明日から仕事かぁ、と思うと、今年の休みは9連休だったにもかかわらずあっという間でした。鶴居村の温泉にちょこっと行った以外は、釧路から一歩も出ず、家か近所で買い物かのどっちかでしたねぇ。今日の家事は洗濯と食材の買い出しが残ってますが、大した手間じゃありません。おやすみ最終日にやっとこボーッとできそうです。
さて、自動車の変速機のうち、CVTが最も効率の悪いものであることは、ここで散々書いてきたことです。ですので、CVTはダメな変速機だ!と叫ぶのももちろんよいですけど、一番よいのは「CVTが載っているクルマをみんなで買わないこと」です。これが自動車メーカーに最も効く消費者行動であると思います。そうすればメーカーも考えるでしょう。CVTに対する投資が回収しきれていないと思われる現在、すぐにやめるとは考えにくいんですが。
私個人の経験で恐縮ですが、これまでN社とS社ディーラーの営業マンが「通常のATよりCVTのほうが効率がいい」とトンデモ営業トーク(ていうか明らかなウソ)を聞かされたことがあります。あくまでも「アクセルを戻した時にいかにガソリンの噴射を止めるか」という重箱の隅をつつく制御をしているから結果的に燃費が良いのであり、加速しているときが最も効率の悪い変速機ってハッキリ言って「ダメな機械」としか言いようがないでしょう。
通常のオートマ(のうち最新のものに限る)ですと、発進時以外はエンジンからタイヤまで歯車で直に繋がっていると考えて差し支えありませんが、CVTだと変速する部分が「金属ベルトが単に左右で抑えられてるだけ」で(そりゃ滑りますわな)、発熱を抑えるためにオイルを入れ、そうすると押さえつけたところが滑ってしまうから抑える力を増やし(エンジンパワーのロスが発生)、さらに発熱が、また抑える力を増やす、、、という堂々巡りなんです。
先日、私が有料メルマガの定期購読しているモータージャーナルの事務局をされている、池田直渡さんが書かれたコラムがありましたので転載します。
THE PAGE(ザ・ページ)より
「CVT」の終わりは日本車の始まり 2014年クルマ業界振り返り(2014.12.31 14:00)
(以下抜粋)
まずはCVTの仕組みから説明を始めよう。CVTには様々なタイプがあるが、ハイブリッドに使われているものを除けば、そのほとんどがベルト式だ。ふたつのプーリーの間にベルトを掛ける。プーリーはベルトがかかる谷間がV字構造になっており、油圧でV字の谷間を狭めたり広げたりできる。するとベルトの掛る位置が変わり有効径が変わる。回す側と回される側両方のプーリーの有効径を変えることでふたつのプーリーの回転速度を変えて変速する仕組みだ。
~中略~
しかも回転すれば金属ベルトとコマは擦れるため、潤滑をしないとベルトが摩耗して切れてしまう。そこでベルトを潤滑油漬けにするのだが、前述の通りプーリーとコマの間は摩擦力で力を伝えているので、ベルトを油漬けにすれば当然滑る。滑らないためにはひたすら挟みこみ圧力を強く掛けるしかない。
ということでCVTは動作中ずっと高圧の油圧ポンプの作動を余儀なくされるのだ。この油圧ポンプはエンジン駆動なので当然エンジンのパワーをロスする。パワーロスは速度域にもよるが、ほぼエアコンと同程度だという。
効率向上のための変速機なのに仕組み上パワーロスを避けられないというのは自己矛盾だ。しかも高速になるほど滑りを止めるために油圧を高めなくてはならないのでロスが増える。
もう一点、最少ギア比と最大ギア比の差を大きく取れないという構造的問題点もある。1速のギア比は車重とエンジンの性能で自動的に決まるので妥協の余地がない。となれば妥協するのは高速側だ。その結果CVTを使うと高速巡航中にエンジン回転が高くなりがちになる。前述のパワーロスの問題と合わせて、CVTは街中を走るモードでは燃費にプラスだが、高速燃費は宿命的に苦手なのだ。
国土交通省の定める燃費試験はほとんどが低速しか使わない。そのため低速を得意とするCVTは試験では低燃費を達成しやすいのだが、クルマを買ったユーザーが高速走行をするとこれまで書いてきたような理由でカタログ値と乖離した燃費になりやすい。
(抜粋終わり)
遠回しな言い方ではありますが、CVTを作っている部品メーカー自身が「CVTは効率が悪い」ことを認めているわけですから、これはもう間違いのない事実です。自動車会社の経営陣はともかく現場の人間はわかっているので、あとは車を買おうとしている消費者がCVT搭載車両を買わないことで意思表示をするしかないと思います。
そうそう、なんと商用車を除く軽自動車でCVTを使わない2ペダル車がでました。それは新型スズキアルト。AGS(※注)搭載車はなかなか良さそうです。商用車であるスズキキャリィのAGS搭載車を試乗したジャーナリストの方が「良い!」とのことでしたので、結構期待できそうです。
※注:AGSとは
通常のマニュアルミッションに、クラッチを踏む→ギヤ入れ→クラッチ戻す、を行う機械をポン付けしたもので、割と簡素な機械。低価格車に使われることが多い。変速時のショックや失速感が多いのが欠点だが、日本メーカーはその辺の心遣いができている、、、らしい。
さて、自動車の変速機のうち、CVTが最も効率の悪いものであることは、ここで散々書いてきたことです。ですので、CVTはダメな変速機だ!と叫ぶのももちろんよいですけど、一番よいのは「CVTが載っているクルマをみんなで買わないこと」です。これが自動車メーカーに最も効く消費者行動であると思います。そうすればメーカーも考えるでしょう。CVTに対する投資が回収しきれていないと思われる現在、すぐにやめるとは考えにくいんですが。
私個人の経験で恐縮ですが、これまでN社とS社ディーラーの営業マンが「通常のATよりCVTのほうが効率がいい」とトンデモ営業トーク(ていうか明らかなウソ)を聞かされたことがあります。あくまでも「アクセルを戻した時にいかにガソリンの噴射を止めるか」という重箱の隅をつつく制御をしているから結果的に燃費が良いのであり、加速しているときが最も効率の悪い変速機ってハッキリ言って「ダメな機械」としか言いようがないでしょう。
通常のオートマ(のうち最新のものに限る)ですと、発進時以外はエンジンからタイヤまで歯車で直に繋がっていると考えて差し支えありませんが、CVTだと変速する部分が「金属ベルトが単に左右で抑えられてるだけ」で(そりゃ滑りますわな)、発熱を抑えるためにオイルを入れ、そうすると押さえつけたところが滑ってしまうから抑える力を増やし(エンジンパワーのロスが発生)、さらに発熱が、また抑える力を増やす、、、という堂々巡りなんです。
先日、私が有料メルマガの定期購読しているモータージャーナルの事務局をされている、池田直渡さんが書かれたコラムがありましたので転載します。
THE PAGE(ザ・ページ)より
「CVT」の終わりは日本車の始まり 2014年クルマ業界振り返り(2014.12.31 14:00)
(以下抜粋)
まずはCVTの仕組みから説明を始めよう。CVTには様々なタイプがあるが、ハイブリッドに使われているものを除けば、そのほとんどがベルト式だ。ふたつのプーリーの間にベルトを掛ける。プーリーはベルトがかかる谷間がV字構造になっており、油圧でV字の谷間を狭めたり広げたりできる。するとベルトの掛る位置が変わり有効径が変わる。回す側と回される側両方のプーリーの有効径を変えることでふたつのプーリーの回転速度を変えて変速する仕組みだ。
~中略~
しかも回転すれば金属ベルトとコマは擦れるため、潤滑をしないとベルトが摩耗して切れてしまう。そこでベルトを潤滑油漬けにするのだが、前述の通りプーリーとコマの間は摩擦力で力を伝えているので、ベルトを油漬けにすれば当然滑る。滑らないためにはひたすら挟みこみ圧力を強く掛けるしかない。
ということでCVTは動作中ずっと高圧の油圧ポンプの作動を余儀なくされるのだ。この油圧ポンプはエンジン駆動なので当然エンジンのパワーをロスする。パワーロスは速度域にもよるが、ほぼエアコンと同程度だという。
効率向上のための変速機なのに仕組み上パワーロスを避けられないというのは自己矛盾だ。しかも高速になるほど滑りを止めるために油圧を高めなくてはならないのでロスが増える。
もう一点、最少ギア比と最大ギア比の差を大きく取れないという構造的問題点もある。1速のギア比は車重とエンジンの性能で自動的に決まるので妥協の余地がない。となれば妥協するのは高速側だ。その結果CVTを使うと高速巡航中にエンジン回転が高くなりがちになる。前述のパワーロスの問題と合わせて、CVTは街中を走るモードでは燃費にプラスだが、高速燃費は宿命的に苦手なのだ。
国土交通省の定める燃費試験はほとんどが低速しか使わない。そのため低速を得意とするCVTは試験では低燃費を達成しやすいのだが、クルマを買ったユーザーが高速走行をするとこれまで書いてきたような理由でカタログ値と乖離した燃費になりやすい。
(抜粋終わり)
遠回しな言い方ではありますが、CVTを作っている部品メーカー自身が「CVTは効率が悪い」ことを認めているわけですから、これはもう間違いのない事実です。自動車会社の経営陣はともかく現場の人間はわかっているので、あとは車を買おうとしている消費者がCVT搭載車両を買わないことで意思表示をするしかないと思います。
そうそう、なんと商用車を除く軽自動車でCVTを使わない2ペダル車がでました。それは新型スズキアルト。AGS(※注)搭載車はなかなか良さそうです。商用車であるスズキキャリィのAGS搭載車を試乗したジャーナリストの方が「良い!」とのことでしたので、結構期待できそうです。
※注:AGSとは
通常のマニュアルミッションに、クラッチを踏む→ギヤ入れ→クラッチ戻す、を行う機械をポン付けしたもので、割と簡素な機械。低価格車に使われることが多い。変速時のショックや失速感が多いのが欠点だが、日本メーカーはその辺の心遣いができている、、、らしい。