かわずの呟き

ヒキガエルになるかアマガエルなるか、それは定かでないが、日々思いついたことを、書きつけてみようと思う

「ひだる神」について。

2016-01-19 | 気ままなる日々の記録

  民俗学者柳田国夫の調査記録の中にあるそうである。

  峠越えの旅人が突然激しい空腹に襲われ自由が利かなくなることがある。手足がしびれ力が入らなくなり冷や汗が出て腹がこわばる。『ひだる神にとりつかれたのである。勿論昔からの伝承で「ダルダラン」と呼ばれることもあるが、この神に執り付かれたら、食べ物を口にするか手の平に米と書いてそれをなめるといいという。これは、人知れず行き倒れに逢った人の怨霊の仕業とされていたそうである。

  この「ひだる神」の伝承をどうするか?。今日的には勿論迷信である。しかし、この伝承を知っている人は日が暮れてからの峠越えを避け、無理な日程を組まないようにし快適な午前中に峠越えが終わるように配慮するだろう。この伝承にはこうした配慮を求める絶大な効果がある、昔の人はこの効果を十分計算に入れて大切にしてきたようにおもわれます。それを忘れて偉そうに迷信だと決めつけて、捨て去ってしまっていいのだろうかと思う近頃である。

 なおこの伝承は1月16日の毎日新聞の余禄から教わりました。(T)