鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【1940回】 言っただけでは伝わらない

2016年04月22日 | 住宅コンサルタントとして
生まれ育った環境も違う。
本人の価値観も考え方も違う。
能力も感じる力も違う。
そういう方々を雇用して、スタッフとしてお仕事をしていただいて、
成果をだしていかなくてはならないのが経営者の使命です。

この社員さん一人ひとりが感じ方や価値観が全く違う、ということを理解しているのであれば、
経営者の仕事のまず第一歩は我が社の考え方や行動の基準をつくり、
それを全スタッフに浸透させ、そこに従って行動してもらう、
ということにつながっていくと思うのです。

ただ、社員さんに口でどれだけ言っても、人間、言われたことなんて覚えていないもの。
その場だけ言われたことを理解し、実行したとしても
翌日にはもう忘れているなんてことは、ザラにあるのです。

だから自社の考え方や行動の基準を明確化し、
それを毎日の朝礼で唱和し、浸透させていかなくてはならないのです。

こうしたことを会社として一切せず、

「ウチの社員は、何度言っても分からないんだよ・・・」

と言っている経営者やマネージャーは、
もっと社員さんのこと、人間の本質を理解しなくてはならないと思います。

個人的に参考になるなぁ、と思うのは、会津藩の「什の掟」。
最後の「ならぬことはならぬものです」と言い切っているところが素晴らしいと思います。

一、年長者(としうえのひと)の言ふことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人(おんな)と言葉を交へてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです

会津藩では6歳からこうしたことを徹底して叩き込まれたそうです。
それが会津武士のDNAをつくっていったのでしょう。

口で言っただけでは、相手に何も伝わらないという前提で、
コミュニケーションを考えたいものですね。
コメント
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