遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉 56 一番美しい人

2015-07-26 15:08:31 | 日記
          一番美しい人(2013.4.7日作)


   なんの変哲もないところで

   なんの変哲もない日々を送る

   誰に評価されるでもなく

   誰に称賛される訳でもない

   声高に自己を主張する事もなく

   一人の父として

   一人の母として

   一人の人間として

   誠実に自分の務めを果たし

   この世を生きる

   その死後は家族の者

   二 三の友人

   あるいは近所の親しい人たちに

   記憶されるだけで

   それも時の経過の中で

   次第に忘れ去られてゆき

   やがては 人々の記憶の中からも消え失せ

   残された何枚かの写真の中にのみ

   その面影を残し

   古びた墓地の苔むした墓石と

   一家の系図の中に名をとどめるだけの存在となり

   それでも確実にある時代のある時期

   社会の一員として 立派にこの世を生きた人たち

   特出した才能 名声 あるいは

   他を抜きん出た業績などとも無縁に

   生涯を終わる

   そんな人たちの無言の力によって

   この世界は支えられているのであり

   そんな人たちの真摯に生きる姿こそが

   この世では一番美しい

   

遺す言葉 55 粋(すい)と不粋 浅田真央選手とと森元総理

2015-07-20 15:05:15 | 日記
          粋と不粋 浅田真央選手と森元総理(2014.3.1日作) 
 


   浅田真央選手は

   森元総理の常識を欠いた言葉に 冷静に

   ユーモアで答えた

  「森さんも 今 後悔していると思います」

   この言葉への感想を問われた

   元総理は

  「孫に叱られたが 後悔はしていませんよ」

   と答えた

   ムキになっているとも取れる この答え

   どちらが大人の態度で 

   どちらが子供か?

   片方のそこはかとないユーモア

   片や大の大人の 大人気ない

   心の貧しさ 感情の乏しさ

   この時なぜ

  「真央ちゃん 真央ちゃんの言葉どうり

   後悔していますよ」

   と ユーモアを返せなかったのか?

   粋と不粋

   人間の格 大きさ 卑小 が

   自ずと滲み出る 応答

   言葉の遣り取り

   言葉は人格を表す

   -----

   二千十四年二月 ロシア ソチ冬季オリンピック大会

   フィギュア国別団体戦に於ける浅田真央選手の

   不本意な競技結果への森元総理の言葉

  「あの子は肝心な時には必ず転ぶんだから」

   

      





   

                  

遺す言葉 54 生きる意味

2015-07-12 16:06:07 | 日記
          生きる意味(2013.9.2日作)



   人が生きる事に

   意味があるか だって?

   意味などない

   生きる事に意味などあったら 人は

   息苦しくて 生きてはゆけない

   生きる事に意味がないから 人は心が

   解き放され

   純粋無垢に 自身の

   夢を追い 自身の

   心を生きられる

   ごり押し 押し付けられた人生

   押し付けられた

   生きる意味など

   真っ平だ

   

遺す言葉 53 イラク戦争

2015-07-05 15:01:40 | 日記
          イラク戦争(2005.8.25日作) 



   もし 時が時なら

   彼等はサッカー場やオリンピックスタジアムで

   競技に熱中し 覇を競い合い 互いの健闘を祝福し合って

   握手を交わしていたかも知れない

   -----

   だが 二千四年の現在 

   彼等は砂漠のような国土を持つ国で 相まみえ 血を流し

   命を奪い合っている

   -----

   彼等はなぜ そうしなければならないのか?

   自ら望んでその場にいるのか?

   -----

   そうではあるまい 

   彼等を支配し 繰る者達がいるのだ

   神だの 国家だのを持ち出し 

   自分達こそが正義だとわめきながら

   人の命の失われる事も厭わない

   人間達がいるのだ

   -----

   一人の人間の命は全宇宙を包含する

   人が存在しなければ世界はない

   世界は認識の中にのみ存在する

   認識する主体が失われた時

   世界は無に帰す 空になる

   -----

   神だの国家だのを持ち出す前に

   まず 尊ばれなければならないのは

   認識する主体としての人間 人の命だ

   命がなければ何事も始まらない

   人の命に代え得るものは何もない

   -----

   一度失われた命の二度と戻る事はない

   戻る事のない命の尊さを知らない者達は愚かだ