平成25年1月30日に札幌で開かれた、道新フォーラム「北から変える日本の未来」。北海道新幹線新函館(仮称)開業を3年後に控えた北海道と震災からの復興を目指す東北との連携を考える、という目的で開催されました。2月5日の北海道新聞で、その内容が見開き2ページで書かれていました。
反日サヨク新聞である北海道新聞ですが、基調講演には国土強靱化に200兆円規模の財政出動が必要と考えている、京大教授で内閣官房参与としても活躍されている藤井聡先生が基調講演およびパネリストとして呼んだのです。
パネリストがそれぞれの述べたことをここで書くのは長すぎて面倒なので、藤井先生の講演内容を私自身の備忘録としてここに残しておこうと思います。
(以下、藤井先生の基調講演)
今、首都直下型地震が10年以内に発生するとの指摘があります。発生しても何とか生き延びていく国家にする、そういう国家を強靱な国家と呼んでいます。東京にいろんな機能を集めておくのは危なくてしょうがありません。東京がだめなら日本がアウト、そんなアホな話はありません。
10年以内に首都直下型地震が絶対に来るとはいえないにしても、覚悟は必要です。それを想定して行動するのが、当然の大人の振る舞いだと思います。
日本を滅ぼさないため、北海道から沖縄まで、震災の「Xデー」に、どのような貢献ができるのかを考えておかなければなりません。
一昨年の東日本大震災以降、道庁ではバックアップ拠点構想に関する議論がありました。一番早く行動したのが北海道でした。
私は、日本が今、超巨大地震の連動の危機に直面しており、そのために、200兆円規模の財政出動を伴う列島強靱化が必要だと考えています。首都圏とか太平洋ベルトという危ない地域からの機能分散を図るという構想です。北海道だけでなく、北陸とか東北、山陰、四国、九州。少しでも東京、大阪、名古屋の負担を軽くしてあげること。これくらい効果的な減災対策はありません。
インフラ整備や、建築の耐震補強を行い、沿岸部分のコンビナートも補強します。南海トラフ地震では被害額は500~800兆円とも言われています。そういう巨大な被害は十分に科学的に想定できます。100兆円、200兆円の投資で被害額は半減、あるいは3分の1に押さえられるようにしておけば、ある意味でもうけが出ます。被害を小さくすることにお金をかけることがものすごく大事なのです。
一方で、そうした公共投投資を通して、日本のGDPは20年後には1千兆円くらいになる可能性があります。
ただ、都市機能の分散化は命令できることではないので、民間が分散化したいと思うような政策作りが大事です。首都移転は昔の議論。政府を動かしても東京の床面積の1%にも満たないのです。東京(の都市機能)は残りっぱなしになるからです。ではどうすればいいのでしょうか。都市機能の移転には新幹線などの交通インフラの整備が効果的なのです。
現在の政令指定都市の分布を見ると、新幹線が整備された地域が中心です。仙台も新潟も、新幹線により大量の人が短時間で訪問可能になり、例えば新潟に会社を置いてみようかというケースが多くなったわけです。
では、北海道はどうでしょうか。函館に続き、札幌まで新幹線が通ることになりました。こうした交通インフラ整備を通し、北海道や北東北で「北方 大交流圏」を形成して、札幌を中心としたネットワークをつくるべきです。新幹線は旭川まで将来的には道東にも延ばすことも考えるべきです。潜在力はあるのですから。
ポイントは、北海道新幹線は東京と札幌を結ぶものではない、ということ。これは東京の人間の発想です。そうではなく、北方交流圏のための新幹線なのであって、この交流圏の首都は当然札幌になるでしょう。
日本は西から文明化してきました。戦後、北海道開発庁をつくりインフラ整備は進んできましたが、今や廃止されて、北海道に特別な投資をするのはまかりならんとなってしまいました。このままでは、長年かけてやってきたエネルギーがここで止まってしまいます。津軽海峡がボトルネックになってしまっています。まだトンネルだって1本しか通っていません。100年くらい先を考えて北海道と日本全体のことを考えるべきだと思います。
(基調講演終わり)
以前、当ブログかmixiだったか忘れましたが「2chで札幌延伸反対派が騒ごうが、札幌まで新幹線が通ることは昔から決まっていて、それがやっと今になっただけである。新幹線札幌延伸の費用対効果はあるのかないのか私は判断しかねているが、賛成反対各論を見たところ、賛成派の意見の方が説得力を感じる」と書きました。
鉄道は飛行機と違って「交流人口」を生み、お金の流れも生むことは分かってましたが、沿線人口の多いところに建設して初めて効果が出るモノだと思ってました。それを「予測」で莫大な建設費をかけて、まして道東にもつくることは果たしてどうなのか。
藤井先生が普段おっしゃっていることは納得できることがほとんどですが、今回の講演~特に新幹線の件~についてはちょっと考えさせられました。しかし、安倍政権の経済政策が成功すれば、もしかしたら道東にも必要という機運が高まる「かも」しれません。
藤井先生は九州新幹線の「大阪と鹿児島が交流圏になった」という成功事例をパネルディスカッション挙げてましたが、九州側の事前プロモーションが効いていると思います。要は、つくれば勝手に人とカネがやってくるものじゃないということです。
民主党の愚かな「仕分けショー」による「必要な事業を削減」で、防災事業や研究分野をつぶしまくってきました。石原東京都知事(当時)が防災予算は削るべきではない、と蓮舫に進言したけど無視された映像や、スパコンが世界一になって「やったー」とツイッターでつぶやいた蓮舫が袋だたきに遭ったことは皆さんご存じかと思います。それとは全く違う、というか、必要なモノと不要なモノを分かっている人とそうでない人との違い、とでも言いましょうか。
公共事業の中でも土木工事に関しては、確かに無駄なモノもあったと聞きましたが(現場の土木系公務員の証言)、やはり必要なモノもあることは事実。基本は古いインフラ(橋、道路、下水道など)の修繕でしょう。新幹線のさらなる延伸については、私自身もっと考えてみたいと思います。
反日サヨク新聞である北海道新聞ですが、基調講演には国土強靱化に200兆円規模の財政出動が必要と考えている、京大教授で内閣官房参与としても活躍されている藤井聡先生が基調講演およびパネリストとして呼んだのです。
パネリストがそれぞれの述べたことをここで書くのは長すぎて面倒なので、藤井先生の講演内容を私自身の備忘録としてここに残しておこうと思います。
(以下、藤井先生の基調講演)
今、首都直下型地震が10年以内に発生するとの指摘があります。発生しても何とか生き延びていく国家にする、そういう国家を強靱な国家と呼んでいます。東京にいろんな機能を集めておくのは危なくてしょうがありません。東京がだめなら日本がアウト、そんなアホな話はありません。
10年以内に首都直下型地震が絶対に来るとはいえないにしても、覚悟は必要です。それを想定して行動するのが、当然の大人の振る舞いだと思います。
日本を滅ぼさないため、北海道から沖縄まで、震災の「Xデー」に、どのような貢献ができるのかを考えておかなければなりません。
一昨年の東日本大震災以降、道庁ではバックアップ拠点構想に関する議論がありました。一番早く行動したのが北海道でした。
私は、日本が今、超巨大地震の連動の危機に直面しており、そのために、200兆円規模の財政出動を伴う列島強靱化が必要だと考えています。首都圏とか太平洋ベルトという危ない地域からの機能分散を図るという構想です。北海道だけでなく、北陸とか東北、山陰、四国、九州。少しでも東京、大阪、名古屋の負担を軽くしてあげること。これくらい効果的な減災対策はありません。
インフラ整備や、建築の耐震補強を行い、沿岸部分のコンビナートも補強します。南海トラフ地震では被害額は500~800兆円とも言われています。そういう巨大な被害は十分に科学的に想定できます。100兆円、200兆円の投資で被害額は半減、あるいは3分の1に押さえられるようにしておけば、ある意味でもうけが出ます。被害を小さくすることにお金をかけることがものすごく大事なのです。
一方で、そうした公共投投資を通して、日本のGDPは20年後には1千兆円くらいになる可能性があります。
ただ、都市機能の分散化は命令できることではないので、民間が分散化したいと思うような政策作りが大事です。首都移転は昔の議論。政府を動かしても東京の床面積の1%にも満たないのです。東京(の都市機能)は残りっぱなしになるからです。ではどうすればいいのでしょうか。都市機能の移転には新幹線などの交通インフラの整備が効果的なのです。
現在の政令指定都市の分布を見ると、新幹線が整備された地域が中心です。仙台も新潟も、新幹線により大量の人が短時間で訪問可能になり、例えば新潟に会社を置いてみようかというケースが多くなったわけです。
では、北海道はどうでしょうか。函館に続き、札幌まで新幹線が通ることになりました。こうした交通インフラ整備を通し、北海道や北東北で「北方 大交流圏」を形成して、札幌を中心としたネットワークをつくるべきです。新幹線は旭川まで将来的には道東にも延ばすことも考えるべきです。潜在力はあるのですから。
ポイントは、北海道新幹線は東京と札幌を結ぶものではない、ということ。これは東京の人間の発想です。そうではなく、北方交流圏のための新幹線なのであって、この交流圏の首都は当然札幌になるでしょう。
日本は西から文明化してきました。戦後、北海道開発庁をつくりインフラ整備は進んできましたが、今や廃止されて、北海道に特別な投資をするのはまかりならんとなってしまいました。このままでは、長年かけてやってきたエネルギーがここで止まってしまいます。津軽海峡がボトルネックになってしまっています。まだトンネルだって1本しか通っていません。100年くらい先を考えて北海道と日本全体のことを考えるべきだと思います。
(基調講演終わり)
以前、当ブログかmixiだったか忘れましたが「2chで札幌延伸反対派が騒ごうが、札幌まで新幹線が通ることは昔から決まっていて、それがやっと今になっただけである。新幹線札幌延伸の費用対効果はあるのかないのか私は判断しかねているが、賛成反対各論を見たところ、賛成派の意見の方が説得力を感じる」と書きました。
鉄道は飛行機と違って「交流人口」を生み、お金の流れも生むことは分かってましたが、沿線人口の多いところに建設して初めて効果が出るモノだと思ってました。それを「予測」で莫大な建設費をかけて、まして道東にもつくることは果たしてどうなのか。
藤井先生が普段おっしゃっていることは納得できることがほとんどですが、今回の講演~特に新幹線の件~についてはちょっと考えさせられました。しかし、安倍政権の経済政策が成功すれば、もしかしたら道東にも必要という機運が高まる「かも」しれません。
藤井先生は九州新幹線の「大阪と鹿児島が交流圏になった」という成功事例をパネルディスカッション挙げてましたが、九州側の事前プロモーションが効いていると思います。要は、つくれば勝手に人とカネがやってくるものじゃないということです。
民主党の愚かな「仕分けショー」による「必要な事業を削減」で、防災事業や研究分野をつぶしまくってきました。石原東京都知事(当時)が防災予算は削るべきではない、と蓮舫に進言したけど無視された映像や、スパコンが世界一になって「やったー」とツイッターでつぶやいた蓮舫が袋だたきに遭ったことは皆さんご存じかと思います。それとは全く違う、というか、必要なモノと不要なモノを分かっている人とそうでない人との違い、とでも言いましょうか。
公共事業の中でも土木工事に関しては、確かに無駄なモノもあったと聞きましたが(現場の土木系公務員の証言)、やはり必要なモノもあることは事実。基本は古いインフラ(橋、道路、下水道など)の修繕でしょう。新幹線のさらなる延伸については、私自身もっと考えてみたいと思います。