6/16 熊日新聞・新生面 より
江戸っ子の夏目漱石は、地方の習俗には冷淡だった。
「 熊本にはぼくの従弟もいたが、ずいぶんひどい所だそうですね。 」
「 野蛮な所です。 」
小説 『 三四郎 』 で、主人公に手厳しい会話をさせている。
例として挙げているのは、熊本の牛肉屋 (牛鍋屋) だ。
牛と偽り馬肉を出している店がある。
学生は座敷の壁に肉をたたきつけ 「 落ちれば牛肉で、貼付けば馬肉 」
『 まるで呪 』 のような見分け方をしていたのだという。
牛鍋好きだったという漱石が、旧制五高の教師時代に、実際に見聞きしたことだろう。
学生のふるまいが、あまり都会的でないことは認める。
気になるのは、当時は熊本でも、馬肉を牛肉のまがい物のように扱って格下に置いていることだ。
馬刺しなど、今や高級食品となったことを知る身としては、隔世の感がある
と、まーあ、長い引用になったが、面白くてほろ苦がい漱石の原文。
学生とは、S高だろうか、K高生だろか? 要らぬ下世話の興味が沸くが。
それは兎も角、馬肉の話なら、そんな三四郎時代まで戻らずとも ・・・
昭和30年代、或る日のヒゲのウチ。
母親 「 幸一、今夜はすき焼きバイ 」
ヒ ゲ 「 やった、バンザイ 」
母親 「 ばってん、今日はお金のなかけん、牛じゃなか。 馬肉ばい。
そっだけん (そう云う訳だから) 近所の人達には、黙っとかなんバイ 」
ヒ ゲ 「 ウン、分かった 」
それでもその当時、肉と言えば、唯一学校給食でたまに出るゲイカツ(鯨のフライ) ぐらいなモン。
馬肉 ・ 玉子! ・ 砂糖! を使うスキヤキなぞ、天上の喰い物でした。
しかし、母親の様子で、馬肉は牛肉よりオロヨカ(格下)物らしい事は、
子供ごころにも理解出来たのです。
さて今日は、我が家では、鳥のスキヤキ。
鳥と言っても、成鶏!
噛みご耐えのあるこの肉は、今やビーフより高価なぐらい。
ブラジルものの若鶏では出ない味わいだ。
サア、ずいぶん声も出る様になったし、今度の第三火曜日 (21日) は、
海王丸へリハビリに出向こう。
皆んな遊んで呉れるだろうか?
http://blog.with2.net/link.php?1046790
↑ 参加中です。クリックしてもらえたら嬉しいです!
江戸っ子の夏目漱石は、地方の習俗には冷淡だった。
「 熊本にはぼくの従弟もいたが、ずいぶんひどい所だそうですね。 」
「 野蛮な所です。 」
小説 『 三四郎 』 で、主人公に手厳しい会話をさせている。
例として挙げているのは、熊本の牛肉屋 (牛鍋屋) だ。
牛と偽り馬肉を出している店がある。
学生は座敷の壁に肉をたたきつけ 「 落ちれば牛肉で、貼付けば馬肉 」
『 まるで呪 』 のような見分け方をしていたのだという。
牛鍋好きだったという漱石が、旧制五高の教師時代に、実際に見聞きしたことだろう。
学生のふるまいが、あまり都会的でないことは認める。
気になるのは、当時は熊本でも、馬肉を牛肉のまがい物のように扱って格下に置いていることだ。
馬刺しなど、今や高級食品となったことを知る身としては、隔世の感がある
と、まーあ、長い引用になったが、面白くてほろ苦がい漱石の原文。
学生とは、S高だろうか、K高生だろか? 要らぬ下世話の興味が沸くが。
それは兎も角、馬肉の話なら、そんな三四郎時代まで戻らずとも ・・・
昭和30年代、或る日のヒゲのウチ。
母親 「 幸一、今夜はすき焼きバイ 」
ヒ ゲ 「 やった、バンザイ 」
母親 「 ばってん、今日はお金のなかけん、牛じゃなか。 馬肉ばい。
そっだけん (そう云う訳だから) 近所の人達には、黙っとかなんバイ 」
ヒ ゲ 「 ウン、分かった 」
それでもその当時、肉と言えば、唯一学校給食でたまに出るゲイカツ(鯨のフライ) ぐらいなモン。
馬肉 ・ 玉子! ・ 砂糖! を使うスキヤキなぞ、天上の喰い物でした。
しかし、母親の様子で、馬肉は牛肉よりオロヨカ(格下)物らしい事は、
子供ごころにも理解出来たのです。
さて今日は、我が家では、鳥のスキヤキ。
鳥と言っても、成鶏!
噛みご耐えのあるこの肉は、今やビーフより高価なぐらい。
ブラジルものの若鶏では出ない味わいだ。
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海王丸へリハビリに出向こう。
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