2010/5/14、109シネマズ木場。
*
マット・デーモン、グレッグ・キニア、ブレンダン・グリーソン、エイミー・ライヤン。
**
2003年、アメリカ軍はイラクが大量破壊兵器隠ぺいを理由にイラク戦争を開始。
バクダッド市内に100平方キロ(10km四方)のグリーン・ゾーン(安全区域)を設営した。
ロイ・ミラー(マット・デーモン)は、部下を率いて大量破壊兵器(WMD)の探査に出かける毎日だった。
ある日は確実と言われる情報をもとに、狙撃者が狙う工場に侵入するが、そこは空っぽ。
何年も使われていない便器工場だった。
これで3度連続の偽情報。
情報の信ぴょう性に疑問を抱くミラーは、作戦会議でそのことを聞き、
逆に上官に叱責されてしまう。
情報はイラク内部に精通する「マゼラン」という謎の人物によってもたらされ、
国防総省情報局のパウンドストーン(グレッグ・キニア)を通じて作戦展開される。
この情報はウォール・ストリート・ジャーナルの
ローリー・デイン(エイミー・ライアン)記者を通じて一般にも報道されていた。
デインは、情報の裏を取るため「マゼラン」との接触を試みていたが、
パウンドストーンはそれをかたくなに拒否し続けていた。
情報の信ぴょう性に疑問を抱くもう一人の男、
CIAのマーティ・ブラウン(ブレンダン・グリーソン)は、
ミラーに近づき、何かの陰謀があると告げる。
果たしてその陰謀とは。
マゼランとはいったい何者なのか。
**
映画自体は迫力があって、おもしろかった。
GPS追尾などは特に珍しいとは思わないが、ヘリからの追跡では、
個体識別だけでなく、敵味方識別もできることなど、
例の「ヘリからの民間人射殺事件」の動画との符合も感じられて、
そら恐ろしいものがあった。
手持ちカメラでブレを多用した撮影方法で臨場感を演出、とされているが、
多用しすぎで狙い通りとは思えない。
一人称カメラワークともいうべきこの方法は、
「ボーン・シリーズ」や「トゥモロー・ワールド」などでは効果的だったが、
静と動の対比がより迫力をもたらすはずで、全編これではやり過ぎと思われる。
しかし、例えば横に走るシーンでは逃亡する人物はしっかり押さえられ、
背景がぶれていたことや、
最初はブレを意識させるためかよりブレが強調されていたが、
中盤以降はそれほどでもなかったように思えるなど、
カメラワークは実はよく計算されていたのではないかと思う。
*
映画とはいえ、ミラーの行動にはいろいろと問題が指摘されている。
軍の作戦行動中にCIAの指示に従って行動したり、命令以外の行動をとったりは、
彼らがどういう指揮命令系統にあるのかよくわからなかったから、まだいいとしても、
最後に国防総省の情報捏造を勝手にマスコミにリークすることは許されるんだろうか。
軍内部での告発は必要だとは思うが、レポートをいきなりマスコミに送ってしまうことは、
軍法会議ものでしょうし、逆に狂信的な一軍人の暴走として処理されかねないのではないだろうか。
軍内部での告発が期待できないとしても、
自分の名は伏せてローリー・デインを使って情報を流す方が得策ではないのか。
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マット・デーモン、グレッグ・キニア、ブレンダン・グリーソン、エイミー・ライヤン。
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2003年、アメリカ軍はイラクが大量破壊兵器隠ぺいを理由にイラク戦争を開始。
バクダッド市内に100平方キロ(10km四方)のグリーン・ゾーン(安全区域)を設営した。
ロイ・ミラー(マット・デーモン)は、部下を率いて大量破壊兵器(WMD)の探査に出かける毎日だった。
ある日は確実と言われる情報をもとに、狙撃者が狙う工場に侵入するが、そこは空っぽ。
何年も使われていない便器工場だった。
これで3度連続の偽情報。
情報の信ぴょう性に疑問を抱くミラーは、作戦会議でそのことを聞き、
逆に上官に叱責されてしまう。
情報はイラク内部に精通する「マゼラン」という謎の人物によってもたらされ、
国防総省情報局のパウンドストーン(グレッグ・キニア)を通じて作戦展開される。
この情報はウォール・ストリート・ジャーナルの
ローリー・デイン(エイミー・ライアン)記者を通じて一般にも報道されていた。
デインは、情報の裏を取るため「マゼラン」との接触を試みていたが、
パウンドストーンはそれをかたくなに拒否し続けていた。
情報の信ぴょう性に疑問を抱くもう一人の男、
CIAのマーティ・ブラウン(ブレンダン・グリーソン)は、
ミラーに近づき、何かの陰謀があると告げる。
果たしてその陰謀とは。
マゼランとはいったい何者なのか。
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映画自体は迫力があって、おもしろかった。
GPS追尾などは特に珍しいとは思わないが、ヘリからの追跡では、
個体識別だけでなく、敵味方識別もできることなど、
例の「ヘリからの民間人射殺事件」の動画との符合も感じられて、
そら恐ろしいものがあった。
手持ちカメラでブレを多用した撮影方法で臨場感を演出、とされているが、
多用しすぎで狙い通りとは思えない。
一人称カメラワークともいうべきこの方法は、
「ボーン・シリーズ」や「トゥモロー・ワールド」などでは効果的だったが、
静と動の対比がより迫力をもたらすはずで、全編これではやり過ぎと思われる。
しかし、例えば横に走るシーンでは逃亡する人物はしっかり押さえられ、
背景がぶれていたことや、
最初はブレを意識させるためかよりブレが強調されていたが、
中盤以降はそれほどでもなかったように思えるなど、
カメラワークは実はよく計算されていたのではないかと思う。
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映画とはいえ、ミラーの行動にはいろいろと問題が指摘されている。
軍の作戦行動中にCIAの指示に従って行動したり、命令以外の行動をとったりは、
彼らがどういう指揮命令系統にあるのかよくわからなかったから、まだいいとしても、
最後に国防総省の情報捏造を勝手にマスコミにリークすることは許されるんだろうか。
軍内部での告発は必要だとは思うが、レポートをいきなりマスコミに送ってしまうことは、
軍法会議ものでしょうし、逆に狂信的な一軍人の暴走として処理されかねないのではないだろうか。
軍内部での告発が期待できないとしても、
自分の名は伏せてローリー・デインを使って情報を流す方が得策ではないのか。
映画としてはそれでもいいのでしょうけども。
皆が皆あれはじめたら軍隊なんか崩壊しちゃい
ますし。(苦笑)
エンタテインメントとして観たときには十分
満足でしたが、政治的な意味としては私はちょ
っと不満が残った内容でした。
>エンタテインメントとして観たときには十分
満足
>政治的な意味としては私はちょっと不満
その通りですね。
私は軍人としてのミラーの行動に「?」を感じたわけですが、
>なんぼなんでも正義の人すぎ であることと
KLYさんの言われる「言い訳」も感じました
ひらりん的には、ミラーとフレディの決着のつけ方は、アメリカの民主主義の押し付けと情報捏造に対する正義が表れてて、なかなか良かったと思いました。
ミラーのリークは、軍法会議ものでしょうが、WSJの記者は内容を知ってるので、情報統制される前に真実の報道をするのでは・・・
と、推測したいものです。
それが自由主義の正義では・・・と。
>情報統制される前に真実の報道をするのでは・
そこなんです。
ミラーは、まずローリーからリークさせればもっと反響があったと思います。
でもそれじゃパウンドストーンと同じ穴のムジナになるということかもしれませんが。
報道、ジャーナリズムのあり方については、提灯記事ばっかりの日本とはずいぶん違うなという感じでした。
ご無沙汰しております!
確かに、マット・デイモンの演技とアクションシーンはスカッとして格好良かったんですよね。
ただ、大量破壊兵器が見つかっていないという事実を知ってそれなりに年月が経っているため、いまひとつ新鮮味もありませんでしたよね。
仰るとおり、全体に言い訳がましく、始末の付け方は尺が少ないから、無理やり締めたという印象を少なからず持っちゃいました…。
2,3年前に上映していれば、もっと楽しめたかもしれないですね。
>2,3年前に上映していれば
公開のタイミングって難しいですね。
>始末の付け方は、無理やり締めた
そうですね、同感です。
ローリーをもっと活躍させて、ジャーナリズムを利用したパウンドストーンがしっぺ返しを食らう結末の方がよかったと思います。
映画としてはなかなか面白かったですよね。
だけど、、、大量破壊兵器云々というテーマを持つ映画とすると、、、どうも観ていて乗れないものがありましたよね~
同じ戦争を扱った映画としては、「ハート・ロッカー」の方がずっと見応えがあったし、心に響くものがありました。
アクション映画としては面白かったですが、言い訳っぽい点はマイナスです。
変に政治色を入れなかった「ハート・ロッカー」の方がずっと良かった。
この映画からは何か社会派作品的な部分を受け取るのが正解なんですかね?
まぁ観客の多くが思うように裏に主張なりがあるのかも知れませんが…
大量破壊兵器が有ると虚言した役人が悪役のフィクション娯楽映画。現実とリンクしてるのはそういうプロモーションだと…そう思えば、まぁ腹も立たないってな気もしてきました。
では、また来させていただきます。今後とも宜しくお願いいたします。
これがすべてだと思います。
それに徹すればよかったのに、
変に
>社会派作品的な部分 を入れ込んだために、
かえって言い訳がましく見えました。
始末の付け方が全体を台無しにしたと思います。