「銀座でブラジル」のことを銀ブラという。それが時代の移り変わりで
銀座をブラブラすることが「銀ブラ」になり、今では円安と経済力のシフトなどにより、
奇妙キテレツなファッションをした人たちが、銀座のブランドショップなどにたむろするようになった。
ぼくの場合は、どうしても必要な調味料をときどき調達にいくついでに、骨董屋をのぞく、その後
は「ころっけ蕎麦を食べながら酒」というけっこうワンパターンな銀ブラだ。でもこの聖域のような場所
にも、外国人が足を踏み入れようとしている。骨董の世界でいえば、もともとこちらが本家よ、
とばかりに、煎茶道具を爆買いする中国人が増えているらしい。
中国から渡ってきた道具を「わたり」という。煎茶を始めた20年くらい前には、どこの骨董屋にも「わたり」
の茶碗や涼炉や茶托が置いてあった。天真庵の二階で煎茶のお稽古をする時にも、「わたり」はけっこう
使う。ときどき蕎麦を手繰りにくる骨董屋さんたちも、「これ売ってくれない」とかいわれたりするけど、渡り哲也
よろしく顔で「わたりはゆずれない」などと冗談っぽくことわっている。
今朝は玉露を入れて、冷蔵庫に入れ、朝食後にそれを飲みながら、熊本の友達とHPの打ち合わせ。
どんなに忙しくしていても、お茶を一服している至福の時間を大切にしたい。喫茶去。