田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

【ほぼ週刊映画コラム】『アーリーマン ダグと仲間のキックオフ!』

2018-07-07 15:43:46 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

ワールドカップの余勢を駆って
『アーリーマン ダグと仲間のキックオフ!』



詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1156190
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『美女と液体人間』

2018-07-06 10:50:46 | 映画いろいろ
 東宝、変身人間シリーズの第1作『美女と液体人間』(58)をテレビで再見。



 核実験の死の灰を浴びたことにより、肉体が変質して全細胞が液体化した人間が東京に上陸する。子供の頃は、神出鬼没の液体人間が不気味で、本当に怖かった覚えがある。

 ヒーロー役の大学助教授は東宝特撮の常連、佐原健二。ギャングの情婦でクラブ歌手でもあるヒロインを演じたのが白川由美。『空の大怪獣ラドン』(56)『地球防衛軍』(57)に続くコンビ作になる。白川が妖艶な魅力を発揮するが、意味もなく下着姿になるのはサービスか。

 捜査陣に、平田昭彦、小沢栄太郎、土屋嘉男、田島義文、中丸忠雄ほか、ギャング役に佐藤允と伊藤久哉、博士役に千田是也という配役も面白い。

 液体人間のゼリー状の形態は、『SF人喰いアメーバの恐怖=マックイーンの絶対の危機』(58)のアメーバとそっくりだから、これをまねしたのかと思ったら、この映画が日本で公開されたのは65年だから、それは無理な話。してみるとこの東宝映画が元祖になるのか。

 とは言え、ラストの地下水道のシーンは、『第三の男』(49)の影響だろう。『東京映画地図』(宮崎祐治)によれば、中央区の八丁堀近くの南高橋の辺りから地下水道に入り、最後に燃え上がるのは桜川とのこと。一緒に見ていた妻が「この頃の東宝映画はファッションもそうだけど、撮り方もおしゃれよね」と言っていた。

八丁堀 『長屋紳士録』 『空気人形』↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a7adba119eec37d15de42ba0b271b8b1

『ガス人間第一号』(60)↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8e46f3ff3f0919d637b09273fa284676
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『アントマン&ワスプ』

2018-07-06 08:16:03 | 新作映画を見てみた
 身長1.5センチのヒーロー、アントマン(蟻男)の続編。



 前作は特殊スーツによってミクロ化した駄目男のスコット・ラング=アントマン(ポール・ラッド)の視点を生かしたカメラワークが新鮮で面白かったが、今回は、まるでウルトラセブンのように、大きくなったり、小さくなったりと、伸縮自在のアクションや視点が見どころになる。

 今回は、アントマンとワスプ(エヴァンジェリン・リリー)のコンビ結成の様子と、ピム博士(マイケル・ダグラス)が、ミクロ化して量子世界に消えた妻のジャネット(ミシェル・ファイファー)を見つけ出す物語が、並行して描かれる。孤独な者が多いアベンジャーズの中で、家族の絆を強調するところは異色。コメディーリリーフ的な悪友ルイス(マイケル・ペーニャ)の存在も面白い。

 量子世界の映像は、『ミクロの決死圏』(66)『インナースペース』(87)、または『2001年宇宙の旅』(68)のラストを思い出させる。

 ただ、アントマンは、先に公開された『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』には参加せず、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)以来の登場となったので、話のつながりを思い出すのに一苦労。最近のシリーズ物はこれがネックになる。そしてまたまたこれでは話は終わらず…。

【ほぼ週刊映画コラム】『アントマン』(15)↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ecda1aebec16b6472139953955f39011

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a47c57cde2a63988a56921f948398f31
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『未来のミライ』

2018-07-05 09:01:20 | 新作映画を見てみた
 4歳の男の子くんちゃんに妹ができる。ところが、両親の愛情を妹に奪われたと感じたくんちゃんは、ミライと名付けられた妹の存在を素直に受け入れることができない。そんな中、くんちゃんは不思議な庭で、未来の妹、人間化した愛犬、幼い頃の母、若い頃の曽祖父と出会い、時空を超えた冒険を通して成長し、妹を受け入れていく。



 細田守監督のアニメーション映画最新作。親子の相似、家族の絆が築かれていく様子、少年の通過儀礼、人生のループなどがテーマのファンタジーだが、監督自身の体験に裏打ちされたとも思える、細やかな日常のセリフや描写などから、夫婦関係や子育ての“あるある映画”として見ても面白い。

 鉄道好きのくんちゃんが訪れる未来の?東京駅のイメージが秀逸。甘く切ない山下達郎のエンディング曲「うたのきしゃ」も心に残る。

 初めて兄弟ができた時、初めて自転車に乗れた時、自分はどんなふうに感じたのだろうと、思わず過去の自分に聞いてみたくなるような映画である。年を取るとこういう映画はとても切なく映る。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【インタビュー】『ジュラシック・ワールド/炎の王国』 製作・脚本コリン・トレボロウ

2018-07-04 10:07:28 | インタビュー

 「今回の大きなテーマは、恐竜と人間との関係であり、恐竜に対する共感や感情移入を追及することでした」↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1155329



 ここでは書けなかったが、結構、次回作に関するネタバレも話してくれた。

【インタビュー】『ジュラシック・ワールド/炎の王国』 クリス・プラット&ブライス・ダラス・ハワード↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a2daae6dc3d00a830ca789688218f035

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【インタビュー】『ジュラシック・ワールド/炎の王国』 クリス・プラット&ブライス・ダラス・ハワード

2018-07-03 15:58:53 | インタビュー

「恐竜と人間がじかに接触するシーンが多いので、今までとは違うタイプのアクションも楽しめると思います」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1155324



 往年のスクリューボールコメディのカップルのような2人。

 ブライスに「つい最近『ハンソロ』で、お父さん(ロン・ハワード)にもお話を伺いました」と言ったら大喜び。
クリスには「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の時にもお話を伺いました」と言ったら、「もちろん覚えていますよ」と見事に切り返された。

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7babd649be1851d4c094f59f2ebfe0cf

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タイの洞窟事故と『地獄の英雄』

2018-07-03 09:21:55 | 映画いろいろ
 サッカーワールドカップの決勝トーナメントでは、強豪ベルギーを相手に日本が大健闘を見せたが、同じくサッカー絡みのニュースとして、タイ北部の洞窟で行方不明になっていた地元のサッカーチームの少年ら13人全員の生存が確認されたという、明るい話題もあった。



 ところで、この洞窟事故に関する連日の報道を見ながら、カーク・ダグラス主演、ビリー・ワイルダー監督の『地獄の英雄』(51)を思い出した。

 この映画は、酒癖の悪さから大手新聞社を首になり、地方の小さな新聞社に雇われた主人公が、洞窟の落盤事故による生き埋め事件を取材するところから始まる。何としてもスクープを手にし、大手への復帰を狙う彼は、記事を大げさに捏造するが、それを読んだ人々が事故現場に集まりお祭り騒ぎとなる。だから原題は「The Big Carnival」となる。

 ところが、この映画にはもう一つ「Ace In The Hole」という原題が存在する。直訳すれば“穴の中のエース”となり、生き埋め事件そのものを指すようにも思われるが、実はこの言葉は、トランプのポーカーにおける“最後の切り札”を意味する言葉らしい。つまり、この映画は、追い詰められた主人公が繰り出す“奥の手=捏造”を描いていることを、すでにタイトルで提示しているというわけだ。

 日航機の墜落事故を追う、新聞記者を主人公にした原田眞人監督の『クライマーズ・ハイ』(08)でも、この『地獄の英雄』の“最後の切り札”について言及するシーンがあった。これは映画版のみの設定だから、恐らく、脚本にも参加した原田監督あたりのアイデアではないかと思われる。

 今も昔も報道の難しさは変わらない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『おたずね者キッド・ブルー/逃亡!列車強盗』

2018-07-02 10:50:21 | 映画いろいろ
 「ザ・シネマ」で、73年製作で劇場未公開の珍品西部劇を見た。



 舞台は19世紀末。小悪党のキッド・ブルー(デニス・ホッパー)が、悪事から足を洗おうとして、地道な仕事に就くが、いろいろあって、結局は悪党に戻るという話。オーバーオールを着たホッパーが新鮮に映る。

 ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン、ピーター・ボイル、クリフトン・ジェームズ、ラルフ・ウェイト、リー・パーセルと共演陣も豪華だが、ストーリーがあまりにも平板過ぎて、隠れた傑作というわけでもなかった。

 もう一本、『デニス・ホッパーの マッド・ドッグ・モーガン/賞金首 』(76)と名付けられた未公開西部劇があるようだ。こうして見ると、ホッパーの西部劇に対する思い入れの強さが感じられる。

 確かに、ホッパーは『OK牧場の決斗』(57)、『エルダー兄弟』(65)、『奴らを高く吊るせ!』(68)、『勇気ある追跡』 (69)に出演していた。

 また、監督作の『イージー・ライダー』(69)も、ピーター・フォンダのキャプテン・アメリカことワイアット(アープ?)、ホッパーのビリー(ザ・キッド?)という役名をはじめ、モニュメントバレーの風景や馬小屋でバイクのタイヤを代えるシーンなど、バイクを馬に乗り換えたら西部劇じゃないかと思わせるところがあった。もっともあの旅は、西から東へと向かったのだから、西部劇としては“逆走”だったのだが…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『脇役本 増補文庫版』(濱田研吾)

2018-07-01 07:12:59 | ブックレビュー



 大泉滉、山形勲、天本英世、芦田伸介、伊藤雄之助、滝沢修と、南伸坊のイラストを配した表紙もうれしい。映画や舞台で活躍した名脇役たちの著書を通して、彼らの意外な一面や、知られざる人生を紹介した逸品。まさに「おもしろうてやがてかなしき鵜舟かな」の趣があり、同じく脇役好きの自分にとっては、たまらないものがあった。

 例えば、野口元夫が吉野鮨の親方だったことは知っていたが、吉田義夫が日本画家だったことは知らなかった。また、古本マニアが高じて“新劇屑屋”と呼ばれた松本克平、絵番附を鬼のように蒐集した柳永二郎、ミニ盆栽の大家となった中村是好などには、偏執狂的な執念が感じられておかしいやら、あきれるやら…。

 紹介本の中で、読んだことがあるのは加東大介の『南の島に雪が降る』だけだったが、『私の古本大学』(松本克平)や、宮口精二が編んだミニコミ誌『俳優館』を読んでみたくなった。

 筆者は1974年生まれというから驚くばかり。映画やドラマはまだしも、舞台や歌舞伎の知識に関してはとてもかなわない。故人を偲ぶために、遺族や友人が編んだ非売品(配り物)の本を「まんじゅう本」と呼ぶことも、この本で初めて知った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする