テレビで見たのも含めると今日で3度目になるが、何度見ても、徹底したドキュメンタリータッチから受ける衝撃はすさまじいものがある。中でも畑中少佐役の黒沢年男の大熱演が印象に残る。
のろのろと終戦の準備を行う政府、それを尻目に飛び立つ特攻機、このシーンは何度見ても怒りが湧く。あんたたちがのろのろとしている間に、一体、何人の死ななくてもいい人たちが死んでいったのか、という怒りである。
『男はつらいよ』(69)(1974.4.1.東京12チャンネル)
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
最近は珍しくなった骨太な男たちの熱血ドラマ
『フォードvsフェラーリ』
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https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1210293
リアルタイム、ジェームズ・ボンド=ロジャー・ムーア逝く
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/0c742d87c0389c395b52009b04863563
ブロードウェイや劇団四季の公演でも有名な、T・S・エリオット原作、アンドリュー・ロイド・ウェバー作曲の舞台劇を映画化。監督はトム・フーパーで、『レ・ミゼラブル』(12)以来2度目のミュージカル映画の演出を担当した。
主人公のヴィクトリア役にロンドンロイヤル・バレエのフランチェスカ・ヘイワード、そのほか、大ベテランのジュディ・デンチ、イアン・マッケラン、喜劇畑のジェイソン・デルーロ、レベル・ウィルソン、個性派イドリス・エルバ、ジェームズ・コーデン、そしてジェニファー・ハドソン、テイラー・スウィフトらが“猫”を演じる。
ロンドンの裏町を舞台に、ジェリクルムーンの夜に、猫たちが集まって天井に上る1匹を選ぶ様子が描かれるのだが、ストーリーらしきものはなく、何だか各キャラクターの顔見世興行を見せられたような気になる。
そして、擬人化された猫たちの珍妙なリアルさに違和感を覚えて思わず失笑してしまった。デンチなど、まるで『オズの魔法使』(39)の弱虫ライオンのように見える。「メモリー」をはじめとする楽曲、キャストの歌とダンス(猫の動き)などは見事なのだろうが、全体的には、珍妙なものとしか思えなかった。