僕は失望させてしまったんじゃないかと思って、「ごめん。」と謝ると、彼女は、「やっぱり・・・そう思うのね。」と言って、悲しげにうつむいた。
こんな事態は初めての経験だったから、彼女の次の言葉を待つしか術がなかった。
二人の間にはまた沈黙の時間が訪れた。僕は手をぐっと握りしめ、どうするべきか、とんな言葉を掛ければ最良なのかをひたすら考えた。しかし、考えるだけで、どうする事も出来ない僕を察してくれたのか、彼女は顔をあげると穏やかに語り始めた。
「いいよ。余りにも突拍子なことだものね・・・。たしかに、私は、みんなから預言者と呼ばれているけれど・・・。」
「うん。」
「自分でも、よくわからないのよ。ただ・・・。」
「うん。」
「幼児の頃は見た夢が何度か現実になった事があって・・・。それが成長するにつれ夢ではなく、声・・・言葉として私に誰かが語りかけてくるようになった。そして、それは次第に“喩“で表現されるようになり、私自身もその言葉を持て余すようになったの。」
「うん。」
「それを、預言というのかもしれないけれど、“喩“だと、上手く解釈できず、私なりの解釈で事態を回避させてみようと試みてはみるんだけれど、かえって気味悪がられてしまうの。でも、予言が当たってしまった時、皆は驚愕する。それがとても辛かった。」
僕は、彼女の話に頷くしかなかった。でも、辛そうに語る彼女を見て心から信じようと思った。
こんな事態は初めての経験だったから、彼女の次の言葉を待つしか術がなかった。
二人の間にはまた沈黙の時間が訪れた。僕は手をぐっと握りしめ、どうするべきか、とんな言葉を掛ければ最良なのかをひたすら考えた。しかし、考えるだけで、どうする事も出来ない僕を察してくれたのか、彼女は顔をあげると穏やかに語り始めた。
「いいよ。余りにも突拍子なことだものね・・・。たしかに、私は、みんなから預言者と呼ばれているけれど・・・。」
「うん。」
「自分でも、よくわからないのよ。ただ・・・。」
「うん。」
「幼児の頃は見た夢が何度か現実になった事があって・・・。それが成長するにつれ夢ではなく、声・・・言葉として私に誰かが語りかけてくるようになった。そして、それは次第に“喩“で表現されるようになり、私自身もその言葉を持て余すようになったの。」
「うん。」
「それを、預言というのかもしれないけれど、“喩“だと、上手く解釈できず、私なりの解釈で事態を回避させてみようと試みてはみるんだけれど、かえって気味悪がられてしまうの。でも、予言が当たってしまった時、皆は驚愕する。それがとても辛かった。」
僕は、彼女の話に頷くしかなかった。でも、辛そうに語る彼女を見て心から信じようと思った。