鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4282回】 施工レベルの差があり過ぎるのが住宅業界である

2022年09月20日 | 住宅コンサルタントとして

この仕事をさせていただいていると、

業界のいろんな問題が悲しいことに耳に入ってきます。

 

正直、大半の日本人が知っている住宅会社や、

県内トップクラスの住宅会社も、

やってはいけない施工ミスを多々、しています。

 

例えば、熱が天井から逃げていかないよう、

住宅は屋根面、もしくは天井面で断熱処理をする必要があります。

 

天井断熱の場合、

セルロースファイバーなどの断熱材を吹きこむパターンと

グラスウールをただ、天井面に敷く場合があるのですが、

このグラスウールを敷くだけの場合、

天井から排気する換気システムと相性が悪すぎる問題があります。

(ちょっと専門的すぎますよね・・・)

 

天井から給気、もしくは排気する換気システムは、

天井裏にダクトが走るのですが、

そのダクトとグラスウールの取り合いの部分で隙間なく施工する、

ということが、ほぼ物理的に不可能なんです。

 

実際、断熱材に大きな隙間が生まれるのです。

 

でもUA値計算では、そんな施工不良は一切計算にいれず、

完璧な精度で施工されたものとして、計算されます。

 

どんな性能が良い断熱材を使っていても、

隙間ができたら断熱の意味なんてないんですけどね。

 

これ、皆さんがよく知っている住宅会社の施工現場で

当たり前のように起こっている施工不良です。

 

また、私は基礎断熱推奨派でして、

基礎断熱をすることで、

冬の床冷えを防ぐことができ、

床暖房など使わなくとも

あたたかい家にすることが可能となる、

という点で、基礎断熱を推奨しています。

 

ただ、基礎断熱をする際に注意点が2点あるのですが、

そのことを理解せずに基礎断熱をやってしまうと

後々大問題となることを知らずに、

誤った基礎断熱をやっている会社も結構存在するのです。

 

まず基礎断熱の場合、基礎が完成した後、

1階の床を構造用合板でふさいでしまうと、

基礎の中の空気が動かなくなり、

コンクリートから出てくる水蒸気が中で溜まり、

カビが生える可能性が高いのです。

 

それを防ぐための対策が必要なのですが、

それを知らずに普通の床断熱と同じ工程で進めると、

基礎内部や1階の床下地の裏面にカビが生える可能性大です。

 

そして基礎断熱は、基礎の空気を家じゅう循環させるので、

基礎内部にカビがあると大問題となるのです。

 

そんなことを知らずに、基礎断熱をしている住宅会社も

残念ながら存在する訳です。

 

更に基礎断熱の場合、防蟻剤の選定が重要です。

 

基礎の内部と室内を同じ空間として、

空気を循環させますから、

防蟻剤は農薬系のものを使ってはいけないのです。

 

ところが人体への安全性という、最も重要なことを理解せず、

基礎断熱なのにも関わらず、使ってはいけない防蟻剤を使っている、

ド素人住宅会社も存在するのです。

 

しかもその会社、数百棟やっている会社だったりします。

 

悲しいかな、それが業界の現実なのです。

 

本当にレベルが低いのです。

 

こういう会社を退場させるために、

しっかりと勉強し、真面目に家づくりをしている住宅会社が

もっと受注し、たくさんの家を建てるようにならないといけません。

 

情弱エンドユーザーは、

大幅値引きする住宅会社の施工品質に疑問を持たず、

結果として施工品質が悪い住宅に住み、

住んだ後、多くの問題を抱えることとなるのです。

 

レベルが低い住宅会社を退場させ、

情報収集と分析力が高いエンドユーザーを増やしていく。

 

その方向に少しでも進んでいけるよう、

仕事をしていきたいと思います。


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