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「わたしのせいじゃない―せきにんについて―」

2003-10-18 00:14:00 | 徒然なるままに
10月16日(木)

今日、長女の学校カウンセリングに行った時、図書室で本を借りてきた。
「わたしのせいじゃない―せきにんについて―」レイフ・クリスチャンソン/文 ディック・ステンベリ/絵
15センチ角の白い小さな絵本。
スウェーデンで生まれた「あなたへ」というシリーズの1冊。

ストーリーは単純。
画面に15人の子どもたちが固まっていて、真ん中より下に、一人ぽつんと泣いている子がいる。
各ページその隣で15人のうちの1人ずつが、泣いている子のことについて語っている。
一人の子は、
「はじまったときのことみていないから どうしてそうなったのか ぼくはしらない」
と言い、別な子は、
「おおぜいでやっていたのよ ひとりではとめられなかった わたしのせいじゃないわ」
と言い、中には
「自分のせいじゃないか その子がかわってるんだ ほかの子はみんなふつうなのに」
と言う子もいた。
そうして15人がその子たちなりの理由を言い終わると・・・・。

「このシリーズの背景には、スウェーデンの学校で行われている「オリエンテーリング科」という教科があります。人間の生き方を模索しながら、同時に社会のさまざまな問題にも目を向け、友情、孤独、幸福といった人間関係の大切なテーマが扱われています。
『わたしのせいじゃない』は、このシリーズの中でもやや特異なシリアスな内容を備えています。いじめの状況と、その責任のなすりあいが描かれ、後半の写真は多くのことを語りかけてきます。」(訳者後書きより抜粋)

この本は、長女の中学校の1年生が道徳の時間で取り組んでいる題材だ。
先週、担任の先生が家庭訪問に見えて、ぜひ、娘にもその授業に参加してほしいとお願いにきてくださった。
「まあ、登校が無理でも、本だけは読んでみてね。」
ということだったので、代わりにわたしが学校の図書室から借りてきたのだ。

帰宅して娘に渡したところ、ざっとではあったが、目は通してくれたようだった。

その後、末娘と、遊びにきていた友達に読んで見せてあげたところ、じっと絵を見ながら聴いていた。
あの子たちの、最後ページの写真を見たときの見開いた目を、私は忘れない。
「みんながこんなことばかり言っていると、あなた達が大きくなった頃の世の中はこんな風になっちゃうんだよ。ううん、その前からとっくに世界のどこかで、こう言うことが当たり前のように起きているし、おじいちゃん達が小さい頃の世の中はこんな風だったんだよ。」
といったらすごく真剣な顔で、
「こわいね~。」
「どうしてなの?」
と聞いてきた。

彼女達の心に、この本がどういう風に根付くか根付かないか分からないけれど、この子達の未来が明るく、安心して暮せる社会・世界でありますようにと願うばかりである。
そのためにも、身近ないじめの問題は、解決を先送りせず、その都度その都度、周りの大人が的確に対応していかなければと思う。
そして、二度と悲劇を繰り返さないよう、子ども達に正しい歴史を教えていかなければと思った。

「わたしのせいじゃない」という責任のなすりあいを、まず、大人が辞めなければ。
子どもはその通り真似するのだから・・・。

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