遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉 103 メダカはメダカ

2016-06-26 15:48:46 | 日記

          メダカはメダカ(2012.5.29日作)

 

   膨大な費用を湯水のように使い

   膨大な人員を抱え込み

   膨大な時を費やして

   何事も決める事の出来ない

   政治

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   国家による公正な制度の下

   国民 一人一人から選ばれ

   国政の場へと

   送り出された 者たち

   -----

   この国の行く末を思い

   今現在 この時を生きる この国の

   国民 一人一人の安寧 安泰を心に

   公僕の頂に立つ者として 範の道を歩み

   この国の形を 最良に形造るべき

   責務を負う者たち その彼等を

   今 この国で 選良と呼ぶ事は

   可能なのか?

   -----

   泥田の中で互いに

   足を引っ張り合い 

   泥にまみれた身を 臆面もなく

   国民一人一人の前にさらしながら

   自身こそは 正道を歩む賢者 と

   信じて疑わない 厚顔無恥愚鈍

   自身を映す鏡など 

   薄紙一枚分も持ち合わせず

   自身の非を顧みる 謙虚さなど

   朝露の一滴ほどにも 心に宿さず

   ひたすら

   泥田の中を泳ぎ 跳ね廻る

   メダカたち

   彼等 一人一人 各々

   自身は 鯉魚(りぎょ) と

   気取ってみても 

   メダカの群れにいる限り

   メダカはメダカ メダカである事に

   変わりはない

   鯉魚は滝を登ってゆく

   


遺す言葉 102 落ちた権力者 

2016-06-19 15:36:52 | 日記

          落ちた権力者(2011.2.8日作)

 

   あらゆる組織 その組織の中で一度

   頂点を極め 権力の座に就いた者たち

   その権力の座に なにがあれ程までに

   彼等をしがみつかせ 拘泥させているのだろう

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   彼等 自身が引き起こした

   悪徳 背信行為 失策などで糾弾され 非難され

   窮地に立たされて 悪評ふんぷん 信用ゼロとなり

   もはや 権威の失墜 権力の維持回復も

   困難と分かっていながら それでもなお 

   その座にしがみつき 執着する者たち

   その醜い姿 

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   そんな彼等が決まって口にするのが

   国家 国民 社会のため・・・・・

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   彼等に於いては 国家 国民 社会のためは

   自己保身と同一語 身を守るための兜

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   もし 真実 彼等が

   国家 国民 社会に思いを馳せるのなら なに故に

   自身に関わる不透明 不明瞭な事象

   その解明に努力せず

   国の秩序を混乱させ 社会の風紀を乱して

   上を下への大騒動を 人々の間に巻き起こしながら

   なお 権力の座にしがみついているのか

   -----

   もし 彼等が真実 国家 国民 社会のためを思うのなら

   即刻 今いる場所から身を引いて 新たな身となって 改めて

   自身の潔白 その証明のための闘いを戦うべきなのだ

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   その結果 勝利が彼等に微笑む時には

   再び 彼等には晴れの舞台 権力の座が約束されるだろう

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   自身の身の潔白 その証明のための闘いをも戦わず

   なお 権力の座にしがみつき 不透明 不明瞭な事象をそのままに

   国家 国民 社会を混乱の渦に巻き込んで ただ 頑強に

   自身の保身を叫ぶだけ そんな者たちには既に その時点で

   権力の座 人の世界の頂点に立つ者としての資格はない というものだ

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   それにしても いったい なにがあれ程までに彼等を

   権力の座にしがみつかせているのだろう

   そこには そこにいる者のみが知る

   優越感 陶酔境 甘い蜜 が あるのだろうか

   その快感を手放す事への未練が

   あれ程までに彼等を その座にしがみつかせ

   拘泥させているのだろうか それとも

   失われた権力 その無力さ 無冠では もはや

   なにものも自身を守ってくれない事を知っていて

   その恐怖が 彼等を縛っているのだろうか あるいはまた

   誰にも祭り上げられる事がなくなって

   眼の前に立ち塞がる孤独の影

   その孤影が彼等の心の奥で

   彼等を脅かしてでもいるのだろうか

   -----

   いずれにしても もはや失われた権威 その下で

   なお 必死に権力の座にしがみつき 拘泥する姿には

   愚かで惨め 哀れな道化師 の 姿 が透けて見えて来るだけだ

   

 

   

   

   


遺す言葉 101 価値 ・ 形

2016-06-12 14:48:23 | 日記

          価値(2015.2.28日作)

 

   山 高いがゆえに

   尊い とは限らない

   泥沼 低いがゆえに

   卑賎 とは限らない

   高いがゆえに

   不毛の山あり

   低い中にも

   蓮華を咲かせる

   沼地もある

   人の世も また 同じ

   立つ位置 場所で

   人は計れない

   国家国民 人々を

   苦難苦境に追い込み

   破滅に導く元首

   数知れず

   見えずとも  人に寄り添い

   心を暖め 育む 世俗の人 

   数知れない

   この世で最大 尊ぶべきもの

   人の命 人の心

   命に寄り添い

   心に寄り添う人こそ

   この世で 最も

   高き地に立つ人 

   貴(たっと)き人

 

 

          形(2015.2.28日作)

 

   形はない

   それでもある

   心

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   形はある

   それでもない

   虚栄心

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   形があって形がない

   人

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   個は千差万別

   


遺す言葉 100 映画「晩春」と「秋刀魚の味」

2016-06-05 14:27:49 | 日記

          映画「晩春」と「秋刀魚の味」(2016.5.28日作)

             「原節子さん 死去に伴い再見した

               小津作品に寄せる感想」

                                                                            

               

 

   映画「晩春」と「秋刀魚の味」

   共に 母親のいない娘を嫁がせる

   初老の男性の物語

  「晩春」 昭和二十四年(1949)作

  「秋刀魚の味」 昭和三十七年(1962)作

   全く似たような つくりの作品

   小津安二郎監督作品共通の 市井の

   日常を生きる人々のスケッチ 描写

   格別の波瀾 展開はない

  「秋刀魚の味」の「晩春」の 二番煎じ

   とも取れる

   物語の展開 趣 なぜ

   小津監督は

   この作品を撮ったのか?

   創造力の衰え? 老監督の繰り言?

   かつて 黒澤明 溝口健二 木下恵介 今井正 衣笠貞之助 等々

   名だたる名匠 巨匠 名監督たちが

   豪華絢爛 華麗な作品群を連発していた時期

   小津監督は 

  「豆腐屋には豆腐しかつくれない」

   自身の制作姿勢を 変える事なく

   時代遅れ とも取られかねない作品を

   撮り続けた

   時代は移り 今日現在 平成二十八年 2016年

   かつての名匠 巨匠たちが ことごとく 世を去り

   時の流れ 過ぎ逝く時間は 過去 という

   時の中 その時々の世情が生み出した 塵 芥 を

   払い落とし 洗い流して 物事

   事象の本質 その核心 を 今 という

   時の中に 浮き彫りにする 時代の中

   時の流れの中では 見えかねたものたちが 今

   時の経過 に 濾過され 浄化されて

   真の姿を 見せて来る

   映画「晩春」と「秋刀魚の味」

   根底に流れるものは 

   小津作品に通底する

   基本の姿勢 その根源は

   日本というこの国が持つ 型

   日本人という この国に根を持つ 人々

   その国 その人々の本質 特性

   その姿 たたずまい を 描き切る

   似たような話の展開 似たような人の動き

   日々 日常を生きる人の姿 形は

   変わらずとも 移り逝く時の中 人の

   心模様 世間 世情 は 過去と今

   現在と過去 微妙な変化 差異 を

   刻んでゆく 似たような話の展開

   似たような人の動き たたずまい

   それゆえにこそ 映し出される

   鮮明な 時代の変化 人の

   心模様の かすかな ゆらぎ

   映画「秋刀魚の味」で 小津監督が

   描きたかったもの 多分

   時代の変化 時の流れ

   その変化 流れがもたらす

   人の心 世の中 世情 社会 の  

   微妙な うつろい で

   あったに違いない 名作「晩春」を さかのぼり

   逆照射 する事により より鮮明 より強力 に 

   その主題が 映し出される映画 「秋刀魚の味」 

   娘を嫁がせた 後に 抱く 初老の男性 父親の

   責務を果たし得た 満足感 安堵感

   その中に漂う もはや

   この家に娘の姿のない 一抹の寂しさ 寂寥感

   その感覚こそが 真諦 

   ほろ苦い サンマの味 であったに違いない

   昭和三十年代制作「秋刀魚の味」

   昭和二十年代制作「晩春」

   全く同じつくりの作品二つ でありながら

  「秋刀魚の味」は 断じて 名作

  「晩春」の 二番煎じ などでは 

   あり得ない 「晩春」を 確かな形で継ぐ

   作品なのだ