
だてにも春雨とはいい辛い雨の降る中、田舎道で人待ちをしている。携帯が鳴る。「申し訳ないが少し遅れる」といい、続けて車の位置を告げた。15分はかかりそうな場所にいるようだ。
少し肌寒いが待つあいだ春はないかとあたりを歩いてみる。このところ続く雨のせいか花も木も草も勢いが見られる。そういえば緑の色も濃くなり、枯れ草も少ない。あいにくの日和で畑に人影はない。
雨の中、幅の細い長さのある「筍堀用の鍬」を持った人に出会う。1週間くらい前から本数は少ないが、毎日、掘っているという返事。近くなら見に行きたい尋ねたら、あきらめる距離だった。今年の地物はまだ見ていない。
昔はこんな雨の日の田舎道はぬかるんで歩き辛かった。いま、道だけは都会のように舗装され、ところどころで日をうつして輝いているところもある。長靴はいらなくなった。
離れたところに雪の積もったように揺れているのは「こごめ桜」が満開に咲いた小枝。梅と桜の端境期に咲く。一つ一つの花は小さくて可愛いが、まとまると大きな存在感を示しだす。だれに教わるともない自然のてだて、人知の及びところではないと今日も思う。
(写真:舞っているように見える雨にうたれるこごめ桜)
北海道は根曲がり竹のタケノコですが5月末から
6月にかけて採ります。
タケノコ、自分の目ではまだ確かめておりません…。