「ああ。あの日はどこのテレビ局も列車事故の報道ばかりだったからよく覚えている。本当に大変な事故だったな。で、どうなったんだ? 」
「それがだな。彼らの中に遅刻常習犯がいて、そいつのおかげで忠告した時刻の電車に乗らずに済んだんだそうだ。」
「それは、ラッキーだったな。」
友田は、大井の言葉に大きく頷き、「ラッキーと言ってよいだろう。実際、助かった者達も驚いていたからな。しかし、その事象だけで彼女を預言者と呼ぶには物足りないだろう。」と続けると、大井は「確かにな。彼女にしても、突然のひらめきだったかもしれんしな。」と、補足した。
「そこでだ、人脈を駆使して、話を聞いてみた所、多くはないが何例か採取できた。しかし、その中には、尾ひれのついたゴシップ的なものも多かったのも事実だ。」
すると、大井は腕を組み、「だろうな。虚偽とも真実ともわからない出来事を、もっともらしい理由をつけて、オーバーに扇動してゆく者と言うのはいつの時代にもいるからな。」と、言って眉間にしわを寄せた。
「その通りだ。全く迷惑な話だが、扇動にまんまと乗せられた民衆は、盲目になってしまうものだからな。だが、情報を冷静に捉え、吟味し、取捨選択すると、事実は見えてくるものだ。彼女の噂も同様で、理路に則って調べてゆくと、人命にかかわる予知に特化していると結論付けている事が分かったのだ。」
すると、大井は少し訝しげに「結論付けている? 」と、疑問を投げかけたが、友田の話は更に先へと延びていった。
「それがだな。彼らの中に遅刻常習犯がいて、そいつのおかげで忠告した時刻の電車に乗らずに済んだんだそうだ。」
「それは、ラッキーだったな。」
友田は、大井の言葉に大きく頷き、「ラッキーと言ってよいだろう。実際、助かった者達も驚いていたからな。しかし、その事象だけで彼女を預言者と呼ぶには物足りないだろう。」と続けると、大井は「確かにな。彼女にしても、突然のひらめきだったかもしれんしな。」と、補足した。
「そこでだ、人脈を駆使して、話を聞いてみた所、多くはないが何例か採取できた。しかし、その中には、尾ひれのついたゴシップ的なものも多かったのも事実だ。」
すると、大井は腕を組み、「だろうな。虚偽とも真実ともわからない出来事を、もっともらしい理由をつけて、オーバーに扇動してゆく者と言うのはいつの時代にもいるからな。」と、言って眉間にしわを寄せた。
「その通りだ。全く迷惑な話だが、扇動にまんまと乗せられた民衆は、盲目になってしまうものだからな。だが、情報を冷静に捉え、吟味し、取捨選択すると、事実は見えてくるものだ。彼女の噂も同様で、理路に則って調べてゆくと、人命にかかわる予知に特化していると結論付けている事が分かったのだ。」
すると、大井は少し訝しげに「結論付けている? 」と、疑問を投げかけたが、友田の話は更に先へと延びていった。