田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

「黒田、わしゃぁおまえだけが頼りじゃ」

2014-12-27 18:28:57 | 映画いろいろ

 ニューヨーク・ヤンキースからフリーエージェントとなっていた黒田博樹投手が広島カープに復帰のニュースには驚いた。一部では19~21億円ともいわれるメジャー球団からの巨額のオファーを断っての復帰劇に、義理と人情の任侠映画を見ているような気分にさせられ、胸が熱くなった。



 『仁義なき戦い』で、山守親分(金子信雄)が子分の広能昌三(菅原文太)に「昌三、わしゃぁおまえだけが頼りじゃ」と言ったように、カープ側も黒田に「黒田、わしゃぁおまえだけが頼りじゃ」なんて言ったのだろうか。それを受けた黒田もすごいが…。

 文太主演の大河ドラマ「獅子の時代」の挿入歌「OUR HISTORY AGAIN ―時の彼方に―」の歌詞が黒田にピッタリ合う。

 金が仇の世の中で 夢を追い駆けていく奴がいる。夜毎に酔いどれて 路地裏で眠っても 胸に赤いバラ そんな感じさ。十五で世の中を分かっちまったよな 奴らから見れば 馬鹿げた話さ。日々の暮らしは 晴れた日ばかりじゃないが 明日が雲間に見え隠れ あ~繰り返す 時を 見逃すな 熱く 燃えて生きる アワー・ヒストリー・アゲイン

ここで聴ける↓
https://www.youtube.com/watch?v=S5BNxEyJMDI

 「野球はビジネスが全てじゃない。だから楽しむんだ」という『ミリオンダラー・アーム』のセリフを思い出した。

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【ほぼ週刊映画コラム】2014年映画ベストテン

2014-12-27 18:27:03 | ほぼ週刊映画コラム
TV fan Webに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

『2014年映画ベストテン』


ベストワンは

『ジャージー・ボーイズ』と『小さいおうち』

詳細はこちら↓

http://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/983274
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「正真正銘の“美女”が観たい」『地上より永遠に』『王様と私』『お茶と同情』

2014-12-27 18:21:45 | 名画と野球のコラボ

名画投球術 No.14(現状最終回)いい女シリーズ4「正真正銘の“美女”が観たい」デボラ・カー



 「いい女シリーズ」第4回は“正真正銘の美女”デボラ・カー。

 “ハリウッド・ビューティー”という形容詞があるが、古くはスウェーデン出身のグレタ・ガルボ、イングリッド・バーグマン、ドイツのマレーネ・ディートリッヒといった具合に、実はアメリカ映画を代表する伝説の女優たちは外国出身者が圧倒的に多い。これは良くも悪くも世界中の才能を取り込んでしまう、移民の国アメリカが持つ特質の一端だろう。

 今回紹介するデボラ・カーもイギリス出身。筆者はもちろんリアルタイムでは知るべくもないが、後年、テレビで彼女の映画を後追いで観るたびに、その美貌に見とれた憶えがある。今や死語となった“正統派=正真正銘の美女”がここにいる。

ルール違反のラフプレー 『地上より永遠に(1953・米)』



 真珠湾攻撃直前のハワイの兵舎を舞台に、軍隊内の対立関係、不倫などさまざまな問題を提起しながら、軍隊機構の持つ矛盾や非人間性を暴露した問題作。製作当時、アメリカを揺るがせていた赤狩りに対する、フレッド・ジンネマン監督らの怒りが込められている。

 この映画が描いた軍隊の矛盾もさることながら、当時は不倫描写もまたタブーだった。そんな中、デボラが演じたのは夫の部下と不倫関係にある人妻役。特に相手役のバート・ランカスターと演じた、水着で波に包まれながらの激しいいラブシーンは、後には『フライング・ハイ』(1980)などのパロディー映画のネタになったほどの名場面。不倫など想像もさせない彼女が許されぬ愛に燃える姿は、男心を微妙に刺激する。二人は後に『さすらいの大空』(1969)でも激しいラブシーンを演じている。

なぜか無冠の帝(女)王 『王様と私(1956・米)』



 19世紀、シャム王国(タイ)にイギリスから赴任した女性家庭教師アンナ(デボラ)と、王(ユル・ブリンナー)の交流を描きながら、東洋と西洋の違いを浮き彫りに。「シャル・ウイ・ダンス」を始め、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタインJr.による楽曲が素晴らしいミュージカル大作。

 家庭教師役とは、まさに知的、気品、クールという形容詞がピッタリのデボラにとってはハマリ役。豪華なドレスに身を包み、相手役のブリンナーと踊る彼女はまさにエレガント! 先の『地上より永遠に』とは一転した清楚な姿は、女性の多面性を示すとともに、彼女の演技力の確かさも知らせてくれる。だが本作も含め6度もノミネートされながら、ついに彼女がアカデミー賞を受けることはなかった。後年、アカデミー協会は彼女に特別賞を授与したが、それはまた別の話だ。

新人を手ほどき 『お茶と同情(1956・米)』



 舞台はニューイングランドの男子大学寮。同性愛の噂を立てられ“シスターボーイ”と呼ばれるナイーブな青年トム(ジョン・カー)。そして彼をかばう舎監の美しい妻ローラ(デボラ)。二人の淡い恋をリリカルに綴った舞台劇の映画化。

 現在のように過激なラブシーンがあるわけではない。どちらかと言えばこの映画は心理劇に類するであろう。だがリアルタイムで観た先輩諸氏の感想を読むと、ローラのトムへの同情がやがて愛情に変化していく様を結構ドキドキしながら観ていたという。そういう意味では今も飽きずに作られている、年上の女性が施す“恋の手ほどき映画”のルーツと言うべきか。成熟したデボラが美しい一編。

 というコメントを最後にサイトの閉鎖とともにこのコラムも打ち切りとなった。およそ1年、思えば楽しい仕事だったなあとあらためて思う。いつか再開できたらいいね。編集担当だったK君とYさんそして途中からイラストを書いてくれたOさん。

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