛漫の気分です
               有難う御座いました        





遺す言葉(496) 小説 希望(20) 他 惑わされるな

2024-05-05 11:47:35 | 小説
             惑わされる(2024.4.29日作)


 虚名に惑わされるな
 この人間社会 人の世は 日々
 名も知れない隠れた場所でそれぞれが
 それぞれの道に於いて 地道に 真摯な作業を続け
 より良いもの 今より更に良いもの と
 たゆまぬ努力を続けている 平生
 人の眼に触れる事の無い場所で生きる人々の
 たゆまぬ努力によって 形成 形造られている
 農業 漁業 林業 工業 商業 運輸 建設 事務
 あの職業 この職種 そこに携わる名も知れぬ
 数多くの人々 その人達が積み上げ 積み重ね
 築いて来た人間社会 日常 この世界
 日頃 ペラペラ ペラペラ 自慢気に喋る事は無い
 寡黙 質実 堅固 揺らぎのない人々
 虚名に惑わされるな お喋り好きな人間達
 如何にも物知り顔 得々としてこの世を語り 社会を語り
 世界を展望して見せる物知り顔の知識人 ? 
 言葉だけの人間達 実行力の伴わない顔を売るだけ
 そんな人間達の 虚名に惑わされるな
 その者達への過大な評価 価値付けで 人の道
 真の 人としての道を歩む 日々 日頃 人の眼に触れる事の無い 
 隠れた場所で 自身の道を真摯に生きる その人達の
 立派な姿 尊い姿を見誤り 見落とすな
 人の価値 人の値打ちは 著名 無名 それだけでは計れない
 実行力 実践力 その人 一人が何を為し 何を成し得たか
 人の値打ち 人の価値は総て そこに集約される




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               希望(20)



 

 修二はその依頼まで断る事が出来なくて、すぐに押し入れに行って鞄からナイフを取り出した。 
 ずしりとした重みが久し振りに見るナイフに手応えを与えた。
 マスターの店で働くのと共に忘れていた感触だった。
 穏やかな満ち足りた日常の中では必要とする事の無いものだった。
 それが無くても済む日が続いていた。
 母親が来た時も、高木ナナに裏切られた時も、怒りや苦悩、哀しみに捉われる事はあっても、日常の生活がそれで脅かされる事は無かった。ナイフに必要性を感じる事も無かったのだ。
 北川は修二が手にしたナイフを受け取ると得意気に、掌の上で二、三度小さく弾ませた。
「いいナイフだろう」
 さも自慢気に自分の持ち物でもあるかの様に仲間達に言った。
「格好良いナイフだなあ !」
 小柄な男が言った。
「飛び出しなんだ」
 北川はボタンを押した。
 小さく鋭い、乾いた音を立てて瞬時に刃(やいば)が飛び出した。
「おう、凄えや !」
 男達の誰もが言った。
「これを借りていって、俺達で遣るか ?」
 北川が言った。
「いや、俺達じゃ拙いよ。面(めん)が割れちゃってるから」
 頬に傷のある男が否定的な面持ちと共に言った。
「扮装して行くんだよ」
 北川が言った。
「いやぁ・・・・」
 頬に傷のある男は気乗りのしない様子で言った。
「誰か、面の割れてねえ下っ端に遣らせたらどうだ ?」
 頭を丸刈りにした瘦せ型の男が言った。
「腹の座った奴が居ればいいけどなあ」
 北川が言った。
「一人ぐれえは居っだろう」
 丸刈りの男が言った。
「どうかなあ」
 鳥越が言った。
「口の堅え奴じゃねえと拙いよ。ペラペラ喋られたんじゃあ、目も当てられねえかんなあ」
 小柄な男が言った。
「そうだよ」
 鳥越が言った。
 修二は黙って聞いていた。
 自分には一切関係ない、他人事に思えた。
 ナイフの刃を収めると北川は修二にナイフを返した。
 男達はそれから一時間程、あれこれ話し合って結論の出ないままに帰って行った。
 北川は帰り際、修二の肩に手を置いて、
「な、修二、考えておいてくれよ。お前(め)えなら度胸も据わってるし、動きも速えからよう」
 と、如何にも親し気にまた言った。
 修二は返事をしなかった。
 男達が帰った後、修二は畳の上に寝転がった。
 頭の下に両手を組んで天井を見詰めたまま、
「チェッ、バカにしてやがる。人をなんだと思ってやがんだ  ! 手めえ達の道具じゃねえや」
 腹立たしさと共に声に出して言っていた。
  一日のうちの最も大切な自分一人の時間を台無しにされた事への怒りと共に、その依頼の話しにもならない愚劣さにも怒っていた。
 店の電話が鳴ったのは翌々日の夜だった。
 階段を駆け下りて行って受話器を取ると北川だった。
「どうだい、考えておいてくれたか」
 北川は馴れ馴れしい口調で穏やかに言った。
 修二は北川だと分かると途端に腹立たしさに捉われた。
 うっせえ 野郎だ !
 思わず口の中で呟いていた。
 それでも、極力、感情を抑えた声で、
「いや、駄目だよ。考えるも考えないも無いよ。そんな事、俺、出来ないよ」
 と、きっぱりと言った。
 北川は再び、修二を諭す様に、
「大丈夫たよ。お前えには一切、迷惑は掛けねえから。この前えも言った様に段取りは俺達がやっからさあ」
 と言った。
「でも、駄目だよ。もしもの事があって、店に迷惑を掛けてもいけなから」
 修二は言った。
 咄嗟に思い付いた本音だった。
 その思いと共にそのまま電話を切ってしまいたかった。
 北川はその前に言った。
「俺達も他の人間に当たってんだけっど、やっぱり、根性のあるいい奴がいねえんだよ。そっで、お前えに頼みてえんだ」
「俺だって、根性なんか無いよ」
 反発心と共に修二は言った。
「そんな事ねえってば ! 俺は<金正>の店先でちゃんと見てんだから」
 北川は言った
 北川が唯一の自分の弱点にに踏み込んで来た、と修二は思って一層の腹立たしさに捉われた。
 同時にもし、あの時の事を警察に喋られたら、と考えると焦りも覚えた。
 <金正>の店の者には顔も見られている・・・・・
 新たな恐怖が修二の胸の中を走り抜けた。
「今更、お前えがナイフをかっ払ったなんて警察に垂れ込む心算りはねえけっど、もう一回よく考げえてみてくれよ。この前(めえ)言った様に礼はすっからさあ」
 北川は言った。
 北川が最後の切り札を出して来た、という思いと共に修二は、湧き上がる怒りのままに強い口調で言っていた。
「じゃあ、幾らくれる ?」
 北川の小ずるい遣り方に対する反発の思いがあった。




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               桂蓮様


               久し振りの御作品 何か懐かしい思いで拝見しました
              お身体の不調 無理をなさいません様にして下さい
               笑顔 面白いですね 笑顔の綺麗な人 醜い人
              笑顔の美醜はその人の持って生まれた天性のものだという気がします
              テレビ等でも笑顔の美しいアナウンサー そうでないアナウンサー
              様々です
              作った笑顔は見ていても何か 人に媚びて居るに様に見えて来て下品な感じです
              気持ちの良いものではありません
              美しい笑顔 矢張りその人の人柄 人格が表れるのではないでしょうか
               前回戴いたコメント 失礼だ とは思っていません
              唯 わたくしはこのブログに発表する文章は自分自身の思考の跡を記録して置きたい
              という思いでのみ書いているもので 他人様を教育 説教しようなどという気持ちは
              全くありません その為 週一回の発表に於いても
              スタッフの方々にお手を煩わせる事をお願いしても          
              お眼をお通し戴く方々への配慮は全くしていません
              故に退屈な文章になるとは思いますがお読み戴く方々を意識する事はありません
              そんな中 何時もお眼をお通し戴く事に感謝申し上げます
               お二人でランチ 小さな公園と流れ なんと素敵な風景ではないですか
              お幸せそうな御様子が眼に浮かびます どうぞ これからも良い人生の時を
              お過ごし下さい こちらは今 春本番真っ盛り花々の一番美しい季節です
              一年の中でも最も至福に満ちた季節だと思います
               退屈な物語 お読み戴き有難う御座います
              今回は短編(ショートストーリー)ではなく 長編(ノベル)になると思います
              完結までには少し時間が掛かる予定です
               コメント 有難う御座いました
              何時も有難う御座います



      

               takeziisan様


                溢れる花の季節 少し歩けばあちこちに咲き誇る
               様々な花 ブログ画面で拝見する様々な花を見ていると 
               それが現実でもあるかのように身に迫って来ます         
               折りしもハゴロモジャスミンが茶色の色彩を
               濃くしながらも最後の強烈な香りを家中いっぱいに満たしている中
               画面上の鮮やかな花々を拝見していますと それが匂っているかの様な錯覚に捉われます
               何時も楽しく拝見しております
                ニッコウキスゲー―禅庭花 初めて知りました
               尾瀬沼のニッコウキスゲ 一度は身を置いてみたいと思う風景ですが
               多分 もう行く機会は無いでしょう お子様との思い出
               いい思い出ですね
                垂れ下がった鯉のぼり 揺れる事もなく これはこれでまた可笑しく 面白く
               見事な風景ですね
                登山 今朝のニュースで遭難者の多い事を報じていました
               こういう所で足を滑らすのかなあ と思いながら画面を拝見していました
                イノシシとの奮戦記 失礼ですがイノシシにも頑張れ と
                声援を送りたい気持ちになります
                短いながら楽しい記事です
                何時も笑いと共に拝見しています
                それにしても土の状態が良くないですね
                こちらで眼にする畑の土の状態とは段違いに見えます
                この地方は恵まれているのかなあ などと思ったりしています
                 何時も楽しい記事 有難う御座います
                詰まらない文章にお眼をお通し戴く事と共に 御礼申し上げます