エンディング・ノート

和室の電球が切れた機会に、ＬＥＤ電球に替えた。
カァちゃんが、しみじみと呟いている。
「　これが使えなくなる頃には、私達は生きていないのよネ。　」　と。
思わず、首筋がひんやりしました。

チェスの中盤戦を夢中で過ごし、クィーン交換も済んで、ふと気付くと
キングとポーン三個だけ。
エッ？　　この終盤はどうなるのだ？
バタバタと忙しく人生を過ごし、ふと気付くとエンディング・ゲーム。
人生もチェスも、よく似ている。
がむしゃらに働いた日本人企業戦士、いつの間にかの定年。
これから、何をして生きていくのか？

そしてヒゲも又、人生万事塞翁が馬の呪いに巻き込まれて、
ウンザリの長期入院の浮き目に。
入院前は、九州新幹線とやらに初乗りし、鹿児島で遊び廻った。
次は、北九州や！
その後広島、目標は京都や～　・・・
そうだ！　
その前に、お取り寄せで、琵琶湖の野鴨鍋を注文しなくっちゃーと。
正に、これからと云う時。
ささやかな楽しみが、長生きの神様のカンに触ったのか？
人生の残り時間が、ある種秒読みに入っているヒゲには、
この三ヶ月弱の入院は、長過ぎた。
勿体無い！！
もっと、色々な事をさせてよ～。

突然にどうなるか判らない、終活後半戦。
例えば、ウチの孫が切手に興味を持ったとしたら　・・・
あのレア物の、　『　見返り美人　』　の切手をシェアしているＯ木公明君と、
そろそろ決着をつけるべき齢か？
「　どっちの孫に持たせようか？　」　と。
何しろ、小学生の時からの約束だから。　　（詳細は前のブログで）

それにしても、こんな長過ぎる入院みたいに、何が起こるかわからない世代。
今度のは、まだしも回復できる病気だからイイものの。
ヒゲの習性は、どうも働き蟻みたいに、　“　貯め込み主義　”　に近い。
本でも名画のＤＶＤでも、手に入れたら、直し込んでしまう。
後（！？）から、ユックリ観ようとお蔵に入れて、ひと安心。
挙げ句、とうとう見る機会はなく、入院してしまう。　　あ～あーー
何でも、元気な内に楽しむべきですネ。

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