鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第89回】 これからの経営に求められるモノ

2011年03月30日 | 住宅コンサルタントとして
今回の震災で、それから昨年から続いている業界を取り巻く環境の変化から、
皆さんは何を感じ取っているでしょう?

私は、ますます商売の原点に返らなければならない、と思っています。

そもそも商売の原点とは、売ることに関しては、一度ご縁を頂戴したお客様を大切にし、
繰り返し買っていただけるお店となるよう、改善を繰り返すことです。
そして、そのお客様の友人知人に、
自分たちのお店を勧めていただけるようになることを目指さなければなりません。

そしてそれにプラスして、良い仕入れ先のルートを確保することが大切です。

良い仕入れ先、というと、商品を安く仕入れてくれる先だと、単純に考える人が多いのですが、
まあ価格だけで仕入れ先を判断する会社・経営者は、お客様からもそのように判断されます。

良い仕入れ先とは、新しい商品やサービスを常に開発したり、
旬の情報をいち早く届けてくれることだと思っています。

自分たちの商売のことまで考えてくれて、
一緒になって取り組んでくれる会社こそが、良い仕入れ先だと思います。
(もちろん、価格面は大切なのですが、価格以外の企業としての姿勢が大切です)

今まで、住宅業界は自分達の先の売り先であるお客様だけを見てきたきらいがあります。

商品を発注すれば、納期通りに入ってくる。
価格は、買う側のゴリ押しがある程度通る。

これは、商品の生産、物流が順調だったから成り立ったことでした。
こうした状況の中、買う側の立場の方で考え方がかなり傲慢な会社も多かったと思います。

私も前前職の時代、傲慢で勘違いしている工務店の経営者や担当者に何度も泣かされました。
義理人情もなく、価格だけでしか判断しない。
自分達の施工ミスをメーカー側のせいにする。
自分達に家づくりを託してくれたお客様のアフターを全て業者さんに丸投げ。
(もちろん、お金は払わない。「そんなの請求するなら、お宅とは付き合えない」と脅す)
自分が発注を忘れていたのに、「他の工務店で発注した分を先にウチに回せ!」と
訳のわからない要求をする監督。

まあ、存在する意味のない、ひどい会社がありました。

そんなひどい会社とは関わりたくない・・・。
私自身は、素晴らしい考えを持つ工務店さんをトコトン応援し、
そういう会社さんが受注を独占するようになればいい、と思っていました。

そして工務店さんの業績を高めるために、どんなお手伝いが出来るのか、
ということを勉強していった結果、今の仕事をしようと思うようになったのですが・・・。
(ある意味、当時の私にひどい対応をしてくれた方々に感謝です)

そしてリーマンショック以降、業界は大きく変わりました。
業界的に本当に儲からなくなったのです。

メーカーの中で、事業を撤退する会社もあれば、
ライン増設などしない、と決めている会社もあります。
商品を余分につくる、ということがドンドンなくなります。

そして今回の震災です。
モノが入ってきません。

こうした中、今まで仕入れ先を大切にしてこなかった会社。
それから独自の商品を仕入れしようと、仕入れのルート開拓など、努力をしてこなかった会社が
苦境に陥ることが明白となりました。

仕入れ先を大切にする、という商売のもう1つの原点がクローズアップされる時代となりました。

しかしながら、昔からお客様と仕入れ先を両方大切にしてきた会社さんは、
実はそんなに困らないでしょう。

なぜなら、仕入れ先が守ろうとしてくれるでしょうから・・・。

皆さんの会社は、仕入れにも努力をしてきましたか?
仕入れ先を大切にしてきましたか?
コメント
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