ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本対チェコ戦は見ていて実に面白かった。何しろ、160キロ越えの佐々木朗希と120キロそこそこのオンドジェイ・サトリアが投げ合い、どちらも好投を見せたからだ。もちろん、球速は速いに越したことはないが、たとえ速くなくてもバッターを抑えることはできるということ。それこそが野球の面白さ、奥深さにほかならない。
そのチェコ代表は、選手のほとんどが生活のために仕事を持ちながら野球をしているという。大谷翔平とは違う意味での“二刀流”だ。彼らの職業は、金融関係トレーダー、体育教師、セールスマン、消防士、学生などさまざまで、監督は神経科医だという。
さて、19世紀に現代の野球のルールを確立したとされるアレクサンダー・カートライトは消防団員で、団員のレクリエーションとしてタウンボール(野球の基)を導入し、1842年にタウンボールを楽しむ社交クラブとして「ニッカーボッカー・ベースボール・クラブ」を設立した。だから“野球の父”と呼ばれている。
つまり、チェコチームは、プロができる前の野球の原点、野球本来の姿を体現しているといってもいいのだ。だから、彼らの姿はわれわれ野球ファンの琴線に触れるのかもしれない。
実際にチェコに行ったことはないが、こんな記事を書いたことはある。
『シネマアベニュー 文化の泉』vol.5映画でたどる世界遺産
『アマデウス』
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