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椿の根元の地面に1羽のスズメが隠れるようにじっとしている。周囲を見回すけど危害を加えるような大型の鳥や小動物などは見えない。近づいてもじっとしている。もっと近づくと、ぴょんとひと跳ねかふた跳ねするだけで飛び立つ様子はない。近くに巣はないので飛んでいるとき何かの原因で傷ついたのかも、なら手当てしてやろうと思ったとき朝刊で読んだ投稿を思いだした。
その内容はこうだ。ツバメが巣立った日、1羽のひなが地面にうずくまっている。何度巣に戻しても羽ばたきはするがすぐに落ちてしまう。このままでは猫の餌になると思い、安全な場所に移し、水とミミズを与えた。日が暮れたのでひなを巣に戻した。翌朝、けたたましい鳴き声に窓を開けると1羽のツバメがじっと自分を見ている。ひとしきりさえずり、満足したかのようにさっと飛び去った。
水はすぐに準備できる。エサは雑食と思うので米粒かパンくずならこちらも準備は簡単、巣の代わりに差し向き柔らかいタオルを籠に敷いて囲ってやろうと心づもりした。まず、スズメの安全確保と手のひらを差し出した。すると向きを変えぴょん、ぴょん、ぴょんと跳ねて移動を始めた。見つけた時より少し元気になった感じがする。
跳ねて行く方向の勝手口に2段の階段がある。1段目にひょいと上がったので驚いた。2段目はどうかと思っていたら同じようにひょいと上がり、その勢いで飛び立ちすぐに左へ旋回した。驚いて後を追ったが見えなかった。それでもと家の周りを探したが姿は見えない。自然へ帰れてよかった、無事に生き抜けよ、そんなエールを西の橙色の空に向けて送った。