今日は11時からリハビリだった。最初は杖を突いてヨッコラショ、ヨッコラショ、と歩く。歩きながら理学療法士の渡辺君が「凄く大きな素数が発見されたって新聞で読みましたが、そんなに凄いことですか?」と聞いてきた。かの有名な藤原正彦氏のご専門が数論で氏も素数の研究をしておられたと思う。
素数とは二つの自然数の積に分解できない自然数のこと。たとえば15=3×5だから15は素数ではない。19は二つの自然数の積で表すことができないから素数である。素数を小さい順に書き出してみると2,3,5,7,11,13,17,19、23・・・・・。と続く。
これ等の素数の間にある規則を見つけようとするのが数論の一つの分野である素数研究である。ある規則を見つけたとしてそれが、何かの役に立つかどうかは全く分からない。ただただ、知的好奇心というやつである。最近発見されたという新素数は220万桁の素数だという。一つ数を書くのに5ミリの幅が必要だとしても発見された新素数を書くだけで1100×1万ミリつまり、11kmのスペースが必要だ。
この自然数が自然数の積で表せないことをどのように証明するのだろうか。多分大型コンピューターを何時間も使ってこの数を発見したのだから、発見プロセスの中に証明が含まれているのだろうが実用化が好きな人はこの発見された数がなんの役に立つかと聞いてくることだろう。
答えは何の役にも立たない。だけど、大発見だということだろう。(T)
(追記》大学4年の時一緒に「ヒルベルト空間論」を勉強した友人から「素数の発見が何の役にも立たない」、とぼくが書いたことが間違いだとメールを呉れました。素数は暗号文を造るとき大いに役立つそうで現在も軍関係では大いに利用されているとのこと。謹んで訂正申し上げます。(T)
初雪