2019年の「ジョーカーの続編」
ホアキン・フェニックス、レディ・ガガ。
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前作で地下鉄で3人を射殺、元同僚で小人のゲイリー(リー・ギル、続投)と一緒に訪ねてきた元同僚を刺殺、
TV番組で1人(ロバート・デ・ニーロ)を射殺と計5人の殺害で逮捕されたアーサー(ホアキン・フェニックス)は、
精神鑑定の結果、病院へと収監される。(ばれてないが母親も殺している)
前作はここまで。今作はその続き。
アーサーは、病院とは名ばかりの収容所でひどい扱いを受けていた。
たまたま同じ収容所の聖歌隊の集会で見かけたリー(レディ・ガガ)に惹かれる。
リーもまたアーサーに興味を抱き、近づく。
アーサーの裁判を行うかどうかの審問が行われた。
精神障害で裁判を回避したいアーサーの弁護士(キャスリン・キーナー)の努力もむなしく、裁判開始が決まる。
リーの放火騒ぎに乗じて病院(収容所)を脱出しようとするが失敗、裁判所には、都度、病院から護送される。
一方貧困層の民衆は、ジョーカーを富裕層に対峙する貧困層の英雄のようにとらえ、
収監から逃そうとする勢力があり、混乱を招いていた。
そんな中、裁判で弁護士を首にし、ジョーカー(ピエロ)のメイクで自己弁護するアーサー。
果たして裁判の結末は。
アーサーはどうなってしまうのか。
リーとの行く末は。
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良くも悪くも思っていた内容、展開とは全く違った。
事前に情報を得てから見る映画もあるが、最近は入れないで見ることが多い。
この映画もそうだったが、「シビル・ウォー」とはまた違った想定外だった。
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多分に狂気と妄想の入り混じった映画。
セリフの合間に歌が入り、まるでミュージカルかと見紛うが、それもこれも現実なのか、妄想なのか。
副題の「フォリ・ア・ドゥ」はフランス語で直訳すると「二人の狂気」。
日本語では「二人狂い」だが、その筋ではフォリ・ア・ドゥで通じるらしい。
「感応精神病」と呼ばれる精神障害で、昨今は「誘導妄想障害」などと言われるそうだ。
一人の妄想が別人に伝染し、妄想が共有されるようになる障害とのこと。
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設定上そうだろうとは思ったが、アーサーの痩せ方は凄い。
いずれも未見だが「マシニスト」のクリスチャン・ベール、
「ダラス・バイヤーズ・クラブ」のマシュー・マコノヒーを思い起こした。
両作はいずれも本人たちがびっくりするほど減量したことで知られるが、今作の
ホアキン・フェニックスの痩身は事実なのか、すげ替えなのか、CGなのか。
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乱暴者の看守はブレンダン・グリーソン。「ハリポタ」のマッドアイ。
弁護士のキャスリン・キーナーは「シモーヌ」ではアル・パチーノの奥さん。
その他の多くの映画でも見た。
近所のシンママを演じたザジー・ビーツは「デップー」のドミノ。
インタビュアーのスティーブ・クーガンは「ナイト・ミュージアム」のオクダビウス。
などなど、見たことのあるキャストが沢山出ているが、いずれも過去作とは一線を画す風体となっている。
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10/11に公開開始されたが、鑑賞した10/17は何と豊洲での公開最終日。
人気が出なさそうな映画ではあると思うが、まさか1週間で打ち切りとは。
あるニュースサイトによれば、あまりの人気のなさに早くもネット配信が決まったなどと書かれていたが、そうなのか。
製作費が2億ドル(Wiki)とか、3億ドル(IMDB)と言われる中、
初週は37M$で「野生の島のロズ」に代わって初登場1位したものの、
翌週は8割減の7M$で4位、その次の先週はさらに7割減で2M$の6位とさえない。
今のところ、米国内の興収は56M$で、全世界計は2億ドルに届かない192M$。
これではヒットの目安である1億ドル越えには届かないし、たとえ届いても赤字必至。
一方、日本国内では、初週、二週目とも「室井慎次」に次ぐ2位で、2週計7億5千万越え。
日本でのヒットの目安である10億円に届きそうな勢い。
予想外の不人気がネット配信が早々と開始される要因ではあるだろうが、
最近はネットと劇場で同時公開開始の映画もあるのに、それだけを理由に
酷い出来とは言えないだろう。
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