田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

迷局プレイバック②

2022-03-01 19:33:24 | ヒゲの盤上の世界
さぁ、高校生ヒゲの初手7六歩に、中学生前田くんの四間飛車で対局が始まる。
盤上は、当時のタイトル戦『大山名人VS山田道美八段の手順』をなぞって進んだ。
      
手順を踏みながら、ヒゲは感心した。
「 ほう!? こいつも大した者たい。
  プロ棋士を目指すだけあって、タイトル戦の棋譜は知っているんだ。 」

ところで現在は、藤井聡太の五冠戴冠やらで、将棋界は華やかなムードです。
今や女性たちの参加は当たり前、各種イベントでは棋士はスターですね。
   
           
     
55年程前、大山康晴さんが五冠王になった頃の将棋界は、全く違ったムードでした。
先ず、将棋をする女性はほとんどいません。
そして、「 棋士と言うより奇士か? 」と見る目が多かった。
或いは、将棋指しという名のヤクザな職業のイメージ。
まるで、奇ッ怪な人間を見るような視線が痛い。
        
高校生ヒゲには、そんな視線がきつかった。
映画・王将の “坂田三吉” の暗い映像が影響しているのか?
特に熊本では、ダークなイメージが払拭されないままでした。
          
将棋は、日雇い・博打打ちのするモノ。
教師や銀行員は、囲碁を打つとされていた。
だからでしょう、保守校Sの生徒指導教員がヒゲの将棋活動を罵倒したのは。
そんな熊本の風土ですから、ヒゲ高校生が将棋をしていることは、
親にも絶対の秘密(!?)でした。

さて盤上では ・・・
前田君は大して考えることなく、道場でのいつも通りのチョー早指しを続けます。
そして、ヒゲがタイトル戦の手順から離れた手を指した暫く後、
不思議な顔をして駒を投じた前田君から、「もう 一丁!」と声が掛かった。

          ~ ~ ~ つ づ く ~ ~ ~ 
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