田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

健さんに続いて今度は文太が…

2014-12-01 20:06:40 | 映画いろいろ

 奇しくもというべきか、健さんの後を追うようにして菅原文太が亡くなった。相前後して東映任侠路線を支えた二人だが、その役柄と個性は対照的だ。

 ストイックで寡黙な様式のヒーローを演じ続けた健さん。片や文太は、ぎらぎらした欲望をむき出しにするアウトローとして実録路線で活躍した。健さんはクールだが文太は熱かった。健さんが60年代のヒーローならば、遅れてきた文太は70年代のヒーローだともいえるだろう。ファンは、畏敬の念を込めて健さんと呼び、親しみを込めて文太と呼んだ。

 彼にはすご味に加えてどこかコミカルなところもあった。深作欣二監督の『仁義なき戦い』シリーズの広能昌三、鈴木則文監督の『トラック野郎』シリーズの星桃次郎、岡本喜八監督の『ダイナマイトどんどん』(78)の遠賀川の加助、などはそうした個性を生かした彼にしか演じられないキャラクターだ。長谷川和彦監督『太陽を盗んだ男』(79)の不死身の刑事役、加藤泰監督の遺作『炎のごとく』(81)の会津の小鉄も印象深い。

 我が“ベスト文太”はもちろん広能昌三だが、それに勝るとも劣らないのが、山田太一脚本のNHK大河ドラマ「獅子の時代」(80)で演じた元会津藩士のアウトロー平沼銑次だ。
最終回のオープニングはこちら↓
http://www.youtube.com/watch?v=0VFVwiHCt_Q

 後年は市川崑監督の数本の映画で演技派としての実力も見せた。中でも『映画女優』(87)では溝口ならぬ“溝内”健二監督を演じ、田中絹代役の吉永小百合とすさまじい演技合戦を繰り広げた。

 テレビドラマ「傷だらけの天使」でショーケン演じる小暮修が、一人息子のことを「健太っていうんだけどさ、高倉健の健と菅原文太の太から付けたんだ」とうれしそうに語るセリフも懐かしい。

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【ほぼ週刊映画コラム】『フューリー』

2014-12-01 18:23:59 | ほぼ週刊映画コラム
TV fan Webに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

戦争の無意味さや無慈悲、残酷をリアルに描いた
『フューリー』



名台詞は↓

「理想は平和だが歴史は残酷だ」
byコリアー軍曹(ブラッド・ピット)

詳細はこちら↓

http://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/980493
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佐原 『うなぎ』『伊能忠敬-子午線の夢』

2014-12-01 10:49:24 | 雄二旅日記

 千葉の香取神宮に参拝し、最寄りの佐原を散策。

 

 水路と古い町並みが残るこの地は、ドラマや旅番組、CMのロケ地としても重宝されている。

 映画では今村昌平監督、役所広司主演の『うなぎ』(97)のロケ地として有名。だからというわけでもないが、名物のうなぎを頂く。美味なり。

 

 佐原は江戸時代に日本地図を作製した伊能忠敬が、前半生の商人時代を過ごした地でもある。その偉業を顧みる記念館もなかなか良くできていた。

 伊能の生涯は加藤剛主演で『伊能忠敬-子午線の夢』(01)として映画化されている。

 以前NHKで橋爪功主演でドラマ化された、井上ひさし原作の『四千万歩の男』(全5巻)の読破に挑戦してみるかな。

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