田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

銀を残せ~銀シャリ

2019-08-10 19:45:02 | よもやま話・料理編
前ブログ 『 銀を残せ 』 で、 書き落としていた事があります。
それは、天然の魚の事です。
養殖物(例えば間ハ)で皮引きに慣れてる人は、特に注意が要るでしょう。
当たり前のことなんですが、天然物は “ 千差万別 ” です。
“ 均一化 ” された養殖物とは大違い。
身の肥り方もそうですが、特に皮の硬さは様々です。
天然物の皮を引く時には、気をつけましょう!
そして、一番大事な事ですが ・・・ 
   『 銀を残こす意識 』 がないと、決して皮引きは上達しません。
           
ヒゲが勤めていた京都の店では、刺身にする魚はギリギリの時間に降ろしていました。
当たり前ですが、造りたての刺し身の方が美味い。
先ずは、水洗い済みの魚を三枚降ろしにし、節取りした身を親方に渡します。
客の来店時間に合わせて、親方が皮引きした後、刺し身を造るのでした。
現在の大半の店が、業者が用意した “ さく取り身・羊かんマグロ ” を、
切り出すだけの仕事とはずいぶん違うのです。

弟子が言うのも何ですが、伊太郎親方の皮引きは見事でした。
柳刃を持つや、一閃(いっせん)という言葉がぴったりくる技です。
その3秒も掛からない皮引き技術を見逃すまいと、、ヒゲたちは必死に盗み見していました。
引いたばかりの上身は、ツヤツヤと銀光りしています。
それは、まるで、ルノワールの婦人像の肌みたいな、ふくよかさを湛えている様です。
 

今の時代、艶のある刺し身なんて、望むべくもないのでしょうか?
銀が残った刺し身を求めるには、先ずは熊本の食客のレベルアップから。
食べる側が舌を鍛えていないと、供する側も力が発揮出来ない。
業者のさく取った様な、“ 干からびた刺し身 ” が出された折は、
「 こんなモノ喰えるか! 」 と突き返すぐらいの矜恃が欲しいところ。
と言う事は、ちゃんとした刺し身が出た時には、チップなんて昔の和食屋風習を復活させても悪くない。(笑)

ヒゲの場合、こんなツヤツヤの刺し身が登場したら ・・・ きっと叫ぶだろう。
「 誰か~? 一膳の “ 銀シャリ ” を持ってきてくれー! 」
一切れの刺し身を箸でつまみ、甘口しょう油にドップリ漬けて、飯の上にのせて掻き込む!
「 飯がウマ~い!! 」
                     
いやいや、ヒゲは、いやしくも酒呑み。
こんな銀が光る刺し身の時は、辛口しょう油をちょっとだけ付けて、ルノワール的豊潤さを賞味しよう。
そして、酒を一献。
酒は、そうだ! 『 銀盤・米の芯 』 が、良よかろう。
                         
魚の脂が銀盤で流されると、また次が欲しくなる。
たちまち、大酒呑みのスパイラルだ。
すると気分は浮遊して、まるで “ 銀の龍の背 ” に乗っている様に!?
フフフフフー Dr.コトーも、この高揚感を知るまい?


そんなルノワール的な皮引きを披露してくれる、熊本の店を誰か教えてくれないだろうか。

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コメント (2)
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