ヒゲが乗った原付バイクは、ゆっくり花園の田舎道を進みます。
やがて、田畑の中にポツンと何か見えてきた。
そう、ヒゲが通うことになった熊本予備校の平屋の建物です。
自転車置き場にバイクを置くと、受付の若い女子事務員がうさん臭そうにヒゲを見る。
まぁ当時の時代意識は、「ギターとバイクは不良の象徴だ!?」でしたから。
昭和40年代、ギター(エレキも)を持つ若者は、非行少年のハシリ。
グループサウンズのコンサートに行って、停学処分になった生徒も。
バイクに乗る者は、将来のチンピラ暴走族と思われてたからしょうがない。
🎶 武田ンちの フォークソング狂いのバカ息子が ・・・ 🎵
普通なら、うら悲しい予備校ライフ。
さても、浪人日本一を誇るS黌! (笑)
この学校は、四年制スライドという特殊な風習(?)がありました。
高校三年生の次は、予備校で四年生と云うスキームが当たり前だったのです。
だから、浪人生と言ってもヒゲ達S高4年生には、特別な緊張はありません。
なにしろ、顔馴染みの仲間たちがやたらと多い。
予備校には中庭の設備があり、昼食後にはバレーボールを楽しむ者も。
もちろん、運動苦手なヒゲはやりませんが。
もっぱら、K田くんと、新しいゲーム(?)・チェスにトライしてました。
チェスや将棋をやっていたK田くんは、現在は健康マージャンの指導者か?
《 最近の新聞に掲載されていたものだが、当人に違いないかと 》
或る日のこと、講義が終わっての帰路です。
先に下校した同級生M君が、バイクを押しています。
追い抜いた後、ヒゲはバイクを停めて近づき、声を掛けます。
「 どぎゃん シタつや~? 」 (注:どうしたの?)
M君は頭掻きながら、「 ウーン、ガス欠のごたっとタイ 」
ヒゲは首をひねりながら ・・・
「 このコックを横にすると予備ガソリンに切り替わって暫くは走れるから、
その間にスタンドを見つけると良かヨー 」
「 そうバッテンたい!
ジュンなバイク屋の息子のくせに、そぎゃんとも知らんとタイね(笑)」
そう言って、ヒゲは別れた。
それから時は流れ、田園3F大広間での三角ホ〇〇(株)の宴会中。
ヒゲは、座敷の中央で社長と盃を交わしています。
その内、予備校帰り道の予備タンクの話題になった。
「 そぎゃんこつ(そんな事)も在ったねえ~! ハハハハハー 」
予備校仲間は、結構仲良しで御座いました。
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