夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

桃色のお茶の花

2020-10-05 20:56:46 | 日記・エッセイ・コラム
桃色のお茶の花



2020年10月5日 (月)
自宅庭にて撮影

お茶の花は、九月末から十月中旬頃迄咲きます。
普通の茶葉として栽培されているお茶の花は、純白です。
桃色のお茶の花は、鑑賞用として栽培されているようです。

『お茶曲げ名人』
お茶の木は、採り木と言う方法で簡単に苗を増やす事が出来ます。
春先に、まだ若くて軟らかいお茶の枝を近くの地面に付け、丸竹を細く割った、割り箸位の長さの竹半分に折って、
押さえつけて、土を被せて置くと、押さえつけた所から根付いて新しい株が出来ます。
今から50年程前には、故郷の茶園で盛んにお茶曲げが行われ、『やぶきた』と言う新しい品種のお茶の苗として出荷されていました。
父親が46才の若さで急逝した後、生活費や兄たちの学費の為に、
私の母は毎日のように、朝から晩までお茶曲げをしていました。
元々手先が器用で、負けず嫌いの頑張り屋だったので、『お茶曲げの名人』と呼ばれていたようです。

それまでは、在来種と呼ばれる旧品種のお茶でしたが、やぶきたと言う新しい品種に植え替えられて、
味、収穫量共に、抜群に進歩したと思います。

しかしながら、時代の波には勝てず、耕作放棄された茶園が目立つ様になりました。









お茶は椿科の植物ですので、蕾は椿にソックリ。
黄色の雌蘂が可憐な花です。












成長した葉っぱも椿のようにツヤツヤしています。
私たちが、お茶として味わっているお茶っぱは、※『みるい』お茶の葉を摘んで、
蒸して、揉んで、乾燥して、大変な手間暇を掛けて造られています。


※ 静岡県の方言
みるいは、柔らかい。
みりっこい。まだ十分に成長しきっていない。

最高のお茶は、一芯二葉で摘むと言われています。

私は、静岡県東部根方街道沿いのお茶工場の娘として、成長しました。

お茶は私の生活そのもの、身体の一部みたいなものです。

秋の夜長
美味しいお茶をどうぞ




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