ITニュース、ほか何でもあり。by KGR

ITニュースの解説や感想。その他、気になる話題にもガンガン突っ込む。映画の感想はネタばれあり。

惑星系の形成のされ方と惑星の定義

2006-08-24 10:23:04 | 科学
惑星数、一転8個へ 冥王星「格下げ」 IAUが修正案 (朝日新聞) - goo ニュース

このニュースについて、TVなどでも盛んに取り上げられている。

その際出てくる「絵」や「模型」が勘違いを起こしやすいものが多く、
ここで整理しておきたい。

いつぞや「惑星直列」なる言葉が世間を騒がせたことがある。
すべての惑星が一直線に並ぶことによって、
その引力の影響で異変が起こる、というわけだ。
(理論上、一直線上に並ぶことはありえないらしい)

惑星直列の中に今回話題の「セレス」が入る可能性はあるが、
「冥王星」と「2003UB313」が入る可能性はほとんどない。
というのも、
冥王星は10数度、2003UB313に至っては44度も
軌道が黄道面から傾いているから。

つまり、冥王星や2003UB313は大きさもさることながら、
他の惑星と同じように横並びに置くのは間違いということ。

さて、宇宙の塵=星間物質が何らかのきっかけで集まり始めると、
回転しながら円盤状に集中し始める。

この円盤を原始惑星系円盤と言い、
大部分の物質は中央に集まって恒星=太陽となる。

回転しているため、全部の物質が一気に中央に集まるわけではなく、
ところどころに小さい渦ができて、そこにも物質が集まってくる。
これが惑星に進化していく。

太陽系では地球くらいの大きさの惑星がいくつも出来、
太陽に近いところではガスが吹き飛ん岩石惑星となり、
太陽から遠いところでは、ゆっくりとガスなども取り込んで、
大きなガス惑星となった。

こうして太陽系では4つの地球型惑星と4つの木星型惑星が誕生した。

惑星の卵=微惑星のうち、いくつかは大きなひとつの塊になることが出来ず、
火星と木星の間にあったものは、小惑星群となり、
ずっと遠くにあったものはエッヂワース・カイパーベルト天体と呼ぶ。

また、中にはもっと外で太陽の引力圏に踏みとどまったものもあり、
これらはオールトの雲と呼ばれる。
オールトの雲は彗星の巣として知られる。

当初形成された8つの惑星とは異なるが、
太陽の引力の影響で太陽系に取り込まれたと思われる天体、
それが冥王星である。

冥王星は、天王星と海王星の運動がニュートン力学の解からずれていることで、
外惑星の存在を仮定して発見されたが、あまりにも小さく、
「ずれ」の原因でないことが判っている。

なお、このずれは海王星の質量を間違って計算していたためで、
現在は惑星の運動の計算上は8つの惑星で事足りる。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 試写会「キンキーブーツ」@ブ... | トップ | 惑星の定義決まる、大方の予... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (はにまる)
2006-08-24 14:37:29
こんにちは。

惑星直列というのはありましたね。

冥王星が惑星から外されることは、ほぼ確定的なような気もしますが、今まで慣れ親しんできたものがなくなるのは寂しくもあります。
返信する

コメントを投稿

科学」カテゴリの最新記事