スタトレな男達

１９７４年　　冬の京都　　料理旅館・平安閣　　～～～

深夜１時、テレビの置いてあるギャラリーに、二人の男達がやって来た。
電気が落としてあるから、暗ーい其処に、男達は黙ったまま座りテレビを付けた。

番組は、　『　スタートレック　』　のシリーズ物。
寒くて毛布で包まった二人の男達は、お互い話すことはなかった。
無理もありません。
調理場での立場は、切磋琢磨してのポジション争いを強いられているから、仲が良い訳がない。
週刊誌的表現なら、犬猿の仲とでも？　笑
ひとりはヒゲ、もうひとりはＭ宮君、以前のブログで何度か登場してます。
ホラ、　“　コーヒー煎れ　”　とか、　“　滞在さん　”　とか、　
“　熊本ラーメン　”　とかで。

ある晩の、『　スタトレ　』
某惑星で、地球人の男に、霧状（！)の女性（？）が恋をします。
地球人の船長やドクターには理解出来ません。
そんな固形でない、気体状の生物（？）の女性が、よもや人間に好意を寄せる！
そんなん、 信じられません。
其れをバルカン人のスポックから、　「　物の考えが、地球人らしい狭量だ　」　と指摘されます。

ヒゲも驚きました。　そして物の視野が拡がった瞬間でした。
こんな融通無碍な考え方が存在するんだな　・・・　。
アメリカ人も大したモンだ。
こうして、深夜のテレビを観終わった呉越同舟の二人は、サッサと寝室に戻って行ったので
御座いました。

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