鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第67回】 捨てることでより深くなる

2011年03月08日 | 住宅コンサルタントとして
人間誰しも、欲張りなのかもしれません。

例えば、木造住宅を中心にやっている会社で、新しいお客様と知り合った。
そのお客様が、木造ではなく鉄骨で家を建てたい、という意思をお持ちだとします。

「当社は鉄骨も木造もRCも全てやります!是非、当社に見積させて下さい」

と半数以上の会社で言うのではないでしょうか?

あれもやる、これもやる、というスタンスは、会社の認知度、信用度が高い会社で、

「あの会社に是非やってもらいたい」

と市場やお客様から思っていただいているくらい、
ブランド化された会社であればいいと思います。

会社そのものが他の会社と差別化されているからです。

しかしながら、会社の認知度、信用度がまだまだの会社は、
どうしても会社の力よりも、商品やサービスの力で販売していかなくてはなりません。

そうした場合、商品としてあれもこれも扱っていると、自社の強みがぼけてくるのです。

例えば、木造住宅をやっている会社は、
鉄骨やRCよりも木造住宅が素晴らしい理由を答えられなくてはなりません。
そして、鉄骨やRCを捨てるのです。

また集成材ではなく、無垢の柱を使っている会社は、
無垢の方が集成材よりも素晴らしい理由を答えられなくてはなりません。
そして集成材を捨てるのです。

そうすることで、自社の商品説明に深さが加わり、
そうした商品に価値を感じて下さるお客様の心に刺さるのです。

ところが、

「RCも木造も、それぞれいいところがあって、お客様がご自由に選べます」
「集成材からも無垢材からも、お好きなものを選べます」

などと言っている会社の場合、そもそもその会社に依頼する理由が無くなってしまいます。

それくらいぼやけるのです。

こうしたことを理解出来ない会社は、正直ちょっとしんどいと思います。

捨てることでより深くなることがあるのです。

皆さんの会社は、欲張りではないですか?
商品の説明に深さはありますか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする