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映画「テルマエ・ロマエ」@109シネマズ木場

2012-05-28 23:54:59 | 映画感想
2012/5/26、109シネマズ木場。
  
阿部寛、市村正親、上戸彩、北村一輝、宍戸開、竹内力、勝矢、笹野高史。



紀元130年頃のローマ。
ローマ帝国は隆盛を誇り、西ヨーロッパの大半とイギリスの南半分、ギリシャ、トルコ、
そして中東から北アフリカの地中海沿岸全体をその勢力範囲としていた。

14代皇帝のハドリアヌスは、自分に反対する元老院長老4名を粛清するなど、
暴君として知られていた。

その頃のローマ市民の楽しみの一つに公衆浴場、テルマエがあった。

テルマエ設計士の一人、ルシウス・モデストゥスは(阿部寛)は、
伝統的な浴場にこだわり、新進の設計士に仕事を奪われつつあった。

そんな中、騒がしいテルマエの中で静かに構想を練ろうとしていたが、
排水口に引き込まれ、もがき苦しみながら流れ着いた先は、
なんと、現代の日本の銭湯の浴槽内だった。

びっくりする銭湯の客たち。

それ以上にびっくりしたのはルシウス。
壁に掲げられた富士山の絵、個人別の蛇口、あのケロリン桶、
脱衣場では脱衣かご、扇風機、フルーツ牛乳。

属州の奴隷、平たい顔族のための浴場だと思い込んだルシウスにとって
すべてがローマの公衆浴場(テルマエ・ロマエ)を凌駕するものだった。

感動したルシウスは再びローマにタイムスリップ。

数か月後、ローマではルシウスのアイデア満載のテルマエが大人気を博していた。
壁にはベスビオス火山の絵、>ロリVと書かれた桶、脱衣用網かご、フルーツ牛乳、
すべてが銭湯からのアイデア拝借だった。

暫くのち、敬愛する先輩が年老いてテルマエに行くのが大変になり、
それでも風呂に入りたいと考えていた。

ルシウスは何とか役に立てないかと考え、テルマエで思慮をめぐらせていたが
水中に引き込まれ、またしても現代日本にタイムスリップした。

この後、ルシウスのテルマエの評判は皇帝ハドリアヌス(市村正親)の耳に入り、
皇帝用のテルマエを作るよう命じられるが、アイデアが浮かばず、
またも現代日本にタイムスリップ。

ルシウスはどのようなアイデアを持ち帰るのか。



後日談。

ケイオニウス(北村一輝)は138年に死去。
ハドリアヌスはその後、同じ138年に死去。

アントニヌス(宍戸開)が15代皇帝となってハドリアヌスを神格化。
ハドリアヌスは後世まで語り継がれることとなった。

***

旦那がイタリア人で古代ローマおたくと言う漫画家、ヤマザキマリのコミックの映画化。
古代ローマと現代日本の世代ギャップを「公衆浴場」の文化という共通点で描いた作品。
今までにない発想でとても面白かった。

現代日本では日本語とラテン語。

ローマ時代の会話は日本語だが、後半の上戸彩がローマにタイムスリップした時は
さりげなく「<<Bilingual>>」と表示するなどの遊び心も面白かった。

**

史実では、ハドリアヌスの後継に指名されていながら138年に亡くなったのは、
ケイオニウス
(ルキウス・ケイオニウス・コンモドゥス・ウェルス、ルキウス・ウェルス)ではなく、
その父のルキウス・アエリウス・カエサルだったそうだ。

ケイオニウスは、ハドリアヌス死亡当時7歳で、第15代皇帝、アントニヌス
(ティトゥス・アウレリウス・フルウィウス・ボイオニウス・アリウス・アントニヌス)
の養子となり、ともに養子となった第16代皇帝のアウレリウス
(マルクス・アウレリウス・アントニヌス)とともに、
アントニヌスの死後、共同皇帝になったそうだ。

この辺りの脚色は「十三人の刺客」と似たものがある。
彼の映画では、稲垣吾郎扮するバカ殿は斉韶(なりつぐ)になっているが、
史実は斉韶は明石家の直系で名君と言われ、直韶から改名の後隠居、
次代は将軍家所縁で乱脈暴君で知られる斉宣(なりこと)で、
斉宣は若くして病死しており、斉韶の息子、直憲が跡を継いでいる。

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