和歌山県の田辺市で行われた、第10回「田辺・弁慶映画祭」に映検審査員として6年ぶりに参加した。
コンペ作品のラインアップは
初日
『林こずえの業(わざ)』監督:蔦哲一朗
新米林業作業員の1日を描いたフェイクドキュメンタリー。
ピアノ調律師が巻き込まれた連続無差別暴行事件の闇を描く。
『ゆきおんなの夏』監督:亀山睦実
真冬の東京で、ゆきおんなが人間に恋をした…。初恋ファンタジー。
『私は渦の底から』監督:野本梢
親友への気持ちを伝えられずに悩むレズビアンの女性の心理を中心に描く恋愛劇。
2日目
高校時代の恋人の転落死を追う記者を主人公にした不条理劇。
『トータスの旅』監督:永山正史
主人公親子と兄とその恋人、そして亀による、はちゃめちゃなロードムービー。
『UNDER M∀D GROUND』監督:松尾豪
架空の街、時代で巻き起こるロマンスあり、アクションありの西部劇。
『空(カラ)の味』監督:塚田万理奈監督
摂食障害に悩む女子高生がある女性との出会いによって解放されていく姿を描く。
3日目・審査
『私は渦の底から』を推したが、グランプリ、映検審査員賞、市民賞はいずれも『空(カラ)の味』に。木村知貴(『トータスの旅』)と堀春菜(『空(カラ)の味』)の主演男女賞は納得。個人的に最も楽しんだのは『UNDER M∀D GROUND』だった。とは言え、それぞれが個性的で映画らしく仕上がっており、6年前のコンペ作品とは雲泥の差を感じた。ここまで映画祭を継続、発展させた関係者の努力に敬意を表する。
第10回記念映画『ポエトリーエンジェル』(飯塚俊光監督)も加えて計9本。久しぶりに映画漬けの3日間を堪能した。
後日、審査員仲間が編集したファンブックに、『UNDER M∀D GROUND』について書かせていただいた。
「田辺・弁慶映画祭」の公式サイトは↓
http://www.tbff.jp/