発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

2016年7月

2016年07月20日 | 日記
 夏が来た。
(BGM ヒカシュー「オアシスの夢」)
 世界はあまりに美しく私は圧倒される。
 乗り物に乗れば、エンジンの音、床が軋む音、ドアの圧搾空気、入り込む蝉の声、線路の継ぎ目、橋梁を渡る響き、人々の話し声、足音が、耳を澄ませるに、シンフォニーの切れ端になって聞こえてくる。

 図書館へ行く。
 福岡市総合図書館は海が近いので海の匂いがする。福岡の市民図書館の歴史は古くはない。1976年に、博多埠頭のボウリング場などが入っていた建物が図書館になったのがはじまりである。福岡に来て、調べもののために図書館に行ったら、床にレーンの三角印がついていたので大層驚いた記憶がある。今の百道浜の図書館は、まだ20年である。駐車場無料は原則2時間で、あとは結構高い有料となる。だけど、禁帯出資料を利用するのでないのなら、予め必要な文献の有無はオンラインでわかるのだから、ある程度下調べしてリストアップして、それを借りればいいことで、ランダムに読むぶんにはあまり時間をかけずに探す方が効率がいい。
 利用者の声、というのが貼ってある掲示板を見た。蛍光灯の雑音が五月蝿いという意見があった。さらに中高生が五月蝿いマナーが悪いという意見もあったが、どこぞのカフェ付き図書館に比べれば、静かなること林のごとしである。

 れいの武雄図書館には、6月に、もう一度行く機会があった。お昼で、なんとスタバのレジには行列ができていた。いっぽう、書店および関連物販のレジは閑散としていた。この施設の赤字というのは、書店併設の図書館にかかる、余分な人件費(図書館だけ+書店だけ+カフェだけ、よりも、警備上、人員が必要になると思われる)と、書店物販の売り上げが目論みほど上がっていないことが招いていると思った。教育機関としての図書館機能を犠牲にしてまで商業化してもそれほど儲からないみたいだからやめといた方がいいんじゃないかしら、というのが、私の結論である。

 読書用=仕事用のメガネをつくり、能率が多少アップしている。ごく軽い近視用のメガネで、デスクトップのPC画面にピントがやっと合う、といった感じである。裸眼だともうすこし前のめりになって作業しないといけない。

 新刊は、宮沢賢治童話論集である。 http://honto.jp/netstore/pd-book_27957469.html 
 朝日新聞の西部本社夕刊に全三段で広告出稿した。
 心優しい理系詩人はいったいどのようにしてできあがったのか。
「みんな、自分でできることをしないといけません」
 自分には一体何ができるのか。
 
コメント
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