発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

平成の残照、黄昏の城

2019年01月11日 | 日記

 今年の年賀状のいくつかには、近況は「発行人日記」で、と書いていたのだけど、本年初更新は今日に至ってしまいました。私は相変わらず元気です。今年もよろしくお願いします。

 ◆しみじみ寄る年波を感じるとき

  容貌については、あまり対策していないが年相応なのではないかと自分では思っている。体調等については10キログラムくらいの荷物を持って早足でなんぼでも歩けるという状態でなくなったら気にすることにしている。

 ああ、年をとったな、と思うのは、さまざまな10代20代の、いわゆるひとつの若気の至りについて、キャー黒歴史だわ!!ではなく、それさえも愛おしい日々だこと、と思うようになってきた自分に気がつくときである。時間が経っていろいろなことを都合良く忘れているからかも知れないけれど。

 ◆アヴァンティ倒産 

 福岡の女性向け無料情報誌。創刊が1993年だから、私が福岡に来てほどなく始まった情報誌だ。この件に関しては後日。そのころはフリー情報誌花盛りで、私の福岡お仕事デビューも、とある情報誌コラムからだった。

 ◆イムズは2021年終了と発表 

 1989年、福岡市役所のまん前に開店、当時は、バブルの時期に仕上げられたに相応しい、ショールーム、アンテナショップ、メセナの城だった。何しろワンフロアが自動車各社のショールームになってて、日々是モーターショー(現在は撤退)。農協系ショップのお米ギャラリーでは、小鉢と極上味噌汁とおいしいお米と海苔の使われたおにぎりひとつと、おいしい八女茶がついて、なんと290円で軽くひと休みできた(現在は撤退)。資生堂の大きなお試しコーナーがあって、「すずろ」なんかを試してみたりするわけ(現在は撤退)。

 美術館があり、エメット・ゴーウィンの写真展にはじまる美術展、ドイツで開催される現代美術展ドクメンタの報告会、ミュージアムシティ天神のメイン会場など、美術系イベントもたくさん。溝口肇、ソノダバンド、八代亜紀などの音楽ライヴにも行った。試写会もたくさん行った。ダンス、演劇、詩のコンペ。ともかくイベントが文化的だった。自費出版専門出版社として一世を風靡した新風舎お客さん募集スペース兼本の販売所ができて、偵察に行ったり(その後倒産撤退。本をつくるなら断然地元の版元よ)、紆余曲折を経た今は、普通の物販店の比率は大きくなったものの、熊川哲也のバレエ教室とか、島村楽器の音楽教室とか、文系体育系芸術系電脳系の学校がある。2階のオクタホテルカフェで、エントランスにある日比谷花壇をみおろしながら食事をするのが好きだった。営業はしばらく続くから、まだ行けるわけなんだけど。根菜のラザーニャがとてもおいしい。13〜14階の食堂街も、HAKATA ONOの中華ランチとか、おいしいところはたくさんある。物販店も全体的にオシャレである。

 ただ、近年になってキャンドウ(百円均一)ができたあたりから、これも時代の流れか、と思ってはいたが。ともかく再来年で終了らしい。このビルは地下2階から9階まで吹き抜け。これは消防上まずいかなと思っていたので、あらかた償却できた時点で解体となるのは納得できるのだけど、寂しいな。

 

コメント
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