2017/11/9、109シネマズ木場、5番スクリーン。
中央通路直後のG列を選択。
10/27の公開で、まだ2週間しか経っていないが、5番は138席と
木場の中では中規模シアターに当たる。
席数が倍のIMAX3D版もあるにはあるが上映回数は1回/日だけ。
**
ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、ジャレッド・レト、アナ・デ・アルマス、
ロビン・ライト、シルビア・フークス。
*
1982年に公開されたカルト的SFにして不朽の名作「ブレードランナー」の続編。
もっとも「ブレードランナー」の公開時には不評で日本では早々に公開打ち切りとなった。
(日本ではキャッチコピーによるミスリードも悪影響)
*
本編に入る前に、前作「ブレードランナー」についてざっくりおさらいをしておこう。
環境汚染により大半の人類は地球外に移住。
人は使役にバイオテクノロジーによって「製造」したレプリカントを使っていた。
ところが、レプリカントは時間が経つと反抗して逃亡し、人類に紛れ込むようになるので、
これらを探して「解任」(抹殺)する専任警察官が「ブレードランナー」である。
2019年、一部のレプリカントが地球外世界で反乱を起こし、4体が地球に帰還した。
そこで、これらを「解任」(抹殺)するために引退したブレードランナーの
デッカード(ハリソン・フォード)が呼び出された。
デッカードは情報を得るため、レプリカント製造会社のタイレル社に行き、
社長秘書のレイチェルがレプリカントであることを見抜くが、やがてレイチェルに惹かれていく。
デッカードは、4人の居場所を探り、レプリカントを倒していく。
最後のレプリカントのバッティはタイレル社長に会って寿命を延ばすよう依頼するが
不可能と言われて殺してしまう。
その後、バッティとデッカードの争いとなり、寿命が間近に迫ったバッティは
最後にデッカードを助けて死ぬ。
デッカードはレイチェルと共に逃亡して映画は終わる。
*
前作と今作の間に起こった出来事はテロップで説明される。
2022年、大停電が起こり、殆どの電子的記録が失われる。
その後、食糧難が起こり、レプリカントが大反乱を起こしたため新たな製造が禁止され、
タイレル社はつぶれる。
食糧難はウォレス社の人工食料によって解決し、ウォレス社はタイレル社のノウハウを引き継ぎ、
2036年の法改正によって許可された新たなレプリカントの製造を始める。
2049年、依然として富裕層はオフワールド(地球外)に移住しており、
環境汚染の激しい地球には一部の人間とレプリカントが住んでいる。
*
2049年、ブレードランナーのK(ライアン・ゴズリング)は、スピナーを駆って農場に行き、
旧型レプリカントのサッパー・モートン(デーブ・バウティスタ)を「解任」、
帰り際に木に根元に花が供えられているのを見てそれを持ち帰る。
(レプリカントかどうかを目で判定する機械がある設定らしい)
自宅ではホログラムAIの恋人ジョイ(アナ・デ・アルマス)と暮らすK。
K自身がレプリカントであることは知られており、差別されることも多い。
自宅にKの上司であるジョシ警部補(通称マダム、ロビン・ライト)から連絡が入る。
木の下に箱が埋葬されており、その中に人骨が入っていたと言うのだ。
女性の人骨にはレプリカントの製造番号が刻まれており、出産していたことがわかる。
ジョシはレプリカントが出産したことがわかれば社会が混乱すると考え、
子供の捜索と抹殺をKに命令する。
Kはまず、骨のレプリカントの正体を調べるためウォレス社に向かう。
それが元のタイレル社製で音声記録でデッカードと逃亡した女性だとわかるが、
デッカードの行方はわからない。
一方のウォレス社の社長のウォレス(ジャレッド・レト)は、
かつてレプリカントに生殖能力があったと知り、女性の骨と行方不明の子供を
入手するよう秘書のラブ(シルビア・フークス)に指示する。
Kはサッパーの家の木の根元に「6 10 21」の字を発見して動揺する。
別々の思惑で動くマダムとウォーレスの指示に従うKとラブ。
果たして、デッカードは見つかるのか。
そして、レイチェルの子供は存在する/したのか。
木に刻まれた数字の意味するものは。
Kの捜査は続く。
**
「ブレードランナー」は見ていなくても楽しめるとは思うが、やはり見ていたほうが良い。
実をいうと「ブレードランナー」はちゃんと見ていない。
それどころか、続編の内容がかなり見えてくるまで前作を
「レプリカントが殺人ゲームのターゲットになり逃げる映画」だと思っていた。
先日ざっくりとレイチェルがデッカードを助ける(2人目を解任する)ところまでは見たが、
とろい展開でその後は見なかった。
本作もよく言えばしっかりと丁寧に描かれている、悪く言えば展開がまどろっこしくとろい。
余分なシーンが多いと言うわけではなく、各カットが長い。ある意味邦画的。
もう少しチャチャッとやれば160分もかからなかったろうに。
ただ、観客をミスリードするような展開だったり、伏線だったりは良かった。
例えば、Kがアナ博士と会って憶測が確信になっていくシーンでアナ博士が涙を流す所。
アナ博士がKの動揺に共感したシーンだと思いきや、後々とても大事なシーンだったとわかる。
ホテルに入るときに足がワイヤーに引っかからないようにするシーンも後で効いてくる。
いずれにしても全般に余計なセリフで説明を入れないのがとても良い。
効果音の使い方は多分に「メッセージ」を思い起こさせる。
監督(ドゥニ・ビルヌーブ)は同じなのだが、彼の思う未来のイメージなのかも。
*
レイチェルがレプリカントだったのは前作の最初から明らかになっているが、
デッカードがそうなのかは実は明らかではない。
ファンの間ではかなり議論になっていたらしい。
リドリー・スコットはレプリカントであるとの考えに立っていたらしいし、
ある程度それを示唆するシーンもあるようだが、明示的ではなく
それがまた議論の種になっていたようだ。
今作でもKがレプリカントであることはすぐに示されるが、
デッカードは相変わらずはっきりしない。
*
ウォーレスがレプリカントが生殖能力を持つことで自分たちの事業が伸びると言っていた。
レプリカントはクローンではないが、クローンでは「大人がいきなり生まれる」ことはない。
クローンの場合は、赤ん坊が生まれそれが年月を経て大人になるわけで、時間が掛かる。
レプリカントが子供を産むようになり、何らかのテクニック、例えば遺伝子操作などで
成長を10倍速められたとしても大人になるまでには何年もかかる。
さらに、成長の促進と老化の防止の両立が必要で、言い方は適切ではないがロスもあり、
レプリカントの大量生産の方が効率が良いはずだ。
*
ホテルのステージのエルビス・プレスリー、マリリン・モンロー、ジューク・ボックスの
フランク・シナトラはいずれもそっくりさんのようだ。
特にモンロー役のスージー・ケネディは有名なモンローそっくりさんらしい。
どこまでモディファイされているのかはわからないが、シナトラは本物に見えた。
*
アナ・デ・アルマスは「スクランブル」よりもすっとよかった。
ジャレッド・レトは「スーサイド・スクワッド」とは別人のよう。
*
カジノホテルの「韓国語表記が気になる」との意見が多いようだが、
韓国語はあのシーン以外出てこない。(というか、韓国語に気づかなかった)
ロシア語は分からないので何とも言えないが、日本語はでたらめではなく
意味のあるものばかりだった。
****
皆さんと同じように私も韓国語が気になったので少し調べてみた。
予告では建物に入るときに上の方にハングル文字が見える。
本編では外観では文字は見えず、中から外を見たときに見えるので、
文字が裏返しになっていると思われた。
文字を反転すると次のようになる。
ハングルには全く知識がなく、意味はもちろん読みも解らない。
当然日本語キーボードではハングル入力もできず、お手上げ状態。
「入口」「ホテル」「カジノ」「ようこそ」などありそうな日本語を韓国語に
変換してみたが、いずれも当たらない。
ところが良くしたもので、ハングルはパーツの組み合わせなので、パーツを選ぶことで
ハングル文字が作成できるサイトがあった。
そこで文字を作って、翻訳サイトで調べると、読みはヘンウン、意味は「幸運」となった。
建物はカジノホテルなので、GOOD LUCK と言うことだろうか。
中央通路直後のG列を選択。
10/27の公開で、まだ2週間しか経っていないが、5番は138席と
木場の中では中規模シアターに当たる。
席数が倍のIMAX3D版もあるにはあるが上映回数は1回/日だけ。
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ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、ジャレッド・レト、アナ・デ・アルマス、
ロビン・ライト、シルビア・フークス。
*
1982年に公開されたカルト的SFにして不朽の名作「ブレードランナー」の続編。
もっとも「ブレードランナー」の公開時には不評で日本では早々に公開打ち切りとなった。
(日本ではキャッチコピーによるミスリードも悪影響)
*
本編に入る前に、前作「ブレードランナー」についてざっくりおさらいをしておこう。
環境汚染により大半の人類は地球外に移住。
人は使役にバイオテクノロジーによって「製造」したレプリカントを使っていた。
ところが、レプリカントは時間が経つと反抗して逃亡し、人類に紛れ込むようになるので、
これらを探して「解任」(抹殺)する専任警察官が「ブレードランナー」である。
2019年、一部のレプリカントが地球外世界で反乱を起こし、4体が地球に帰還した。
そこで、これらを「解任」(抹殺)するために引退したブレードランナーの
デッカード(ハリソン・フォード)が呼び出された。
デッカードは情報を得るため、レプリカント製造会社のタイレル社に行き、
社長秘書のレイチェルがレプリカントであることを見抜くが、やがてレイチェルに惹かれていく。
デッカードは、4人の居場所を探り、レプリカントを倒していく。
最後のレプリカントのバッティはタイレル社長に会って寿命を延ばすよう依頼するが
不可能と言われて殺してしまう。
その後、バッティとデッカードの争いとなり、寿命が間近に迫ったバッティは
最後にデッカードを助けて死ぬ。
デッカードはレイチェルと共に逃亡して映画は終わる。
*
前作と今作の間に起こった出来事はテロップで説明される。
2022年、大停電が起こり、殆どの電子的記録が失われる。
その後、食糧難が起こり、レプリカントが大反乱を起こしたため新たな製造が禁止され、
タイレル社はつぶれる。
食糧難はウォレス社の人工食料によって解決し、ウォレス社はタイレル社のノウハウを引き継ぎ、
2036年の法改正によって許可された新たなレプリカントの製造を始める。
2049年、依然として富裕層はオフワールド(地球外)に移住しており、
環境汚染の激しい地球には一部の人間とレプリカントが住んでいる。
*
2049年、ブレードランナーのK(ライアン・ゴズリング)は、スピナーを駆って農場に行き、
旧型レプリカントのサッパー・モートン(デーブ・バウティスタ)を「解任」、
帰り際に木に根元に花が供えられているのを見てそれを持ち帰る。
(レプリカントかどうかを目で判定する機械がある設定らしい)
自宅ではホログラムAIの恋人ジョイ(アナ・デ・アルマス)と暮らすK。
K自身がレプリカントであることは知られており、差別されることも多い。
自宅にKの上司であるジョシ警部補(通称マダム、ロビン・ライト)から連絡が入る。
木の下に箱が埋葬されており、その中に人骨が入っていたと言うのだ。
女性の人骨にはレプリカントの製造番号が刻まれており、出産していたことがわかる。
ジョシはレプリカントが出産したことがわかれば社会が混乱すると考え、
子供の捜索と抹殺をKに命令する。
Kはまず、骨のレプリカントの正体を調べるためウォレス社に向かう。
それが元のタイレル社製で音声記録でデッカードと逃亡した女性だとわかるが、
デッカードの行方はわからない。
一方のウォレス社の社長のウォレス(ジャレッド・レト)は、
かつてレプリカントに生殖能力があったと知り、女性の骨と行方不明の子供を
入手するよう秘書のラブ(シルビア・フークス)に指示する。
Kはサッパーの家の木の根元に「6 10 21」の字を発見して動揺する。
別々の思惑で動くマダムとウォーレスの指示に従うKとラブ。
果たして、デッカードは見つかるのか。
そして、レイチェルの子供は存在する/したのか。
木に刻まれた数字の意味するものは。
Kの捜査は続く。
**
「ブレードランナー」は見ていなくても楽しめるとは思うが、やはり見ていたほうが良い。
実をいうと「ブレードランナー」はちゃんと見ていない。
それどころか、続編の内容がかなり見えてくるまで前作を
「レプリカントが殺人ゲームのターゲットになり逃げる映画」だと思っていた。
先日ざっくりとレイチェルがデッカードを助ける(2人目を解任する)ところまでは見たが、
とろい展開でその後は見なかった。
本作もよく言えばしっかりと丁寧に描かれている、悪く言えば展開がまどろっこしくとろい。
余分なシーンが多いと言うわけではなく、各カットが長い。ある意味邦画的。
もう少しチャチャッとやれば160分もかからなかったろうに。
ただ、観客をミスリードするような展開だったり、伏線だったりは良かった。
例えば、Kがアナ博士と会って憶測が確信になっていくシーンでアナ博士が涙を流す所。
アナ博士がKの動揺に共感したシーンだと思いきや、後々とても大事なシーンだったとわかる。
ホテルに入るときに足がワイヤーに引っかからないようにするシーンも後で効いてくる。
いずれにしても全般に余計なセリフで説明を入れないのがとても良い。
効果音の使い方は多分に「メッセージ」を思い起こさせる。
監督(ドゥニ・ビルヌーブ)は同じなのだが、彼の思う未来のイメージなのかも。
*
レイチェルがレプリカントだったのは前作の最初から明らかになっているが、
デッカードがそうなのかは実は明らかではない。
ファンの間ではかなり議論になっていたらしい。
リドリー・スコットはレプリカントであるとの考えに立っていたらしいし、
ある程度それを示唆するシーンもあるようだが、明示的ではなく
それがまた議論の種になっていたようだ。
今作でもKがレプリカントであることはすぐに示されるが、
デッカードは相変わらずはっきりしない。
*
ウォーレスがレプリカントが生殖能力を持つことで自分たちの事業が伸びると言っていた。
レプリカントはクローンではないが、クローンでは「大人がいきなり生まれる」ことはない。
クローンの場合は、赤ん坊が生まれそれが年月を経て大人になるわけで、時間が掛かる。
レプリカントが子供を産むようになり、何らかのテクニック、例えば遺伝子操作などで
成長を10倍速められたとしても大人になるまでには何年もかかる。
さらに、成長の促進と老化の防止の両立が必要で、言い方は適切ではないがロスもあり、
レプリカントの大量生産の方が効率が良いはずだ。
*
ホテルのステージのエルビス・プレスリー、マリリン・モンロー、ジューク・ボックスの
フランク・シナトラはいずれもそっくりさんのようだ。
特にモンロー役のスージー・ケネディは有名なモンローそっくりさんらしい。
どこまでモディファイされているのかはわからないが、シナトラは本物に見えた。
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アナ・デ・アルマスは「スクランブル」よりもすっとよかった。
ジャレッド・レトは「スーサイド・スクワッド」とは別人のよう。
*
カジノホテルの「韓国語表記が気になる」との意見が多いようだが、
韓国語はあのシーン以外出てこない。(というか、韓国語に気づかなかった)
ロシア語は分からないので何とも言えないが、日本語はでたらめではなく
意味のあるものばかりだった。
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皆さんと同じように私も韓国語が気になったので少し調べてみた。
予告では建物に入るときに上の方にハングル文字が見える。
本編では外観では文字は見えず、中から外を見たときに見えるので、
文字が裏返しになっていると思われた。
文字を反転すると次のようになる。
ハングルには全く知識がなく、意味はもちろん読みも解らない。
当然日本語キーボードではハングル入力もできず、お手上げ状態。
「入口」「ホテル」「カジノ」「ようこそ」などありそうな日本語を韓国語に
変換してみたが、いずれも当たらない。
ところが良くしたもので、ハングルはパーツの組み合わせなので、パーツを選ぶことで
ハングル文字が作成できるサイトがあった。
そこで文字を作って、翻訳サイトで調べると、読みはヘンウン、意味は「幸運」となった。
建物はカジノホテルなので、GOOD LUCK と言うことだろうか。
> レプリカントはクローンではないが、クローンでは「大人がいきなり生まれる」ことはない。
AIマシンをクローン化することは、不可能だと考えるのですが、本作ではAIマシンとしてのレプリカントに生殖能力まで与えていました。
そんなことができるのか、はたまた己の出目に疑問に感じそれを追及するという高度な感性をもつものでしょうか❔
結局、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか❔』 に行き着きます。原作者がこの問題を考えて、「ブレードランナー」を創作したのでしょうね・・・。
中には空飛ぶ自動車のように原理的なものは想像がつかなくても、ごく当たり前に受け入れられるものもありますが、レプリカントはいったい何なのかはよくわかりません。
原作でどういう扱いになっているのかは知りませんが、個人的にはレプリカントはメカではなく生物で、クローンではないが人間のコピーだと思っています。
つまり、AIマシンではないと思っていますが間違っているでしょうか