陸上競技で、生まれて初めて一人を追い抜いた中学生ヒゲ。
その瞬間、ヒゲの中で、なにか神経伝達物質が噴き出した。
「 わぁあー 他人を追い越すことは、こんなに気持ちが良い事なのか～ 」
何しろ、ドベコス（最下位）が指定席のヒゲには、人生初経験ですから。（笑）
中間地点では、長く走る事に慣れてない同級生が、チンタラになり始める。
いつもロングランさせられてたヒゲは、苦もなく追い越す。
ますます、 “ 追い抜きドーパミン ” が分泌されます。
すると、不思議なもので、ギアが入ってスピードが加速します。
次々に追い抜いて、不開門（熊本城の）が見える現・県伝統工芸館の所で、
最後の一人を抜いて、トップでゴールに飛び込んだ！
ヒゲ人生に於ける、奇跡の瞬間！？
眼鏡を掛けた体育教員が、驚愕の眼で見た。
「 万年ドベのお前が、一位だとおおー？？ 」
ほら、フォレスト・ガンプが夢中でアメフト会場に飛び込んだ時の
監督コーチの表情を思い出してください。
こうして、一位でゴールテープを切ったヒゲ。
なんと云う事か！
そのまま学校代表の長距離ランナーとして、県の競技に参加させられたのです。
もちろん人生初にして、それが唯一となったのですが。 (笑)
まるで、ガンプがそのままアメフト選手に登用されたみたいに。
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