「奪い合えば足りない」
「譲り合えば余る」
「幸はすでにあなたの心の中にある」
などの言葉が色紙に書かれ廊下の壁などに貼ってある。書も決して達筆ではなく、ドボドボとした癖のある太字である。
最後に署名らしき名前もあるが、聞いたたことにない人である。
これがお世話になっている「住宅型有料老人ホーム××の風景である。
オソマツ君はこれらの言葉が好きになれない。多分、このホームの理事長とか院長とかの偉い人の中に、これらの言葉が好きな人がおられるのだろう。
オソマツ君は、自分が偏屈な性格だから好きになれないのだろうかと、反省を込めて自問自答してみる。
どうやらこれらの言葉の中にある「上から目線と云うか訓示的色彩に反発を感じているようである。
(T)