前田くんの「もう一丁」の呼びかけで、先後換わっての2局目。
一局目の早指しとはウッテ変わって、一手一手慎重に進める四間飛車の前田くん。
一局目の早指しとはウッテ変わって、一手一手慎重に進める四間飛車の前田くん。
やはり、2局目も卑近のタイトル戦を踏みながら、今で云う対抗形になります。
当時は、大山五冠の全盛期。
その打倒(!)大山名人の急先鋒が、この山田八段でした。
特に序盤の研究を工夫して、対抗形に新機軸をもたらしてくれました。
当時モノトーンだった日本の将棋界に、色彩豊かな定跡を花開かせたのです。
この、ヒゲVS前田くんの2局目は、名人戦の手順を踏んで進行します。
ヒゲは、 △5三銀左 の山田流から、 △7五歩 と開戦する。
▲同歩 〜 △6四銀 〜 ▲7四歩 〜 △7五銀
すると、中学生・前田くんは、案の定 ▲6五歩 と角道を開けてきた。
角交換後、少考したヒゲ・高校生は、 2二角 と指した!?
つまり、山田八段が対大山戦で指した “8六歩” から離れる展開。
すると、中学生・前田くんは長考に沈みます。
《 なんだ? この自陣角打ちは・・・狙いもなく、漠然として・・・。
第一、タイトル戦の手順を知っているだけで驚きなのに、
目の前の相手は違う手を指してくる。
まさか・・・!
熊本に、こんなタイトル戦の変化手順に踏み込む者が居るのか?
大体、俺様が6五歩と角道を開けてごちゃごちゃすれば、
相手はビビってくるはず。
それが、大山流の振り飛車の極意のハズなのに? 》
前田くんは、そこから色んな指し手を繰り出します。
しかし、まるで蜘蛛の巣に絡まれてもがく蝶のようになっていきます。
やがて、動けなくなり駒を投じた。
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