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『借りぐらしのアリエッティ』を観てきたよ~ん」*(クローバー)**(青ハート)*

2010-07-18 06:49:00 | 徒然なるままに
7月17日(土)

今日、娘二人と一緒に、『借りぐらしのアリエッティ』を見てきた。http://www.karigurashi.jp/index.html

この物語の原作は、メアリー・ノートン作『床下の小人たち』舞台はイギリスだ。

観終わった後は、私はその終わり方の余韻はなかなかの演出だと思ったのだが、娘たちは納得しなかった様子だった。
「続きが知りたかったら、原作本があるから読んでみれば?でも、その前に、自分なら、あの続きはこう書くだろうといろいろ予想してから読むと面白いよ」
と言った。
確かに、いろいろな「その後の展開」を予想させる思わせぶりな終わり方だった。(おそらく続編はないと思うが)

観ながら、私はとても懐かしく作品(特に背景画)を見ていた。
身長10センチメートルの小人の目線から見た世界。
それは私がかつて、アニメーター時代に手がけていた『スプーンおばさん』そのものの世界だった。
『スプーンおばさん』は、普段は普通の人間の身長なのに、突然、身長がティースプーンぐらいに縮んでしまうのだ。
不思議なことに、その身長になると、おばさんは動物や昆虫の言葉がわかってしまうのだ。
動物たちは小さくなったおばさんに、おばさんの『人間の知恵』で、いろいろな事件や問題を解決してもらうのだ。

普通のおばさんの身長と、身長10センチになったおばさんとの大きさの違いを出すには、背景美術は大きな役割を担う。
手のひらにのるぐらいの小さい人にとっては、テーブルの高さは、まるで4階建てのビルのような大きさに見えるだろう。
その大きさの違いの描き方は、難しかったけれどとても楽しく、勉強になった。

私は小さい頃から、一寸法師や、親指姫をはじめ、小人が出てくるお話が大好きだった。
親指姫が、チューリップの花びらの小舟に乗って…なんてくだりに胸ときめいたり、ニルスの冒険は、すごくワクワクして読んだ。
自分でドールハウスを作っては、夢中で遊んでいた。

観終わった後、娘たちに、
「あなたたちが小さかった頃、うちにも小人がいたんだよね。特に、クリスマス近くになると、そのサンタさんのお使いの小人たちは、、その家の子どもたちが「4つのお約束」をちゃんと守っているか家のどこからかちゃんと見ていて、サンタさんに報告していたんだよね。」
と言ったら、
「そうそう、そんなことあったけ」
と、娘たちは懐かしそうに、幼稚園の頃のことを話していた。

その「4つのお約束」というのは幼稚園で教わってきたらしく、クリスマスプレゼント欲しさに、子どもたちは一生懸命いい子にしていたっけ。

何かがなくなっていたりすれば、
「これは夜中にいたずらな小人さんがやってきて食べちゃったり、どこかに持っていたのかしら?」
とカマをかけたり、
いつの間にか何かが出来上がっていたり、きれいになっていたりする時も、
「うちにも靴屋の小人さんが来て、夜中にやっておいてくれたのかなぁ」
なんて具合に話していたものだから、小人さんの存在は、あの頃の子どもたちにとっては、とても現実味のあるものだったに違いない。

特に、「ティンカーベル」が大好きな長女にとっては、憧れの世界だったことだろう。

『借りぐらしのアリエッティ』の主人公のアリエッティは、なかなか魅力的な女の子だ。
宮崎駿が描く少女たちはどの作品もみなたくましく、りりしく、優しい。
13歳という年齢も魅力的だ。
今、思春期・反抗期まっ盛りの感受性の強い中学生たちと一緒にいて、ぜひ、彼らに見せたい作品だと思った。
本当の勇気とか、家族のきずなとか、自然と共に生きることや、「冒険」について…。

でも、物語の伏線であり、今回の中では解決されなかった、アリエッティ達の「借りぐらし」という生活スタイル。はっきり言って、「泥棒小人」と呼ばれても仕方がない暮らしなのだ。
だから「人間に見られてしまったら、引っ越さねばならない」のだ。
これは、なんだか最後まで自分の中では解消されずに終わってしまったのが残念でならない。
日本の『座敷わらし』は、古い家に住んでいて、座敷わらしがいる間はその家は繁栄するが、座敷わらしが引っ越してしまうと、その家は傾いてしまうのだ。
「借りぐらしの小人たち」も、その家に住み着いているからこそ人間にもメリットがあり、だからこその人間との共生ができればいいのに…。

そうそう、日本にはアイヌの『コロボックル』伝説があったけ。


昨日公開の『借りぐらしのアリエッティ』と同時開催で、現在国立新美術館では、美術監督の種田陽平氏の展覧会が行われている。http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/117/
小人たちが生活に必要な物を人間の家から「借りてきて」「暮らしている」そして、「ひっそりと」「一所懸命に」生きる。映画に描かれた暮らしぶりが、種田陽平氏の手によって、展示室に出現する。魅力に溢れたその世界に直接触れ、小人になった気分で、物語の中に入り込めるまたとないチャンスだ。
ぜひ、娘たちを連れて見に行こうと思う。


映画を見た後、娘たちがお小遣いを出し合って、レストランで私にごちそうをしてくれた。
3人で前かがみになれなくなるくらい、ごちそうを食べて帰ってきた。
長女の上海万博の話はなかなかおもしろかった。
話を聞きながら、ちゃんと仕事をやっている娘を頼もしく思い、帰宅してからも、二人で将来のことについて語り合ったのだが、しっかり自分のことや周りのことも考え、将来を見据えている娘の話を聞きながら、成長したなあと思った。

その娘に、
「ママは、どんな50代にしたいの?」
と聞かれ、
「ボケ知らずで頑張れるように、勉強*(鉛筆)*がんばる。50代のうちに何回もマチュピチュ*(山)*に行けるように、足腰鍛えてお金をためる。」
と答えた。
お互いに、夢の実現*(キラキラ)*に向かって頑張り続けよう!!